父の晩酌

父は、お酒が好きだった。
夕食時、まず瓶ビールを1、2本飲んでから、焼酎、または日本酒。
そして寝酒にはウイスキー。

家計が火の車なのはおかまいなしに、きっちり毎日飲んでいた。
食べること、飲むことが大好きな父。
つまむものへのこだわりも強い。
酒とつまみが合わないと途端機嫌が悪くなる。

子供の頃はあまり理解できなかったが、私もお酒を飲むようになってからは父の気持ちが痛いほどわかってしまう。

母は、お酒は飲めたが好きで飲むのではなく、嫌なことを忘れたいがため、酔っ払いたいがための酒だったからつまみなど知らんわって感じで、どうでもいいものを出していた。

母の気持ちもわかるけど、今思い返すと、「それはないわー」
というつまみが多かった。
とはいえ、家計が火の車で毎日お酒を出していた母はどんなやりくりをしていたんだろう。。と今だに不思議に思う。

寝酒のウイスキーを飲んでいるとき、氷がなくなると決まって
「姉ちゃん、氷持ってきてー」とお声がかかる。
氷追加担当は、なぜか私だった。

そんな父は、酔っ払って気持ちのいい状態でコロッと逝ってしまった。
本人的には幸せだったのかな。。
父親が亡くなってからもう20年以上経つが、死に目に会えなかったからいまだに実感がない。。

家族から見ると、
私のお酒の飲み方は、父そっくりらしい。。。

今生きていたら、大好きなつまみとお酒を一緒に楽しめたかもしれないな。。


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