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君と出会って大切な事を気づかされた。




この記事は2020年5月にはてなブログで書いたものをnoteに移行したものです。




つい先日、約1ヶ月程しかお付き合いしていない彼に別れを告げた。交際期間は約1ヶ月だが、出会って一緒に過ごした時間は約3ヶ月。短い期間ではあったが、とても濃い時間を過ごした。


彼との出会いは職場。実習生としてやって来た彼を上司がスカウトし、一緒に働くことになった。見た目は厳ついし、いきなりタメ口で話しかけてくるし、男性に苦手意識が強い私は、彼の事を、「生意気で特に苦手なタイプ」と思った。職場に同世代の男性は居なかった事もあり、周りの同僚達が、「あんたら、恋人居らへんもん同士なんやし、連絡先でも交換したら?」と言われ、連絡先を交換し、毎日連絡する様になった。連絡先を交換した直後、私は夢の国に行っていたので、「お土産も渡したいし、今度ご飯でも行こうか?」と、連絡すると、「楽しみにしてます。何食べたいですか?」と、返事が来て、二人きりで食事する事になった。異性と二人きりで食事する事に慣れていない私は、ドキドキしながらも、仕事の話、世間話、少し恋愛の話もした。彼の印象が、この時、優しくて気が利くし、見た目より柔らかい人。に変わり、彼に対する苦手意識が無くなった。




仕事上での関わりかたにも変化があった。彼が私の体調の変化に良く気づいてくれる様になり、優しくフォローしてくれ、仕事が上手くいかなくて、落ち込んでいると、こっそり私に耳打ちし、「大丈夫ですか?終わってからご飯行きません?」と誘ってくれ、話を聞いて励ましてくれた。私はそんな彼の優しさに惹かれていった。食事が終わりに近づいた頃、「今度は気がねなく過ごしたいから、1日お互い休み合わせよ!!」となり、デートの約束をした。




初めてのデートは、私の希望で京都で着物を着付けてもらった。遅刻したり、道に迷ったり、彼のこだわりが強すぎて、私より彼の着付けに時間がかかったりと、ハプニングは付き物だったが、デートの後半で自然と恋人繋ぎになり、ドキドキした。恋人繋ぎになった時に、嫌な気持ちは一切なく、寧ろ、居心地が良くて、「ずっとこのままでいたい」という気持ちになった。初デートを終えた翌日、職場で顔を合わせると、何処と無く、照れくさい気持ちになった。これが恋なんだと感じた。


初デート後も連絡を取る日々は続いていて、2度目のデートをした。思い付きで海へ行き、恋人繋ぎをしながら砂浜を歩き、足をつけて、「まだちょっと寒いね」なんて話しながら、今後一緒にしたいこと、温泉に一緒に行きたいね。なんて言い合った。彼の未来に、私が居ることは凄く嬉しかったし、私も彼と一緒に楽しいこと、嬉しいことを共有し合える仲でいたいと思った。けど、その日のデートでお互いの「好意」を伝えることは無かった。この曖昧な関係性にモヤモヤした私は、友人にも相談して、次のデートで自分の気持ちを伝えることを決意し、それとなく、彼に気持ちがモヤモヤしていることを伝えた。



3度目のデート。とっても月が綺麗な日だった。彼は私のモヤモヤした気持ちについて、不安にさせたことを謝ってくれた。その後、真剣な顔で、「貴女は俺にはもったいないぐらい素敵な女性。やけど好きです。付き合ってください」と言われて私は頷き、「宜しくお願いします」と返事し、交際が始まった。交際が始まってからも、、彼はマメに連絡をくれ、お互いを出来る限り知るため、仕事以外の電話も沢山した。私の恋愛に対するコンプレックスも、彼は優しく聴いてくれて、「何も心配する必要はないよ。貴女の全てを受け入れる覚悟は出来てるから」その言葉に私は涙が出た。彼に心から感謝し、彼を好きになって良かったと改めて思った。




彼と交際し始めて、2週間がたった頃、彼自身に変化があった。彼の家庭では祖父が不幸にあい、その事で親戚が揉めているときいていた。私は両親のことで色々とあったので、私の経験上で教えてあげれることは伝えた。職場での彼の態度もその頃に大きく変わった。彼が上司や私以外の同僚に対する暴言が酷くなった。「この職場に2年以上おるやつはアホや」、たまたま前にいた同僚に対して、「邪魔やねん。コロナ移るやろ退けや」など。正直、聞いていて心が痛んだ。上司や同僚達は彼の家庭事情を知らなかったが、私は知っていたので、彼の心が不安定になっていく気持ちもわからない訳では無かった。私は彼の様子を見ながら、さりげなくフォローをいれて同僚と接した。


