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マインドフルネス&ネット資本主義のモヤモヤ

資本主義って最高にイケてるシステムだと盲信していました。10年前までは。

この記事ではまだ自分の頭の中で整理できていないネット資本主義のモヤモヤの一部についてそのまま吐き出してみたいと思う。

昨年4月にサラリーマンを辞めて独立し、マインドフルネスの事業を立ち上げているところだ。それまで会社に行けば給料が口座に振り込まれ、それに何の違和感もなく生きてきた。今回、独立して改めて全ての個人事業主、社長、起業家のすごさを身に染みて感じている。当たり前の話だが、独立したら自分で売上を立てないと食べていくことができない。そしてサービスや商品ができても、お客さんにそれを知って貰わなければ売ることはできない。

前職では投資の仕事をしていたので、マーケティングやプロモーションも多少なりとも学んでいた。いかに効率良くターゲット顧客にリーチし、購買をしてもらい、ファンになってもらうかとか、ネットやSNSでイケてるコンテンツを発信し、いかにファン層を広げるか、とか。ここまでは商売をしている以上、善悪以前に当たり前のことだと思っていた。

自分もスマホで気づいたらSNSを見ていて、いつの間にか「誰か」や「何か」の情報を追いかけていることに気づく。また自分自身も無意識によく見られたいと感じて「盛る」ことがある。反対に他人が「盛った」情報を見て、今度は自分が嫉妬や不満を感じる。誰かの「価値」が高まることで、相対的に自分の「価値」が下がるのだ。そう考えるとSNSはゼロサムのレッドーシャンとも言える。SNSを見ても特別ハッピーにはならない。でも置いて行かれたくないので、見たくないのに見てしまう。これが依存のスタートだ。

そう考えるとSNSは人間の心理につけ込んだ巧妙な仕組みを作っている。本人は自覚しないままSNSからの情報に依存している人たちを囲い、そこに広告を流す。うまくターゲティングされた広告は、その人たちの脳裏に焼き付き、無意識な購買行動へと促す。(誰も悪くない、マーケティングの基本だ。)

こうして人間のAttention(注意)はSNSやネットの情報に奪われ、リアルの世界で起こっていることへの相対的な関心が失われていく。特に過激なことやフェイクニュースなど刺激たっぷりの情報は脳の大好物だから、冷静な判断などせず、「いいね」や「シェア」により拡散していく。最近ではGoogleやFacebookなどのパワーを持った企業は自主規制を始めているが、そもそも(ネット)広告のビジネスモデル自体が問題の根源なので、大きな効果はないかもしれない。

自分が感じているモヤモヤというのは人のAttentionを奪わずに、(おそらく)商売をすることができないということだ。誇大広告でなくても効率的に広告を打とうとすると、多かれ少なかれその人の時間や関心を奪うことが必要だ。偽善っぽく聞こえるかもしれないが、「マインドフルネス」を生業にしている以上、このことに触れないでおくのは気持ちが悪いと感じてきた。FacebookやInstagram、TwitterにNote、商売をする上で回さなければならないとされるメディアは多い。個人的にリテラシーも低く奥手なのだが、あまり積極的になれないのには、上記のような理由がある。

特に誰かを批判したいわけではない。今起きていることを少しだけ俯瞰して見ることも意味があるかなと感じて、書いてみました。これからも(少し躊躇しつつ)SNSを使い続けると思います。

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