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【決算】今期計画の達成に向け戦略を愚直に推進し、中長期的な成長への基盤を確立する|メンバーズのIR note

2024年3月期(以下、今期)第1四半期(1Q)決算を7月31日に発表しました。

売上収益および付加価値売上高(※)は1Qとして過去最高を更新しましたが、営業利益は、一時的に稼働率が低下したことおよび積極的な採用投資を継続したこと等を理由に、営業損失となりました。

(※)付加価値売上高:売上収益から外注費等を除いた社内リソースによる売上を示す独自指標

5月に公表した業績予想の通り、中長期を見据えた採用による人的資本の拡充に伴い、一時的に稼働率・収益性が低下し、上期は赤字となる計画です。引き続き営業戦略および専門カンパニー拡大戦略を愚直に推進し、4Qには高成長・高収益モデルへの転換を目指してまいります。

今回のnoteでは、決算発表後に投資家さまからいただいた質問と回答をご紹介いたします。


・この記事は約5分で読めます・


Q.前期1Qと比べ営業損失幅が拡大したのはなぜか


新組織の立ち上がりに時間を要し一時的に稼働率が低下したことに加え、先行的な採用投資を継続したことから、2023年3月期(前期)1Q比で営業損失が拡大しました(前期1Qが67百万円の営業損失であったことに対し、今期1Qは562百万円の営業損失)。

-売上総利益率(粗利率)も大幅に低下している理由は

今年4月に入社した新卒のクリエイター585名を例年より早く、5月に配属したことで原価が大幅に増加しています(前期は7月配属)。

新卒を除く粗利率も前年同期比で低下していますが、これは昨年の新卒(484名が入社)が含まれており、例年より人数が多く稼働率を高めきれていないこと、また、お客さまの数は増えているものの、一社あたりの売上が拡大しきれていないことに課題があります。

粗利率改善のため、お客さま一社あたりの売上拡大に向けて需要の強い専門カンパニーを中心に稼働を高める施策を推進しています。加えて、新卒をはじめとする若手クリエイターの稼働率を高めるために、ベンチャー企業への留学施策などを実施し、経験値の向上を図っています。

具体的な営業およびサービス戦略については後述します。

-利益圧迫の要因ともなる積極採用は継続するのか

ミッション/ビジョンの実現に向けた成長ドライバーは人的資本の拡充であり、今後も積極的な採用は継続します。DXを推進する人材不足を解消するべく、新卒を採用し育成するとともに、即戦力となる中途採用も強化し、グループ全体のサービス力向上を図ります。

前期より中途採用を強化しており、今1Qの中途採用者数は60名、前年同期比約2倍と順調に進捗し、デジタルクリエイター(DC)数は6月末に2,579名と、前期末比28.2%増加しています。

2024年3月期 第1四半期決算説明資料 P19

中長期的に付加価値売上高は25%成長を目指しており、2030年には10,000名の体制および営業利益100億円も実現するべく、今後の成長に向けたDC数の拡大を進めてまいります。

2024年3月期 第1四半期決算説明資料 P11

Q.一社あたり売上は拡大できるのか


前期より製販分離体制へ組織を刷新しており、新規開拓と既存の拡大(大口化)の両軸で営業体制を強化してきました。

お客さま企業数は増加傾向にあり、特に全取引社数は例年、季節要因等で1Qは4Q比減少する傾向にあるものの、今1Qは365社と前期末比15社増加しており、新規開拓が堅調に推移しました。

2024年3月期 第1四半期決算説明資料 P14

このうち、様々な専門スキルを持ったDCが3名以上でお客さま企業専任のチームとなって、お客さま企業のビジネス成果向上を目指し、デジタルビジネス運用を支援するDGT(デジタルグロースチーム)としてサービスを提供する企業数(DGTモデル提供社数)も123社と前期末比7社増加しています。

