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monochrome desire

誰かの 幸せ には
誰かが傷ついた跡が残っている

それ が叫んでいても

僕ら 平然としている

「ゆるされたい」

その感情が厭わしいまぼろしの底に
沈んだという報せ

連鎖の中

削がれていく心を軸として
綻んで、崩れて、跡形もなく消える
きっとこの深夜とあなたの存在
まるごと溶かされて
無機質な愛というもの
誰彼なしに 素敵な思い出
に、なることなく
忘れられるといいね

幸せ の意味を持たぬまま

僕の中で
僕が僕であればある程
失ったものを数えれば数える程
幸せ を掘れば掘る程
咎めれば咎める程
あなた が消えて
あの子 が産まれて
あなた になった
なれなかった あの子
憎い あの子
死んじゃった あなた

夜から夜を必死で繋いだ

息ができなくなる感覚を
どうにか快楽に換えたくて
渦の中に響かせる たすけて
無理なら 殺して

白黒つかないこの欲望
誰にも聞こえない

無意味でありふれた
幸せ を手にした代償として

自身を殺めてしまった

僕は、走馬灯で僕を演じた

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