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【モンゴル】10連休で思い出したモンゴルのこと

10連休が終わった。
連休のほとんどを家で過ごすのはとても新鮮だった。10連休はすごい。休んでも休んでも休みの日が続くのが単純に面白い。
連休が明けて「長すぎた」というニュースを目にしたけれど、前例のない長期連休を過ごしてみて、モンゴルへ行ったときを思い出した。

私も含め、モンゴルへ行く日本人のほとんどが「モンゴルの草原で携帯電話は使えますか?」と、聞くらしい。
「電波は届きません。諦めてください」と言うと、そこでようやく仕事の連絡やSNSができないことに対して腹をくくるという。下手に「場所によっては、多少繋がります」とか言ってしまうと、微弱な電波でなんとか仕事のやりとりをしようとがんばってしまう。日本人は電波が届かないところに行かないと、腹をくくって仕事を休めないと。

電波の届かないモンゴルで、ネット中毒の私は最初、手持ち無沙汰だった。撮った写真をアップすることもできないし、SNSもニュースも見れないし、仕事の連絡も取れない。なにをしたらいいのか戸惑ってしまう。仕事やネットに支配されている証拠だなぁと苦笑いするしかなかった。

しかし、時間が過ぎるにつれてネットが繋がらないことがさほど大きな問題ではないと思えてくる。今すぐに知らないと大変なことになることなんてほとんどない。今、360度、目の前に広がる大草原より小さなスマホの中のSNSの方が重要なわけがない。
空の色が変わって行くのを眺めたり、草の匂いを嗅いだり、風の温度を感じたりしする時間は、経験してみないと分からないことがたくさんあった。

日本人は休みたがらない。と言うとちょっと違うかもしれないけど、実際に休むことには慣れていない。誰かが働いているときに、自分だけが休んでいると何と無く気がひける。休み明け、会社の同僚や上司に「お休みをいただきありがとうございました」とか、休暇中の対応をお願いしていた人に「ご迷惑おかけしてすみませんでした」みたいな言葉のやりとりがあったりして、なおさら「休み=迷惑をかける=悪いこと」みたいな空気ができてしまっていることがある。

今回の10連休のように、みんな「せーの」で休んでしまえば、誰に気兼ねすることもない。ゴールデンウィーク中なので対応できませんという大義名分が成り立って正々堂々と休める。お店も営業しているところもあれば、休みを取っているところもある。それがいい。
休むことに慣れていない日本人には、今回のようにまずはみんなで休みに慣れることから始めればいいんじゃいかなと思う。

今回の連休を体験してみて、色んな人の「休み」に対する感覚が変わって、気軽に休みが取れるようになればいいなぁと思う。休み中も気持ちが休めない人は、モンゴルに行けばいい。電波が届かなければ、自分も相手も諦めがつくから。

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