見出し画像

僕の心が破裂してしまうまで、

 僕の心が破裂してしまうまで、
あとどれ位の季節を越せるのだろう。
 そんな戯言を呟くと、君が目を細めて笑った。
破裂なんてしないよ、そんな訳ないよ。
そんな風になる前に、私がさ。

 「多分、君の心を奪っちゃうから」

 君が幼稚で、良かったよ。
僕の気持ちなんて、一切伝わっていないのだろう。
ニコニコと幸せそうに微笑んで、君は僕の首の後ろに両手を回した。
そして、僕の唇に自分の人差し指を触れる。
 伝わる以上に、私は君の事分かっているから。
昨日、どんな事を考えて行動したかも、どんな事に傷付いたかも全部分かっているから。


 「もう、君は私から離れられないんだよ?」


 ああ、そうか。
それで良かったのだろう。
僕はもう、僕1人でこの心の操作が出来そうにないから。


 だから。

 だから、君に 僕の

 私の心を、全てあげる。

お読みくださりありがとうございます。お気に召しましたら、サポートして頂けると励みになります。いつか、製本などが出来たらいいなと考えておりますので良かったらご支援願います。