教科書のない授業‐歴史

こんにちは。もう教育実習はとっくのとうに終わっているのですが、今このコースの授業の一環として習っている先住民の歴史と文化について今日は書きたいと思いました。

オーストラリアは言うまでもなく移民の国でヨーロッパ人が到来するまではアボリジニーと呼ばれる先住民が住んでいました。アボリジニーへの迫害の歴史は主にイギリスの植民地時代に始まり虐殺は人命にとどまらず文化や言語まで根絶やしにするまでになりました。人種差別と白豪主義の犠牲となった先住民たちの人権は20世紀半ば以降まで認められなかったという、とてつもない酷い歴史があるのです。

そんな虐げられた先住民の歴史は長く続き、彼らの先住権というのが認められたのは1990年に入ってから。現在では和解のための取り組みが国の様々な機関で扱われています。オーストラリアの学校で教育者としての役割を担うにあたり、和解のための取り組みも授業で扱われているのです。

授業の一環として訪れたミュージアムに展示されていたアボリジニーのアート
この日は、課外授業があったのか制服を着た学生さんが大勢いました。
アボリジニーのアートを子供向けに紹介している部門。タッチスクリーンでアートに触れさせようとする取り組みが見られました。

日本では教科書に載っていない歴史という言葉を耳にします。それに関して修正を問われたり、意識の見直しをしたり。でもオーストラリアにはそもそも教科書がない。私は小学校6年生の授業をほんの2週間教育実習しただけの身分ですが、歴史という授業はなく。全て「読み書き」のトピックの中で扱われる感想を受けました。唯一アボリジニーの文化へ触れた授業があったのは、アボリジニーラップミュージシャンのコンサートぐらいでしょうか。あの時は不思議に思った課外授業でしたが、これもアボリジニーの文化へ触れるための授業の一環だったのですね。つまり、どのように掘り下げて歴史を学ぶかは学校や先生に任されているという事になります。でもそもそも教科書がなければ誰も責任を問われることはなさそうです。

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