そんな中、私は彼と交際後、初めてのデートをする事になった。「ピクニックとか良いね。お弁当持って」「そしたらお弁当頑張って作るよ!楽しみやね」なんて初々しいやりとりをした。彼は喜んで、私の作った弁当を食べてくれて、公園内を散歩した。綺麗な花を見ながら、「これからも沢山、思い出作ろうね」なんて言って、微笑みあった。仕事以外で彼と会うと、優しくて、気が利く、私が惹かれたままの彼だった。今の彼は家のことで色々あったし、仕事でも人と関わる仕事やから、心が乱れてるだけなのだ。彼の辛さを私は抱き締めてあげることはできる。彼の辛さを抱き締めて、一緒に乗り越えていこう。この時の私は心からそう思っていた。



その日のデートの帰りだった。「ちょっと月を見ながら、軽くお酒を飲みつつ話そうか」となり、2人の家の中間位の公園でのベンチに座った。お酒が入っていたこともあり、少し気分も高まっていた。そんなとき、彼が言った。

「貴女以外の職場の人間は人じゃなくて物と思ってる。けど、貴女は凄く大事」

言われた時は、私もお酒が入っていたし、「貴女の事が凄く大事」と言われたことしか、その時は強く残っていなくて、「嬉しいよ」と答えていた。でもそう答えた後、私の心に違和感があった。その心の違和感に気づいたのは、デートをした日の夜、ベッドの中で今日の事を振り返った時だった。そして、あの言葉が今後の関係性を築いていく中で、重要な事であることを、この時は分からなかった。




デートの次の日、彼の仕事での態度はエスカレートしていた。彼はまだまだ新人の立場だ。覚えなくてはいけないこともまだまだある。なのに、周りに指示を出すようになり、上司から指示された仕事はしない。それに対して、注意すると逆上し、職場の個人情報が書かれている書類を全て、写真に撮っていた。そして、彼と上司が揉めた。たまたまその時、私は彼の教育係に当たっていた。彼に色々と教えているところに、上司が来て、彼と激しい口論になった。私は板挟みの状態だった。その時の雰囲気、表情、口調が、私の両親の事で過去に色々とあった出来事をフラッシュバックしていまい、感情が処理しきれず、過呼吸を起こしてしまった。沢山の人に迷惑をかけてしまった。その後も、過呼吸の発作が続いたので、母親に職場まで迎えに来てもらい、その日は早退した。上司は私と彼が交際していることは知らない。「恋人」の彼、と「仕事」での彼のあまりの違いに、私の気持ちがついていけなくなっているのを、悩んだ。その後も、彼の職場での態度は、更にエスカレートし、被害妄想なんかも出るようになった。誰もそんなことはしていないのに、「ロッカーから、俺の荷物を盗んでいくやつがいるんです。ここは不衛生な職場です。鍵も頑丈ではないし。」などといい、上司と彼の会話が全て、彼のスマホに勝手に録音されていた。彼は、上層部に呼び出され、口論になり、その日は自宅へ返された。




❰彼を今後どうしていくのか❱と、話し合いが行われた。私は恋人として気が利く、優しい彼を見てきているからこそ、心が不安定な状態の彼を、この職場から離した方がいいだろうと思った。彼自身がこれ以上傷つかない為にも。同僚と上司、そして私が苦しまない為にも。彼も同僚も上司も、私にはすごく「大切」な人達だから。誰一人として、これ以上傷ついていく姿を私の目の前で見たくなかった。翌日、彼に「出勤停止命令」が下された。彼は、「心を入れ替えて頑張ります」と、言っていたそうなのだが、上司と同僚、そして私が、「これ以上、彼をこの職場に置いていくことは厳しい」と判断した以上、上層部の決断は揺らがなかった。だが彼は、「後、3日時間下さい。考えます」と、話の辻褄が合わないことを言い出し、彼が警察へ連絡し、上層部、彼、上司、駆けつけた警察官と話をするも、やはり、彼の話の辻褄が合わないので、これ以上警察の方では対処出来なかったそうだ。




彼に解雇が告げられた日の出来事は、すぐ、上層部から説明を受けた。説明を受けた後、彼に電話をしてみると、高らかで変な笑い声をあげながら、「もうあの職場あきたわー」と言って、電話を切られてしまった。そこから、彼と2日間、LINEだけのやりとりだけは続けた。今回の出来事に恐怖と不安を感じ、先日のデートでの言葉の違和感を感じていた私は、医療関係で働いている友人に話を聞いてもらい、過去に精神疾患を患っているかたと向き合っていた、元同僚にも相談した。丁寧にゆっくり話を聴いてくれて、言葉を選びながら、こう言ってくれた。

「彼、もしかしたら、パーソナリティー障害か発達障害かもしれないね。社会に出ること、向き合うにはかなりの時間が必要になるし、苦労はすると思う。私からすると向き合うことは全く悪いことではない。だけど、そんな苦労は貴女には出来るならしてほしくはない。それでも、貴女が向き合うと決めたなら、私は応援するし、教えてあげられることは全て伝える。でもこれだけは約束してほしい。一人で抱え込まないこと。そしてシンデレラ症候群にならないように。悪い部分も含めて彼やし、貴女が彼を変えようとしないこと。彼自信が気が付いてはじめて変わるから」

