れんと読みます。 大切だと思ったことを書き散らしています。 昔は小説も書いていました。…

れんと読みます。 大切だと思ったことを書き散らしています。 昔は小説も書いていました。また気が向いたら書くかもしれません。 ※アイコンはつつじメーカーβさんで作りました。

最近の記事

SNSと自己顕示欲を捨てた話

noteになにか書くのは2年ぶりくらいかもしれない。 杏山薫 改め 蓮です。どっちで呼んでくれてもいいです。 いきなりタイトル詐欺で申し訳ないのですが、SNSをきれいさっぱりやめたわけではありません。 ただ、SNS(この記事においてはTwitter)の機能の中でいるものといらないものをきっかり分け、いらないものとは完全に決別し、そのために公式アプリも削除したので、感覚的には「捨てた〜!さっぱりした!」という気持ちです。 ついでに自己顕示欲が自分の幸せにとって邪魔だったのでこ

    • 長編小説『ハライソの青い春』(1話限定公開)

      神様なんて信じない。祈りにだって意味はない。 そう信じる少女・渚の住む町に、一人の神学生がやってきた。 彼とともに過ごすうちに、渚はある夢をよく見るようになる。 夢の中で出会ったのは、400年も前に島原で死んだはずの少年だった。 信じるとは何か。祈るとはどういうことか。そして淡い恋心のゆくえは。 まっすぐに生きる彼らの、まだ青い春の物語。 「隣人を自分のように愛しなさい。マタイによる福音書、二十二章の三十八節です」  凜とした声が聖堂の中に響き渡る。本町渚は、その声の

      • 天草四郎の命日に天草・島原に行ってきた 〜MR天草四郎〜

        ここまでの旅の記録を見たい方はこちらからどうぞ。 →天草四郎の命日に天草・島原に行ってきた 〜1日目〜 まえがき島原城の「MR天草四郎」を体験してきた感想と見解です。 あまりにも長くなってしまったので、ここだけ単体でまとめることにしました。 さて、いろいろ言いたいことがあるんですが、まず天草四郎のいちファンとしてのシンプルな感想を。 そして次に島原・天草の乱の知識も踏まえた上での見解を書きました。 ガッツリとしたネタバレはありませんが、完全に前情報なしで体験したい! とい

        • 天草四郎の命日に天草・島原に行ってきた 〜3日目〜

          雨の朝いよいよ今日は最終日。あいにくの雨です。 ホテルを出たタイミングで猛烈な豪雨に見舞われ、荷物と靴をびしょびしょにしながらバス停へ。 天草四郎ミュージアム▼正面入口 最後に向かうのは天草四郎ミュージアム!人生2回目の訪問です。 通常通り営業していましたが、残念ながら映像ホールが修理中とのこと。映像が今年新しいものになったばかりとのことだったのでぜひ観たかったのですが、残念無念……! その代わり入場料が半額になりました。次回来たら映像も観られますように! 平日の朝イ

        SNSと自己顕示欲を捨てた話

        • 長編小説『ハライソの青い春』(1話限定公開)

        • 天草四郎の命日に天草・島原に行ってきた 〜MR天草四郎〜

        • 天草四郎の命日に天草・島原に行ってきた 〜3日目〜

          天草四郎の命日に天草・島原に行ってきた 〜2日目〜

          穏やかな朝いよいよ今日は天草四郎の命日です。 ホテルを出て、地元の学生たちを横目にバス停に並びます。ちょうど4月の第2月曜だったからなのか、入学式か始業式のような出で立ちの学生が多かったです。 わたしが乗った鬼池港行きのバスには他にも何人か乗客がいましたが、港に着く頃にはわたし一人に。 バスは民家や畑の間を走っていきましたが、田んぼに野生のキジがいたことに驚きました。野生のキジっているんだ……(そりゃいるか)。 鬼池港フェリーに乗って島原に向かうため、鬼池港で下車。 チケ

          天草四郎の命日に天草・島原に行ってきた 〜2日目〜

          天草四郎の命日に天草・島原に行ってきた 〜1日目〜

          まえがき突然ですが、歴史上の人物で誰が一番好きですか? わたしはぶっちぎりダントツで、天草四郎が一番大好きです。 好きになった経緯やどこが好きなのかは長くなるので省略しますが、彼のことが知りたすぎて島原・天草の乱の資料を片っ端から読んだほど。 おかげで乱の背景や当時のキリシタン文化にだいぶ詳しくなりました。 ところでわたしは普段小説を書いているのですが、今はちょうど天草四郎を題材にした中編小説を執筆中です。そんな折、ふと気づいてしまいました。 4月12日って四郎さんの命

          天草四郎の命日に天草・島原に行ってきた 〜1日目〜

          短編小説『渋谷浪漫』(1話限定公開)

