家を建てる②
弟が家を建ててくれることになり、初めて建築会社を訪れてからひと月あまり。家づくりは次の段階へと進んだ。
まず、タカラスタンダードさんのショールームへ行き、キッチンとお風呂、洗面台の色を決める。
ここでもまた担当者さんの口から「以前見ていただいたときはこちらのお色で……」という衝撃のセリフが何度か出てきた。またしても弟は母と私を抜きにして話を進めていたようだ。
前回「これから何か決めるときは3人で」と言ったことを一応実行したようなので見逃すことにした。
弟が建てる家は「ファースの家」という商品で、キッチンやお風呂のタイプは決まっているとのこと。
最初にキッチンを見たが、タカラスタンダードの「オフェリア」という商品だった。「色を選ぶ」と聞いていたのだが、決めることが多くて驚いた。
まず初めに換気扇の形状。標準でも十分お手入れのしやすいもののように思えたが、オプションを選ぶとさらに取り外しが簡単になると言う。ここに来る車中でさんざん「シンプルなのがいいよ」と口にしていた弟のことなので、てっきり標準仕様で行くかと思いきや、「掃除が楽だから」とあっさりオプションを選択。前回も言ったが父にそっくりだ。
肝心の色についてだが、私はピンク一押しで行こうと思っていた。が、なんとそれはダウングレードになるので選べないという。暑さも手伝ってやる気をほとんど削がれた私。「前回はこちらのお色で……」の声と共に差し出される色もまぁ悪くない、と賛同した。
さらに決めることが次々出てくる。
蛇口の位置をシンクの右にするか左にするか。作業台の高さを何センチにするか。食器棚の上の扉にすりガラス部分を入れるか入れないか。ゴミ箱を置く位置は下の棚のどちら側にするか。作業台の下を扉にするか引き出しにするか。洗った食器を置く網をシンクにつけるかどうか(ちなみにオプション)……
若干の疲れを感じながら1つ1つ決めていく。
お風呂と洗面台も同様だった。
洗面台は色はもちろん、鏡部分を三面鏡にするのかどうか。下は扉か引き出しか。引き出しなら高さはどうするか。横の壁部分もホーローにするかどうか(汚れが付きにくいというので付けたいと希望した。弟は渋い顔。オプションだからか)。
お風呂は正面のパネルの色。照明は壁付けかどうか。壁につける棚は2段か3段か。シャワーはどのようにつけるか。床の色は。浴槽の形と色はどうするか。蛇口の上にカウンターをつけるかどうか。お風呂場の扉はどの形状にするのか。扉にバスマットをかけられるバーをつけるかどうか(ちなみに私はこれは要らないだろうと思ったが、弟の鶴の一声で付けることに。オプション)。
決めることが多すぎて、終わったころには正直何を選んだかおぼろげだった。無難ではあるだろうが明るめの色調になったのでよかった。
注文住宅を建てるというのは大変なのだなぁとしみじみ思う。
昨年まで通っていた教会でも、新しく家を建てた人が確かに色々決めるのに大変そうだったことを思い出す。私の場合、自分ではなく弟が家を建ててくれるのだ。素晴らしい祝福に感謝して、家族仲良く暮らせる家にしたい。
次回は先日行われた「色打ち合わせ」の記事を書く予定だ。弟との攻防はまだ続きそうである……
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