私は恋人として見てきた彼の顔を信じていた。優しく丁寧に話を聞いてくれた元同僚に心から感謝して、精神疾患かも知れない彼にも誠心誠意向き合って行きたいと思った。だって、「好き」やから。でも、先日のデートでのあの言葉の違和感はずっと残ったままだった。



私は、彼に出勤停止命令を下された日に、親友Kちゃんに「私もう彼とはアカンかもしれん」と。このメッセージを送ったときには、まだ、今までの出来事を誰にも話せていなかった。親友Kちゃんはこのメッセージを送ったとき、体調不良で寝込んでいたらしく、「体調が良くなったら、返事下さい」と送ったら、返事が来た。私は今までの出来事を全て話した。すると、私の事をきちんと思ってくれた上で、

「貴女が家族を助けた様に、今度は私が貴女を助けたい!貴女の大事な人を大切にできない人が貴女を大事にしてくれるなんて思えないし、不安を抱えたまま付き合うのも違うし、人は変わらないよ。彼を好きな気持ちも知ってるし、幸せそうな惚気も聞いてる。けど、貴女には幸せになってほしいからこそ、家族のように思ってるからこそ、自分の為に離れる勇気を持ってほしいです。」

親友のこのメッセージにハッとさせられたし、デートでの彼の発言に違和感を感じた理由に気が付いた。

彼と同じくらい、親友、友人、仕事仲間、家族。私はなくてはならない存在で、何一つ欠けてはならない存在。なにか困ったことがあったとき、苦しいとき、悲しいとき、すぐに駆けつけたい大切な人達。もちろん人間なので、文句なども言いたいときはあるし、喧嘩して傷付けてしまうことだってある。でも、それでも大切な人には変わりはない。そんな事で切れる関係ではないことを私は知っているから。私だけを大切に思ってくれても、私の大切な人達を大切にしてもらえないなら、それは、「愛」ではない。大切な人を形成していく上で、大切な人達が大切に思っている人は私にとっても大切な人達だ。誰一人欠けてはいけない。

この気持ちをちゃんと彼に伝えた上で、別れる、別れないと言う話ではなく、彼にちゃんと伝えてぶつかっていかないといけない。あれからの彼と対面で会うのは少し怖かったので、まずは電話で伝えて、改めて、顔を見てちゃんと伝えようと思い、私は電話を掛けた。



電話をかけ、まずは彼に感謝の気持ちと、いつもは照れ臭くて言えなかった彼の好きな所を伝えると、彼は喜んでくれたし、笑いあった。そして、私が彼の言葉で違和感を覚えたこと、職場での出来事は私にとってもすごく傷ついた出来事だったと言うことを、伝えようと切り出そうとしたとき、「10分考えようか」と話を遮られ、一方的に電話を切られてしまった。私はもう一度電話をかけて、「とりあえず、私の話は最後まで聞いてほしい」と、伝えると、ため息をつかれ「もういいわ」と、また一方的に電話を切られてしまった。この時、私のなかで糸がプチンと切れてしまった。これ以上、彼と向き合うことは出来ない、と。本当ならば、直接、顔を見てきちんと伝えるべきであるのは、分かっているのだが、電話にも出てもらえない状態なので、「短い間でしたがありがとうございました。別れましょう」と送り、着信拒否とLINEをブロックし、この関係に終止符を打った。





この経験を得て、私自身も自分と向き合うことができた。私にとって何が大切で、相手に何を求めているのか。何より、私の為に、厳しい事を言いながらも、本気でぶつかってくれる親友。言葉を選びながら、真意に相談に乗ってくれた、元同僚。過呼吸を起こしたときに助けてくれたり、彼との関係を知り、応援してくれ、彼に何かされたら、全力で貴女を守ると言ってくれた同僚達。彼との関係を一番応援してくれ、心配もしてくれてた家族。私の周りには素敵な人達で溢れている。その事を私は誇りに思うし、永遠の財産であると思っている。それに、迷ったり困ったりしたら、遠慮なく相談してもいいんだと思った。大切な人達が困ったり、悩んだりしている時は、私が全力で助けたい。だって私は、大切な人達の一番の味方やから。



彼だけが悪いわけではない。私は今回、大切な人達がこうして助けてくれたからこそ、大切なことに改めて気づくことが出来たのだ。病気を持っている、持っていない。どんな状態にも関わらず、間違っていることに気づいて、本気でぶつかってくれる人が身近にいてくれることがどんなに大きな事なのか。彼の事を結果的には傷つけてしまったが、彼にもいつか自分に本気でぶつかってくれて、ダメなことはダメ!とちゃんと言ってくれる大事な人と出会えることを、私は心から願っている。









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