プロジェクトは難しい、しかし・・・。
ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ株式会社の榊巻 亮さん、百田 牧人さんさん、 岡本 晋太朗さんの著書「ファシリテーション型業務改革 ストーリーで学ぶ次世代プロジェクト」を読んだ。
【内容紹介】
営業職員3万人が使用するタブレットを更新せよ!
ビッグプロジェクトの全容を追体験しながら学べる
業務改革の新しい教科書!
本書は、住友生命で行われた営業職員が使用している3万台のタブレットを更新するビッグプロジェクトを通し、自律自走型プロジェクトとは何かを学べる新しいタイプのテキストです。
実は私はこの「住友生命で行われた営業職員が使用している3万台のタブレットを更新するビッグプロジェクト」(=「住友生命青空プロジェクト」)の話を以前聞いたことがある。2018年12月に出版された「リーダーが育つ変革プロジェクトの教科書」の出版記念イベントで上記の書の著者の一人、岡本晋太朗さんと一緒に登壇したのだ。(共に事例として紹介されている。)
なので「住友生命青空プロジェクト」の概要は知っていたのですが、本書でその詳細を知ることになる。非常に面白い内容、一気にamazonに書評を書いてしまった。文章ちょっと良い感じな気がしたからnoteにも書き残しておこう。(多少アレンジは変えたけどね)
「ファシリテーション型業務改革 ストーリーで学ぶ次世代プロジェクト」を読んだ。
リアルな葛藤を追体験する意味、プロジェクトは難しい、しかし・・・。
プロジェクトは難しい。しかも「営業職員3万人が使用するタブレットを更新」という超ビッグプロジェクトだ。関係者も膨大だ。
このビックプロジェクトをコンサルタントが途中まで伴奏。そして途中からは決してプロジェクトワークになれていない、そしてスーパースターもいないメンバーだけで、個々が成長しながら推進し、プロジェクトゴールを見事に達成した話をリアルに書いたのがこの本だ。
超ビックプロジェクトは当たり前だけど相当ハード。正直いって、コンサルタントの伴奏がなければ社員だけでは絶対に成功できるとは思えない。しかし途中で離脱している。これはどういうことか?
(気になるかたは読んで欲しい)
要所要所にリアルな葛藤を追体験できるだろう。
ここがオススメ。胸熱
この本で私が最も好きなのはP208の文章(本の丁度真ん中あたりだ。)
(僕らがいなくても、きっとうまくいくだろう⋯だとしたら⋯⋯⋯)
プロジェクトがうまくいくなら、ケンブリッジが残る意味はない。むしろいない方がキャッシュアウトも少なくてプロジェクトにとっては嬉しいはずだ。
頭ではわかるが、それでも青空プロジェクトに残りたいと思うのは、もはや「自分のプロジェクト」になっていたからかもしれない。
当時こんな葛藤を抱きながら、ケンブリッジのメンバーにも自分にもこう言い聞かせていた。
「僕らはいい仕事をした。ここで支援を終えるのは、むしろ誇れることだ。青空プロジェクトにとってベストな形に持ってこれたんだ」
コンサルタント自身(著者の榊巻さん)も「自分のプロジェクト」といえるのは、胸熱だ。本当によいプロジェクトだったんだろう。
その後は、住友生命のメンバーの頑張りが目を引く。途中でリーダーの離脱という事件も発生しても、前に進む。コンサルタントが初期にメンバーに残してくれた「プロジェクトのお作法」を守りながら進んでいく。
私もこの「プロジェクトのお作法」は伝授されているのでよく分かる。(ウンウンそうだよね。)
兎にも角にも対話は大事だ
最後にこの本にある数々のノウハウ中から私が1つだけ選ぶとすれば、初期に行う「コンセプトフレーミング」だと私は思う。
何を作るのか?を皆の対話の中から導き出す。この対話をどこまで行えるのか?どこまで本気になれるのか?が今後のプロジェクトの成果を分けていくのではないか?と改めて思う。
プロジェクトの目的は何か?常に忘れずにいこう。
プロジェクトに悩んでいる人は一度手に取ってみてはどうか。
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Photo by MissMushroom on Unsplash
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