アカシア

三人をあんなつらい気持ちにさせて、ラジオ番組で言わせるなんて、心が破れそうだった。


同時に、この騒動のきっかけになった張本人が全く許せなくなってしまった。

ラジオを聞いてからだんだん、あの沈痛な声を聞いて、どうしようもなく辛くなった。


その日の夜に発表された「アカシア」も、素直な気持ちで聴けず、受け入れられなかった。


タイアップのおかげで三人は逃げることもできず、本人たちの言った通り、こうして責任を取っていくのかと思うと、辛くて苦しくてたまらなかった。


やりたくないならやらなくていい。

逃げてはいけない、とラジオで言わせてしまったこと、

活動を続けていかなくてはいけない、それが責任の取り方、と言わせてしまったこと、


悲しくてたまらなかった。

申し訳なかった。


消化できない思いだけが募っていく。

報道が出てから約二週間近く、何度も泣きそうになっては涙をひっこめた。


前は、こんなにしんどいと思ったとき、すぐ彼らの音楽にメーデーを送ったのに、それすらできなくなっていた。


向き合っていないからだ。

自分の涙の理由と、彼らの気持ちに。


きっと、これしかないだろうと自分に頷き

PATHFINDER2017-2018 埼玉スーパーアリーナ最終公演のDVDを真っ暗にして観ることにした。

ちゃんと向き合わないといけない。

思い出したい、あの日のことを。




ものの三秒で涙が溢れ止まらなくなった。


未来にこんな事が起きているとは知らない4人の笑顔。

切なくて、苦しくて、張り裂けそうだった。

大好きな、私の知っている、4人の姿。

当事者の本人は、どんな気持ちでステージに立っていたのだろう。


尊敬する人の曲にベースラインをつける事が、本人の幸せだったと語っていたのはいつの話だっただろう。


やりきれなかった。

だけど、


でも、4人が大好きだ。

4人の BUMP OF CHICKEN が大好きなのだ。


そして思った。

こんなにいいバンド、やっぱりもったいない。



どうしても人の血が通っているとしか思えない。

あの曲も、あの言葉も、あのメロディーも。

4人はずっと、4人だったのだから。


こんなに大好きなバンドを、

暗闇の中自分を見つけ引きずり出して、大切にしてくれる曲を作ってくれるバンドを、

こんなに信じさせてくれたバンドを、

やっぱり嫌いになれるほど、今まで聴いてきた14年の厚みは重すぎたのだった。


3人が、ちゃまを許せるのかわからない。

私も今は、まだ怖い。

絶対にしてはいけないことだったから。


でも、時がそれを赦すのなら

3人がまた、ちゃまを受け入れるのなら


音楽活動で返してくれるのなら


私は必ず会いに行く。

それまでずっと、聴いていく。


だから、やっぱり4人でステージに立ってください。

会いに来て。



先のDVDの最後、MCで藤くんが

「バンドやっててよかった」と言ってくれた。


また、藤くんが、BUMP OF CHICKENが

心からそう思えるように

私も、少しずつまた寄り添っていくね。


BUMP OF CHICKENへ。




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