何処へも行けない私

一番大切なものがなんなのかは
失ってみないと神様は教えてくれないの
誰が本物で誰が偽物なのかは
痛い目をみても懲りずに
見抜けないでいたの
取り返しがつかないことなら
何度も繰り返してきたけど
今も相変わらずなの
心から信じられる何かは
裏切られるたび奪われてきてしまったの
ひとりぼっちの恐ろしさを知るたびに
小さな手は生きる術を探して
生き延びてきたの
波打ち際で立ちすくむと
波が寄せては返すたび
足は砂に埋もれて
見えなくなるように
過去にも未来にも
何処へも行けない私は
立ち止まったまま
動けなくなる
このまま埋もれて
動けなくなる

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