海の上

誰も見たことのない嵐の中
誰もいない海の上で
たった独りで浮かんでた
強い揺れに流され続けたり
大きな波にのみ込まれたり
海水を死ぬ程飲んで溺れたり
長い髪が揺れ動くのと
真っ暗な夜空を眺めてた
きっと凍えてしまったのでしょう
身も心も
自分を捨てても
沈まない身体に
ただ呆然としていたのだから
私が此処に居たことさえ
誰も知らなかったのだから
全てから見捨てられた海の上で
ひとつひとつ魂を削って
少しずつ尖らせながら
誰も寄せつけない
強烈な竜巻に包まれてた

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