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子どもの幸せ(UNICEFレポートより)

子どものウェルビーイング をはかるユニセフの調査によると、日本の子どもの精神的なウェルビーイングは38か国中、37位だったそうだ。一方で体の健康は1位、全体的なウェルビーイングでは20位となった。

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もう少し詳しく見てみると、精神的なウェルビーイングの指標は①人生の満足度、②自殺率で測られている。では日本の子ども達の人生の満足度はどの程度なのか?この調査では10段階で5以上をつけた子供たちの割合を取っている。38か国全てを対象にはしていないが、このランキングでは人生に満足している子どもは62%で、下から2番目となった。逆に言えば、4割の子ども達が早くも人生に不満を持っていることになる。

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このデータを見たときに、経済的な豊さと人生の満足度に関係があるのかが気になったので見てみた。結果としては、ほぼないと言えそうだ。むしろ日本より一人当たりGDPが低いのに子ども達が人生に満足している国はたくさんある。

満足度GDP

それではもう一つの指標、子どもの自殺率はどの程度だろうか?この数字は10万人あたり7.5人と下から12番目となった。他の国と比較して突出して高い比率という訳でもなさそうだ。ちなみに2016年のWHOの調査によると、大人の自殺率は10万人あたり18.5人で下から7位という結果であったため、大人の自殺の問題の方が深刻とも言える。

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もう一つこの調査で気になったデータがある。それは簡単に友達を作れるかという質問だ。このランキングでも日本は下から2番目となった。

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2019年のWorld Happiness Reportによると子どもの幸福度との相関が高い項目の一つとして、人との直接的・社会的な関係(in-person social interaction)が挙げられている。したがって友達を作るのが苦手なことは子どもの幸福度にネガティブな影響があり、人生の満足度にもネガティブに作用している可能性がありそうだ。

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私は専門家ではないので、ここで結論めいたことを安易に引き出すべきではないと思うが、やはり子どもの精神的な幸福度の向上やソーシャルスキルの開発を、日本は国をあげて取り組むべきなのではないかと感じる。単純な頭の良さではない非認知能力や、EQの向上を含めた心の健全な発達をサポートする仕組みが望まれているのではないだろうか。(ちなみにシックスセカンズ社によると、日本人のEQは世界最下位とされている。)



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