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【詩】ノスタルジー

幾つの夜を越えたのだろう

生ぬるい部屋の中で

脳裏に隠れていた記憶を
掻きむしるような
不安定な音楽が流れている

ダンスフロアで踊るカップル
どこだ?
皆んな微笑んでいる
微笑みが古過ぎて
現実だったのか
想像なのかわからない

坂道を下る若い女
赤いジャケットに
ホワイトのパンツ

誰だ?見たことあるけど
思い出せない顔
背が低かった筈なのに

記憶の断片だけが
浮かんでは消える
頼りにならない
フラッシュバック
何一つ確実なものはない

音楽は何処にも属さない
音だけが響き渡り
私の脳の一部を刺激した

映し出されたのは

小さくて温かい
安心できる場所
悲しみも恐怖も知らない
優しさに包まれた場所
宇宙と繋がっていた場所
愛しかなかった場所

微かに鼓動が聞こえる

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