雪解けのような
泣きたいはずのに涙が出ない。
少し前まで、そんな状態が続いていた。
仕事を終えて疲れたまま
誰もいない暗い部屋に帰る。
あー、苦しいなあ。でもお腹すいたしなあ。
あ、洗濯しないとなあ。
そんな調子で無表情で過ごす日々。
感情が完全に麻痺していた。
ご飯も食べれない日々が続く中、
「明日遅くなってもいいから
仕事終わったらご飯食べにおいで」
と恋人からLINEが届く。
頑張って早く切り上げようとしたけど、
やっぱり遅くなり会社を出たのは22時過ぎ。
比較的私の会社に近い彼の家に歩いていくと、
私が好きと前話していたご飯を作って
帰りを待っていてくれた。
いや、、もはやお母さんやん、、、
自分のためにしてくれた温かい行動に、
心がじんわりする。
また別の日、2人で出かけて私の家に帰る。
のんびり話していると、
急になんだか涙が出てきた。
恋人は慌てる様子もなく
よしよしとなだめてくれる。
あぁ、やっと泣けた。
自分はずっと苦しくて、
でも感情にふたをしていて。
この人と一緒に過ごすことで、
少しずつ心がほぐれていって、
感情が雪解けのように流れてきたんだなと
気づく。
温かい優しさに触れて、
固まっていた心が柔らかくなる。
とても心地よい感覚。
この人は大事にしないとな、と
改めて思う。