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#20 "継続できる力"を活かす ~障害者就労施設の訪問日記③~

MelonPapaです。発達障害の4歳の息子との生活を通して感じたことや見聞きしたことを発信しています。(自己紹介はこちら)
今回は、#14,#15,#16に書いていた障害者就労施設の訪問日記の続きを書きます。

#17 発達障害児の子育てにおいて、"継続する"ことの大切さを再認識の記事でも書いたように、なかなか決めたことを継続するのは難しいですよね。そんな中、障害者就労施設で発達障害の方が"継続できる力"を活かして活躍している話を聞いたことを思い出したので、共有します。

"障害者就労施設感"が無いパン屋

障害者就労施設でパンを作られているところは比較的多いと思いますが、「障害者にも一般就労の方と同じだけの給料を支払う」ことを目標にし、実際に達成されているパン屋さんを見つけたので、訪問してみました。

まず外見、障害者就労施設に見えません。続いて店内に入って、パンを購入し、店を後にするまでの一連の流れを経ても、パン屋としか感じませんでした。この中で、どのように障害者の方が活躍しているのか、さっぱり分からなかったので、お店に見学依頼をして、後日店内を案内してもらうことにしました。

障害者の個々の状況を踏まえた役割分担

後日改めて訪問し、店長さんに店を案内してもらいながら話を聞きました。パン屋は製造部門と接客部門に大きく分かれており、働いている障害者の方々は個々のできること、できないことに応じて役割分担をしているとのことでした。接客はお客さんに接するため多少の臨機応変さも求められるため、できる方は限られていますが、障害を持っている方も接客部門実際にお会計等を担当されていました。また、製造部門にもパンの仕込み、焼き、具材乗せ等の個々のステップで働かれている障害者の方々がいました。

見学の中で、私が店長さんに「障害者の方はが特性を生かして働かれているんでしょうか?」と質問したのですが、その時の店長さんからの回答は非常に印象に残っています。特に印象に残った言葉が2つあります。

"そもそも「障害者」、「健常者」と分けて接していない。全員を店のスタッフとして見ている"

この回答を聞いて、ハッとさせられました。自分の中で、「障害者」「健常者」と線引きをしてしまっているなと。線引きなんかするもんじゃない、自分では思っているつもりだったのに、私は店の見学中に「どの人が障害を持っているんだろう?」と探してしまっていました。でも、店長さんがおっしゃる通り、皆さん立派な店のスタッフ、戦力なんです。

店長さんは、店のスタッフに応募した時に、障害者の方が働く店だと知らずに応募したそうです。そういうこともあって、障害者だとか健常者だとかいう意識はそんな強く持っていないんだそうです。健常者だって得意不得意があるし、性格もみんなバラバラ。だから、スタッフひとりひとりの特性を生かして役割分担や仕事中の声かけをしているとのことでした。管理職にぴったりの方だ、思わず感心してしまいました。

"継続することは健常者よりも優れている"

上記の回答をした上で、障害者の方が優れているなと感じるのは、「継続すること」だそうです。パン作りにはマニュアルがあって、特に製造部門においては、マニュアルに従うのが大事だそうなのですが、障害を持った方は、マニュアルに忠実に作業をするんだそうです。健常者のスタッフがマニュアルに書いてあるステップを飛ばしたりすると、「〇〇の作業が抜けていませんか?」と言われるそうで、逆にミスをフォローしてもらえることがあるそうです。あるいは、マニュアルには書いてあるけれど面倒で、思わず手を抜いてしまうようなことがあれば、それもきちんと指摘してくれるそうです。

"継続できる人"と"臨機応変に対応できる人"がフォローし合う環境が良いね!

パン屋に限らず、様々な仕事で「継続すること」に苦労していると思います。何か問題が生じた時の解決策として、「今後はこれをやろう」と新たなアクションを決めても、最初はきちんとやるのに、なかなか続かなくて結局自然消滅、というケースは多いと思います。私も心当たりがあります・・・。なので、しっかり"継続できること"はとても価値があることだと思います。確かに、発達障害の方は臨機応変に対応するのは難しいかもしれませんが、そこは臨機応変に対応するのが得意な人がフォローすれば良いですよね。「継続できる人」と「臨機応変に対応できる人」がお互いの得意なところを活かせるチームは、チームとしてとても強いと思います。

今回はこれで終わります。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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