居場所

ふわり、過剰摂取したお薬の作用で、意識がぼんやりとしている。
曖昧な意識の中で、黄色のガード付きのカミソリで腕を切った。
離人感で自分が自分じゃなくなってしまったような感覚の中、傷口から流れ出す真っ赤な血液だけが、真実だと思えた。
どうしたってこの世は理不尽で、生きたい人が生きられず、死にたい人が死ねないように、地球は回っているらしい。
今日も昨日もおとといも、希死念慮はわたしの頭の中をぐるぐると渦巻いている。
わたしも、無償の愛がほしかった。大好きだよって抱きしめられたり、つらいときに「つらかったね」って頭をなでられたり、されたかった。
さみしい、ひとりぼっちの気持ちだ。愛されたい。
恋愛をしてみようとしたこともあった。でも、付き合って二か月ほどで、相手に特別な感情を抱けなくなってしまい、別れてしまった。わたしに恋愛は向いていない。
友達も、仲良くなったと思ったらストレスのはけ口として利用されるようになってしまったり、雑に扱われたり、何をしてもいい人だと思われてしまったりして。なかなか人間関係、うまくいかない。
たった一人の大好きな友達は、東京に行ってしまった。
わたしの居場所はインターネットにしかない。

🎵：ピエロ／マーキュロ