DGTモデル提供社数は今期末に200社を目指し、お客さま一社あたりの売上拡大も図ります。

2024年3月期 第1四半期決算説明資料 P12

-2Q以降、本当に営業がうまくいくのか

2Qより営業管掌役員を変更し、営業本部およびアカウント(お客さま企業ごとに切り分けられたクリエイターが所属する組織)ごとの営業部隊において営業戦略を整理・浸透させるとともに、各部署の責任や役割を明確にし営業体制を整えました。

当社には、Web運用領域以外の高付加価値な先端技術領域に特化した社内カンパニー(専門カンパニー)が複数あり、お客さま企業のビジネス成果向上に資するデジタルビジネス運用として、データ分析、UX改善、SaaS活用、エンジニアリングなど、様々な領域でご提案することが可能です。

すでに大規模にWebサイト運用をご支援しているお客さまに対してもこれらの領域のサービスをご提供することが可能であり、今後はグループ全体でクロスセルを推進してまいります。

-市場は停滞しているのではないか

技術革新が進むにつれ、従来のWebサイト運用のみの成長率は以前と比べると鈍化傾向にある一方で、様々なデジタル領域における需要が拡大しており、それに対応した専門カンパニーを立ち上げ、お客さま企業の需要にグループ一丸となって応えられるようサービス力を高めています。

専門カンパニーは今年4月に統合したカンパニー(※)に比べ単価も高く、需要も旺盛であり今後も高い成長性があると見込んでいます。引き続き専門スキル育成および配置転換を強力に推進し、専門カンパニーに所属するDCの数を増やし、成長率を一層加速させてまいります。

(※)2023年4月にWeb運用を中心とするEMCカンパニー、メンバーズキャリアカンパニー、メンバーズエッジカンパニー、ビジネスプラットフォームカンパニー(バックオフィス部門)の4カンパニーを統合いたしました。

-専門スキル育成とはどのようなことをやっているのか

4月に新設したサービス&スキル開発本部が主導し、職種別の専門スキル認定制度を活用したスキルの習得および可視化をしているほか、専門職種ごとにコミュニティを設置し年次や役職をこえてナレッジシェアを行いクリエイターのスキルアップを図っています。

これらを通じて専門カンパニーへの配置転換を促し、特に若手クリエイターの育成の早期化と更なる単価向上を目指していきます。今期末には専門カンパニーに所属するDC数700名を目標に掲げ、人材育成を強化しています。

2024年3月期 第1四半期決算説明資料 P16

人材育成に加えて専門カンパニーの拡大戦略に欠かせないのは、新しい技術領域のカンパニーを立ち上げることであり、今1Qに3社、2Qに入り既に3社立ち上げ、2023年8月時点での専門カンパニーは19社となりました(2023年8月8日時点)。

8月1日に、ローコード開発による内製化とDX推進支援を行う「ラピッドスケールカンパニー」および、LINEに特化したMA(マーケティングオートメーション)/CRM(顧客関係管理)の構築・運用支援を行う「パーソナルリンクカンパニー」を設立しました。

カンパニーの新設により、お客さまに提供できるサービス領域を拡大しチームモデルをより強固なものにするとともに、クリエイターが活躍できる幅を広げ中長期的には採用の拡大にも寄与すると考えています。

Q.今後の見通しについて教えてください


先行的な採用投資により上期は赤字の見通しですが、これらの戦略を推進することで第4四半期において、四半期単独で付加価値売上高成長率25%および従来並みの収益性(営業利益率10%ペース)の高成長・高収益モデルへの転換も目標にしています。

そして、来期2025年3月期は通期で25%超の付加価値売上高成長および営業利益率10%を実現する基盤を築くべく、営業体制およびDGTモデルを確立してまいります。

今期期初より営業・人材育成・採用に積極的な投資を行っており、短期的には利益が出にくくなっていますが、投資家のみなさまのご期待に応えられるよう社員一同目標達成に向けて邁進いたします。

編集後記


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

投資家のみなさまに有益な情報をお届けできるようIR活動を行ってまいりますので、引き続きご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

今回の記事のほか、決算後のQ&A等をご紹介する記事は『メンバーズの決算を知る』マガジンにも揃えております。ご覧ください!

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(担当:中島)

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