#4 ライバルの存在

若手の頃、ライバルに出世レースで負けた時の話。
(だらだら語るので長文!笑)

そのライバルはAさん。
Aさんは私とタイトルが同じで、入社時期も年齢も近かった。

同じ組織に所属していて、同じプロジェクトにジョイン。
プロジェクト内のチームは違うけど、
評価はプロジェクト内で行われるため、競争相手だった。

ちなみに、評価の仕組みは結構複雑なので、
今回はプロモーション(昇進)に限定する。
プロモーションは評価会議で決まる。
上司がプロモーションさせたい部下を評価会議にエントリーして、
評価会議の中で、偉い人たちによって議論され、決定する。

そもそもエントリーしてもらえないと、
プロモーションの可能性は無い。
また、枠が決まっているため、エントリーされたからといって、
全員がプロモーションできるわけでは無い。


当時の私は、同じタイトルの中でも仕事が出来る方だと自負していた。
作業設計〜実走、資料作成、他部書との関わり、会議のファシリテーション(進行)など、
ミスなく、与えられた役割をこなしていた。
資料は偉い人に褒められていたし、
会議で使うスライドも採用された。
マイナス要素がない。

Aさんよりも本流の課題を扱っていたし、
資料作成スキルも一目瞭然だった。
考え方や情報整理の仕方も、私の方が構造化できていて、情報が片付いていたし、
間違いなく、私が先に上のタイトルに行くと確信していた。

私にとって期待しかない評価会議が始まった。

結果は、
冒頭で記述している通り、私は選ばれなかった。
選ばれたのはAさん。

今でも覚えている感情としては、
めちゃくちゃ悔しいし、周囲に腹が立って、
情けなくて、自身の慢心さが恥ずかしくて、
力不足を実感して悲しいし、ただただ混乱してた。
ちゃんと仕事してきたのに認められなかった事実は、プライドの高い私にはかなり応えた。

結果を聞いた直後に上司とミーティングがあって、
人目を憚らずわんわん泣いた記憶がある。
(職場で泣くなんて社会人失格すぎる)

ミーティングの最後に、その上司から
""またチャンスはある。腐るか、挑戦するか。自分で選べ""
と言われた。
その時の私はもう悔しさ一杯で、周囲にも腹立っていて、
大人のない対応しかできなかった

そこからは、全くやる気が起こらなくて、
頑張っても評価されないならもういいやって思って投げやり状態。
こういう姿勢って周りには伝わるもので。
絶対に周囲も気がついていたのに、
怒ったり注意することもなく、ただ、普段通りに接してくれた。
(今思えば、私の頑張りは周りにも伝わっていたけど、頑張る方向が少し違っていた。それにいつ気がつくか見守ってくれていたんだと思う)

人の心理的に、
普段していないことをやり続けるのはまあストレスになるもので、
この場合、普段真面目に働いている私にとって、
投げやりで過ごし続けることは、まあストレス。
だんだんストレスが溜まっていって、
しかも虚しくなるだけだった。

やっぱり気になったので、
上司に評価会議のことを聞いたら、
""内容は言えないけど僅差だった""とのこと。

Aさんとの差は何か?
そもそも次のタイトルで必要なスキルレベルに対して、今の実力とその差はどのくらいあるのか?
気がついたら、自然と考え始めた

何度も何度もこの結果を振り返って、
最初の頃は、私が優位に立っている結果にしかならなかった。
当然、負けた原因が見えてこない。
(今思えば、この時点で答えが出ているんだよね。視野の狭さが)

自分で見えている範囲でしか考えられていないから、堂々巡りで一向に考えが前進しない。
それでも諦めずに考え続けていたら、
私には見えていないところで評価されているんだと気がついた。

そこからは、今まで見てこなかった要素を考え始めた。

Aさんは割といろんな会議でも自分の意見を発言していた。
発言自体、少し本質からずれていたり、
他のメンバーと似たこと言ってたりしてたけど、
その姿勢は当たり前に身についていた。

更に言えばAさんは、
プロジェクト以外でも、組織の会議や、
プロジェクトや組織以外で開催されるワークショップでも、
臆することなく、自分の意見を発言していた。

私は発言するなら、ちゃんと有益で、本質をついたことしか言いたくなかったから、
会議での発言自体はどちらかというと少ない方だった。

当時の私からしてみたら、
恥をかいてもいいの?って思ったりもした。

また、自身なりにコンサルのコアスキルを可視化してみたら、
だいぶ偏りがあった。
(可視化する時は、会社の評価シートみたいなものを参考にした)
コアスキルは、何かに尖っているより、
スキルに凹凸が少なく、ベースが高い方が、安定したパフォーマンスに繋がり、
結果としてプロジェクト側から重宝されやすい。

そして次のタイトルでは、
クライアントとより議論する場面が多くなる。
(もちろん資料作成スキルも必要だけど)

客観的に、
自分はどう見られているのか振り返ってみた。
私は決められた枠の中で当たり前のことを当たり前にこなしていただけで、
つまり作業者。
会議での存在感ではパフォーマンスに波がある。

どちらが組織に貢献してくれるか、その可能性があるかを見たときに、
Aさんの方がパフォーマンスがよかったんだろう。

Aさんの上司が、評価会議で発言権を持っている人だったことも関係があるかもしれない。
私が散々考えた内容以外の要素で、決まったかもしれない。
実際のところはわからないけど、
自分なりに考えて、自分が納得する答えはこんな感じ。

自分に足りていないものが分かってから、
意識を変えるようになった
具体的には、次のタイトルを意識して、会議では積極的に発言するようにしたし、
プロジェクト外の活動にも前向きに取り組み始めた。
周囲への影響力がキーになると考えて、その場面に遭遇する場合は、存在感を出すように努めた。

次の評価会議で、
無事に私もプロモーションを果たすけど、
目の前の業務が忙しすぎて、あまり驚かなかった気がする。

わんわん泣いた時の上司から、
""あの時泣いてて困ったよ!笑
腐らずによく頑張った!おめでとう!""
ってメッセージもらったことも良い思い出。

評価は後からついてくると信じて、
まずは自分ができる事を一生懸命やっていこうと決めてから、
競争意識は少し薄れた気がする。

今振り返ると、この時は割と暇だったな。
暇だからちゃんと考えられたのもある。

周囲に向いていた目線を
自分に向けるようになったきっかけだった。

Aさんという存在に出会えて感謝。ありがとう!


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