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アメリカへ渡った印象派

東京都美術館にて開催中のウスター美術館所蔵
「印象派~モネからアメリカへ」に行ってきました。

「モネ~連作の情景」展でたっぷりとモネを堪能したばかりでしたが、
今回は印象派を作ったモネがどのように海を越えアメリカ大陸へ渡ったのか。

印象派の、モネの、続いてゆくストーリーです。
構成は全5章。

この展覧会を見た後は視界が一気に広がります。

前回のモネ展では、
モネが旅をし、居を構えた、パリ郊外、ノルマンディー地方やロンドン橋や
終の棲家となったジヴェルニーの庭など
定点観測のような連作にスポットがあたり、
私達をぐっとモネがいたその瞬間、その場所へへ引き寄せてくれた。

今回はその真逆。

たった一点。
モネ「睡蓮」がいかにして海を越え、ボストン郊外のウスター美術館にわたったのか。

その後、フランスより先に盛り上がりを見せるアメリカ大陸の印象派画家達とその評価。さらには、日本人画家への影響まで。

まるで点から線へ、線から面へと世界のアートが広がっていく様子が章を追うごとにわかるのです。

そのキーパーソンを挙げるとしたら、この2人。

メアリー・カサット
原田マハさんの「ジヴェルニーの食卓」の「エトワール」はメアリー・カサットの視点からのドガが描かれています。
実際ドガと交流が深く、当初からドガ、マネ、モネ、の才能を早くから見出していたそうです。
自身も画家ながら、彼女の情熱、裕福な家ならではの人脈がなければ、印象派は海を越えることはなかったかもしれません。

メアリー・カサット「裸の赤ん坊を抱くレーヌ・ヌフェーベル」

チャイルド・ハッサム
アート初心者のわたしには、初めてだったかもしれない。
とても、とても素敵でした。
モネともマネともルノアールとも違う。
何か絵の中に希望を感じる明るさ。
印象派に影響を受けつつ、大陸的で大胆なアメリカ人の感性が反映されているような。

気に入ったハッサムの絵をいくつかご紹介。

チャイルド・ハッサム「コロンバス大通り」 
水たまりに光が反射して雰囲気があります
チャイルド・ハッサム「花摘み」
フランスとは少し違う花の種類、色彩
チャイルド・ハッサム「シルフズ・ロック」
モネの作品を彷彿とさせるタッチ

オバマ大統領の執務室にはハッサムの星条旗の絵が飾られていたそうです。
それほど全米に愛される印象派画家。
他の作品も見てみたいと思いました。

世界で初めて「睡蓮」を購入したウスター美術館

クロード・モネ「睡蓮」

そして、目玉はやはり、「睡蓮」
数ある睡蓮の中でも、この色彩と憂いの雰囲気が独特。
幻想的で素敵でした。
この作品と一緒に、パリの画商、デュラン・リュエルとの往復書簡が展示されています。
船積みや大きさのやり取りが細かくなされていて、
いかに大切に運ばれたか、その一端を感じることができました。

最後に、もう一点。

ジョン・シンガー・サージェント「キャサリン・チェイス・プラット」

イタリア生まれのアメリア人画家。
この作品は未完の作品とのことですが、透き通るような肌に白いドレス。

詩的で美しく、釘付けになりました。
白ってこんなに美しく際立つのですね。

他にも魅力的な作品ばかり。
部屋毎に変わる壁の色。
ピンク、ブルー、イエローと鮮やかな構成です。

グッズは…
睡蓮のランドリーネットが欲しかったのですが、売り切れでした…泣

なかなか出会えないグッズのセンス

これでお洗濯したら楽しそうなのに〜
麻布のクッキー屋さん、サブレミッシェルの限定缶やフェイラーも人気。

ハッサムの花摘みの絵が、フェイラーにぴったりですね!

ウスターソースもなかなかの売れ行きでした笑。

では、今日も最後までお読みいただきありがとうございます。

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