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【初心者向け記事】ギャラリーで個展を開く方法(2):日程・宣伝・事前準備編

こんにちは、メロンパスです。
この記事は前回の記事の続きとなります。

【初心者向け記事】ギャラリーで個展を開く方法その1:費用・会場選び|メロンパス◆グランジコミックアート @melonpas|note(ノート)https://note.mu/melonpas/n/n527b68bea464

日程を決めよう


前回の時点で「このギャラリーでやりたいな~」というところに目星をつけたら、次は日程の調整です。

ほとんどの貸しギャラリーは一週間を単位としており、搬入と搬出の曜日と時間が決まっています。ギャラリーのwebサイトなどで確認しましょう。とりわけ搬入は平日の日中に行うギャラリーが多いところが会社勤めの方などにはつらいところですね…。グループ展や企画展と違い、郵送したり知人におまかせしたりするわけにはいかないのが個展の難点です。

搬入出の曜日や時間に問題がなさそうでしたらギャラリーに連絡して予約をとります。ギャラリーにもよりますが、大体1年前くらいに予約するのが一般的です。空きがあれば近い日程での予約も可能かもしれませんが、準備や宣伝告知にかける時間を考えると最低でも3ヶ月は欲しいです。実際私の初個展は決定から3ヶ月で開催したのですが、宣伝用のメインビジュアルとなる新作の製作もあったためかなりギリギリでした。

また、予約確定時に前金を払う場合があります。ギャラリー利用料の50%を先払いというところが多いです。予約確定時でなく、会期まで残り半分を切った頃(1年前に予約したなら半年前)に前金が必要なギャラリーもあります。
 



個展の内容を決める


予約が確定したら、いよいよ個展プロジェクトが動き出します!どのような展示にするか計画を練っていきましょう。
 

考えるべきこと
・個展のタイトルやテーマ
・展示作品選びと配置決め
・装飾やBGMなどで演出をするか
・レセプションパーティやイベントを行うか
・グッズや画集などの物販をするか


 

個展のタイトルやテーマ

個展のタイトルは宣伝告知のためにも早めに決定し、ギャラリーに伝えておかなくてはなりません。連絡事項や締め切りはギャラリーによって異なります。

テーマは必ず決めなくてはならないというものでもありませんが、全体の方向性を定めることができ、展示作品選びや告知文章の作成などに役立ちます。
 

展示作品選びと配置決め

展示のレイアウトについては、ギャラリーから図面をもらって検討することになります。余ったスペースを埋めるために新作を作ることになったりする場合もあるので、なるべく早めに決めておきたいところです。

私はいつも、図面の上に同じ縮尺で作品のサイズになるように切った紙を並べて位置を決めています。

まず見せたい作品を並配置して、空いたところに他の作品を入れていきます。

特に気を付けておきたいのは、ギャラリーによって釘を打っていい壁とよくない壁があることですね。釘打ちNGの壁にはピクチャーレールというフックつきのワイヤーに引っ掛ける形になるので、紐を通しておく必要がありますし、縦横無尽に作品を配置するようなことは難しいでしょう。

また、立体物の展示や物販などで台が必要な場合は、借りられる什器を事前に確認しておく必要があります。
 

装飾やBGMなどで演出をするか

並べている作品だけでなく、展示空間そのものがお客さんの体験となり、体験そのものに価値があるのが展示というものです。この感覚はSNS上の画像では味わえない魅力でもありますね。必要だと思ったら検討していきましょう。
ただし、何をどこまでやっていいかはギャラリーによって異なるので必ず事前に相談しましょう。
 

レセプションパーティーやイベントを行うか

これもギャラリーと事前に相談する必要がありますが、展示を盛り上げ人を集める効果が見込めます。

最も多いのはレセプションパーティーで、これは会期の初日などに飲食物を用意してパーティーを行うものです。これは集客というより内輪でのお祝いの色が強いかもしれません。

他にもイベントとしてライブペインティング(公開製作)をしたり、なにかを作るワークショップを開いたり、知り合いのミュージシャンを呼んで演奏会をする人などもいます。詩の朗読やダンスのパフォーマンスをする展示もあります。
 

グッズや画集などの物販を行うか

物販OKのギャラリーであれば、自分の作品を使ったグッズや画集を売ることができます。

特にコミック系など、若年層をターゲットにした作品は原画や大判プリントよりも、ポストカードやアクリルキーホルダーなどの方がよく売れる傾向にあるので製作をおすすめします。

私も初個展のときは、ミニドローイングやポストカードなどの売上が作品の売上合計を上回りました。
 
 

宣伝をしよう

展示のタイトルと日程が決まり、展示のメインビジュアルとなる作品を選んだら(もしくは製作したら)、宣伝ができるようになります。SNSでの情報発信に加え、ギャラリーにハガキ(DM)やチラシを置いてもらうのが基本です。過去の展示などで住所を知っている方には郵送で送ったりもします。


チラシの例のついでにちゃっかり次回の個展を宣伝。
こういったチラシやDMは基本的には自分で作って自分で印刷屋さんに刷ってもらいます。DTPの苦手な方は知人やプロに依頼します。また、一部のギャラリーでは作ってくれるようです。
 

展示が始まる前に用意する物

その他にも、展示に向けて用意するものがいくつかあります。
 

用意するもの
・作品、(販売するなら)グッズや画集など
・名刺
・キャプション
・プロフィール
・芳名帳、感想ノート
・納品書



作品

これがないと始まりませんね。
 

名刺

アーティストやイラストレーターとして活動していくための名刺です。初めてのお客さんに覚えてもらうためにもぜひ持っておいた方がいいでしょう。


表裏にでっかく作品を載せるのが個人的なこだわり。
 

キャプション

キャプションとは、作品のタイトルや情報を記載したものです。それぞれの作品の側にひとつずつ貼っていく形式のものと、一覧にして入り口付近に貼ってある形式のものがあります。

記載内容は自由ですが、作品タイトル、作者名、(販売する場合は)販売価格は必須の情報です。他には素材と描画材、サイズ、製作年、簡単な解説文などを記載する場合があります。

情報を印刷した紙をスチレンボードに貼って作る人が多いですね。
 

プロフィール

初めての方のために、自己紹介を用意しましょう。

名前と略歴、コンセプト、SNSのアカウントや連絡先などを書きます。

これもキャプション同様スチレンボードに貼って作るのがメジャーです。

 

芳名帳、感想ノート

来てくれたお客さんに書いてもらうものです。

特に芳名帳はお客さんの連絡先を知り、今後の情報発信をするために役立ちます。

名前と住所、メールアドレスなどの欄を設けるといいでしょう。ギャラリー側で用意してくれる場合もあります。



納品書

「売れる前から納品書?」って思われる方もいるかもしれませんが、納品書です。これは必要ないギャラリーもあります。

要するに作品や販売物のタイトル・点数・価格を一覧にしてギャラリーに渡すわけですね。特に物販のグッズや画集などは盗難・紛失などのトラブルに備えるためにもギャラリー側と作家の両方が数量を確かめて把握しておくことが大切です。

指定のテンプレートがあるギャラリーもありますが、大抵は自分で用意したものを使用します。
 
ここまで用意ができればあとは本番!
次回は最終回、搬入・搬出・売上金のことなどを書きます!
 
 
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