私を知ってる街には行けない

私を知ってる街には行けない
思い出したくないことだけを
つつかれるから
言いたくないことだけが
浮かんでくるから
時はさかのぼる
いつか見た空の色
誰も私を知らないぐらい遠くで
ひっそりと暮らしたい
それだけだった
変わってゆくなら果てまで
誰も私と気づかないぐらい変わって
生まれ変わりたい
そう思っていた
人ひとりの人生
まわりの景色に
関わりがなくても
覚えてる誰かがいるかぎり
昔も今も同じに見える
悪いことばかりじゃなかったと
笑えるのは
哀しいことを思い出さないため
一つの話で百でてくる
哀しい記憶を
世の中に隠してるため
私を知ってる街には行けない
行きたくない

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