          「渋谷駅の周辺って、ちょうど谷底なんだって」 センター街で泥酔していた破天荒な男・大和と出会ったことにより、 若き書道家・文彦の運命が変わり始める。 故郷を捨てた男と故郷を求める男が、谷底の街で見つけた答えとは。 ・総文字数約1300字。1話は2分程度で読めます。 ・全11話です。2話以降はページ最下部からご覧ください。  深夜のセンター街で、何かにつまずいた。慌てて片足を踏み出すと、その勢いで下駄が脱げた。同時に「イテッ」という声がして、何か四角いものが遠くへ滑ってい

          短編小説『渋谷浪漫』(1話限定公開)

          推しが死んで人生観が変わった話

          推しが死んだ。 二次元の推しだ。 厳密に言えば彼の死が描かれたのは3年前だったし、わたしもそのことは彼を好きになる前から知っていた。 でもなぜか最近彼に対する興味や敬愛の心がどんどん大きくなってしまい、原作も完結したということなので、ちゃんと読もうと思ってその漫画を手に取った。 相当な悲嘆を覚悟していたけど、まさか人生観まで変わるとは思っていなかった。 ※以下、「鬼滅の刃」8巻までの内容を含みます。 現実世界の死と変わらないわたしの推しは煉獄杏寿郎さんである。 鬼滅の

          推しが死んで人生観が変わった話

          短編小説『ある忠犬の四季』

          ・総文字数約3500文字。5分程度で読めます。 ・主人を待ち続けていた犬の話です。 春 名を呼ばれた気がしました。あの人が帰ってきたのでしょうか。いいえ、そんなはずはありません。私はあの人の声を聞いたことがないばかりか、姿さえ見たことがないのです。それなのにどうしてか、あの人を形作るすべてを私は仔細に知っているのでした。  花の香りが漂ってきます。いつの間にかこの街に吹く風はすっかり暖かくなり、ほのかな熱をもって春の訪れを告げていました。街を行き交う人々にも独りで座ってい

          短編小説『ある忠犬の四季』

          短編小説『追憶の秋』

          私を育ててくれたのは、狐の大妖怪でした。 ・総字数約30000文字。40〜45分程度で読めます。 ・狐の妖怪に育てられた女の子の話です。  りんと鈴の音が鳴った。終わりの見えない鳥居の列に、陽光が優しく射し込んでいる。秋の太陽に染められた鳥居の下を、真っ赤な着物を纏った一人の少女が駆けていった。 「楓、待ちなさい」  りん、りん、と涼やかな音を立てて、紺色の着物を着た男が足早に少女を追いかけた。楓と呼ばれた少女は足を止めて振り返り、ぷっくりとしたほっぺたを赤く染めて笑

          短編小説『追憶の秋』

          短編小説『神に恋した島』

          たった一人の美しい人へ。 ・総字数約24,000文字。30分程度で読めます。 ・孤独な女の子が若い神父と短い旅をする話です。  その神父の祈る姿は、神様に似ていた。神様は祈られる側なのに、祈る姿が神様みたいだなんて変だと渚は思ったが、やはり何度見ても、姿勢をまっすぐにして目を伏せ、胸の前で十字を切って「アーメン」と呟く彼は、頭のてっぺんから爪先まで何者にも汚されないような清廉さに包まれていた。  祭壇の背後にある細長いステンドグラスの窓から、春の陽光が優しく射し込んでい

          短編小説『神に恋した島』

          短編小説『破滅の甘い星』

          世界の終わりは、甘かった。 ・総字数10,530文字。15分〜20分程度で読めます。 ・滅亡寸前の地球でアイスクリーム屋の女の子が恋をする話です。    気温は三十八度を超えた。先ほど南中した灼熱の太陽からは、今日も致死量の熱が地球に降り注いでいる。  風はなく、東京はただ無音の熱気に満ちていた。アスファルトの上では、陽炎の中でミミズが何匹も干からびている。透き通る青空に浮かぶ巨大な入道雲は、その虚ろな光景を静かに見ていた。 「香坂さん、テレビつけて」  水色と白の

          短編小説『破滅の甘い星』

          「終わり」の愛しさ

          「この世で一番大切な人より先に死にたいですか? 後に死にたいですか?」 言い回しや細かい表現の仕方は違えど、こういう意味の質問を何人かに投げかけたことがある。 たいてい、というか今まで聞いた人は全員前者だった。 愛する人の死になんて耐えられないから、先に死にたいと。 わたしはと言えば、絶対に後者である。 ​始まったものは、必ず終わる小説を書いていると、嫌でも自分の趣味嗜好と向き合う。 小説だけではなく、創作をしている人ならみんなそうなんじゃないかな。 自分の作った作品を集

          「終わり」の愛しさ