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[ミュージシャン紹介]岡庭矢宵(Vocal・Oud) From Israel

その昔、スペインからやむなく追放され
世界中へと離散していったユダヤ人たち。
セファルディ”彼らから伝わる、美しい歌の数々。
イスラエルの地で≪セファルディの軌跡を辿る女性≫
歌手、ウード奏者、岡庭矢宵さんを取材しました。

古楽の歌手として

埼玉県で生まれ、国立音楽大学音楽教育を専攻。歌はオペラ、特に古楽を学び音楽活動をしていた岡庭さん。ある日、中世スペインの歌を歌うことになり、その現場で求められたのは<地声>。ソプラノ歌手として活動していた岡庭さんは最初は戸惑うものの、実際に歌ってみると今まで意識したなかった<地の声>の魅力に気づき、クラシックではないジャンルに興味を持つようになったそうです。

自分の<声>とリンクする

ほどなくして、セファルディに出逢った岡庭さん。〈自分の声に合っている〉そして<自分のフィーリングに合っている〉と感じ、そこからユダヤとは何か、と独自に学び始め、そしてセファルディを日本で歌い始めました。
ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者のジョルディ・サヴァールのトルコ音楽とのコラボ、セファルディの有名なCD《Aman Aman》に影響を受ける。
そして中東の伝統楽器であるウードを、日本の中東音楽を代表する音楽家、常味裕司さんに習い始め、大好きな爪を泣く泣く切って練習したそう。(女性には辛いですよね!)

普遍的な美しさを

セファルディの歌は、日本人の心にどこか響くものがあり、お客様の反応はとても良かった。そして、打楽器奏者で、カーヌーン奏者の海沼正利さんとのコンサートで一気にファンを増やすことに。
「でも、珍しいだけには、なりたくなかった」岡庭さん。
コンテンポラリーダンサーさんとのコラボや、自身でも踊ったり、普遍的な美しさを表現したいと、様々な試行錯誤を行ったそう。

3.11

あの日、岡庭さんは池袋に居た。揺れ続ける恐怖からか、見知らぬ人同士が、手を繋いでいる。その日はゆうどという、一軒家のライブスペースに泊まった。翌朝も電車は止まっていて、荒川を歩いて帰ることに。
歩く人は疲労と不安からか、みんなうなだれていて、必死に家へと向かっている。そのビジョンは、1492年スペインから追放されたユダヤ人たちと重なった。現代の日本でこの光景を見ることになるとは思いもしなかった。
これは、歌わなければ!》そう思った。

誰に何を言われても

さらにユダヤについての学びを深め、その空気を感じるために初めてイスラエルへ。ユダヤ教について必死に学んだ。
そうして作り上げたCD《セファルディ・ユダヤ ~魂の紡ぐ歌》は、
日経新聞、** NHKの番組イスラエルセファルディ向け雑誌に取り上げられ、社会的にも注目**を集めた。

イスラエルの地で

ユダヤ教. キリスト教. イスラム教、三つの宗教が混在するイスラエル。その歴史はエルサレムの建築様式からも垣間見える。イスラエルの建築様式。それは歴史の縮図。
オスマン帝国式、旧市街はマムルーク朝時代、更にユダヤ王国時代の基礎が残っていたり、パレスチナ(イギリス領)時代のアールデコ様式、それらが混在するロマン溢れる美しい都市

イスラエル政府奨学金を得て渡ったものの、まず最初にぶち当たった壁は語学だった。しかも歌ってきたラディーノ語でなく、ヘブライ語。
バスの停留所でさえ、英語表記もなく、最初は戸惑い、まずは語学学校に通う所から生活が始まった。

裏通りの隠れ家のように

縁が繋がっていき、イスラエルでの数々のフェスティバルで歌い、イスラエル国内メディアの他にもロシアやジブラルタルの新聞、テレビなどでも取り上げられる。
現在、ヘブライ大学音楽学専攻(セファルディ)研究の学生であり、
2年前に設立したラディーノ(※)オーケストラに、ソロ歌手・ウード奏者として所属し活動している。
イスラエルでもセファルディを演奏する人はレア。そのオーケストラで外国人は岡庭さんのみだという。〈路地裏の名店、な感じが好きなの〉そう語る。
※ラディーノ(セファルディの言語. ラディーノ語のこと。ユダヤ. スペイン語ともいう)

セファルディを辿るみち

自身のプロジェクトとして<ラディリント>がある。ラディーノとスペイン語で"迷宮" を意味する"ラビリント"という言葉を掛け合わせて。
セファルディを辿ると、思いもかけない国や音楽や歴史と、交差することがある。数奇な運命を辿る彼らは、歴史の様々な場面で関わっていることも。
そんないくつかのお話の中で、オスマン帝国でのお話をご紹介します。

スーフィー(イスラーム神秘主義の修行者)たちと仲が良かったセファルディのラビ(ユダヤ教の指導者)たちたちは、ラマダン(断食月)の間、日が暮れるとともに断食が解除される彼らのために、食事を用意して夜を待っていたそう。
様々な宗教の人が暮らしていたオスマンの歴史の中に、こんな交流の形もあったのだ。もちろん音楽も互いに影響を受けあっている。(→後記述)

おススメの本

最後に、これからセファルディを知りたいと思うのために、本を紹介して頂きました。
小岸昭 著『離散するユダヤ人』 
セファルディを理解するのにおススメの本

今日はイスラエル在住の歌手・ウード奏者、岡庭矢宵さんをご紹介しました。”セファルディ”に魅せられて、美しい音楽の世界を遠くイスラエルの地で歌われています。その歌声聴いてみたくありませんか?



**インスタライブ

<海外でキャリアを形成する日本人中東音楽家>**


日時:2020年6月13日(土)22:00~23:00
場所:MEMOS_JのInstagramのアカウントにてライブ配信
参加費:もちろん無料です。

海外でキャリアを形成する、日本人の中東音楽を専門とする音楽家さんとの対談シリーズ。ファシリテーターは代表、カーヌーン奏者の鈴木未知子。
この対談では、どうやって海外で音楽活動をしているのか、
海外でのビザや仕事の取り方、
コロナでどう生活が変化したかなど、普段聞けないリアルなお話
リアルタイムに現地からお届けします。

今回は、前述した、オスマン帝国時代とセファルディの関わりを感じさせる作品を、イスラエルから披露してくださる予定です☆

ご質問ありましたら、ぜひリアルタイムにコメントにてお知らせください。鈴木が質問をアシストさせて頂きます◎
終了後、記事としてnoteにもアップします。
ですが、演奏が聴けるのはライブのみです♪ 

深夜ではありますが、良かったらラジオ代わりにでもお気軽
ご参加くださいね☆
MEMOS_JのInstagramアカウントは こちら

最後まで読んでいただきありがとうございました☆







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