マネーチェンジャー

英語を知って、世界が変わった話。

 英語のスピーキング上達に最も効果があるのは、英語のライティング。これは、24歳のときオーストラリアの大学院を修了した私の実感です。

 英会話だけなら、おかしな文法のいわゆる「Broken English」(ブロークン・イングリッシュ)でも、実は通じてしまいます。英語に慣れている相手や、英語圏出身のネイティブスピーカーたちは、片言の英語からこちらの意図をくみ取って、理解しようとしながら聞いてくれるためです。

 私たち日本人も、たとえば日本旅行中のアメリカ人が片言の日本語で「トウキョウエキ、ドコ、アルデスカ?」なんて尋ねてきても、意図は通じますよね。こちらも、あえてゆっくりとした口調で「東京駅へは、〇〇線の電車に乗ってください」などと答えられます。

 英語のネイティブスピーカーも、この感覚は同じ。だから、こちらがおかしな英文法で話しても、会話はできます。

 ただ、英語のスキルをアップさせることが学習の目的。いつまでもBroken Englishでは、一向に流暢に英語を話せるようにはならないでしょう。

 都内の大学を卒業してすぐ、23歳でオーストラリアのメルボルンに留学した私は、現地の英語学校で8カ月間学び、英語を話せるようになりました。その後、現地の大学院に入学し、1年後に修了(卒業)しました。

 この学生時代に、英語の上達に関して実感したのは、以下の2つ。

1、ライティングがしっかりできる人は、流暢にスピーキングもできる

2、「日本語をまったく使わない環境に身を置くこと」が肝心

 【1、ライティング練習の驚くべき効果】

 ライティング(英作文)において重要なのは「正しい文法」で書くこと。これができていない文章は、本当に読みにくく、当然自分の意図をきちっと伝えることは不可能です。

 そこで、私が日課にすると決めたのが「英語で日記を毎日書く」こと。間違っていても、下手な文章でも、とにかく英語で書く。書き続けていると、自然と自分にとって使いやすい表現が出てきて、英語で書くことに慣れてきます。

 その後、ネイティブの先生や友人に(日記の中身ではなく!)自分が書いた英語の文章を見せ、読んでもらう。そうして間違いを教えてもらい、ライティング力を向上させる。これを繰り返しました。

 文法さえ身に付けばこちらのもの。あとは、知っている単語を文法に沿って言うだけで、スラスラ話せるようになり、世界が変わりました。ネイティブスピーカーとの会話に自信が付き、メルボルンの英語学校でのプレゼンテーションの試験では、クラスで唯一満点を取ることもできました。スラスラとした「Broken English」で試験を乗り切る生徒が多い中、私だけが正しい文法で話していたことが、高評価につながったのだと思います。

 ライティングで身に着けたスピーキング力は、その後の大学院修了と、海外の新聞社に記者として就職することにもつながりました。

 【2、日本語ゼロの環境のつくり方】

 2の「日本語をまったく使わない環境に身を置く」ことですが、これは海外留学する以外、方法はないと思います。ただ、日本にいながらにして、これに近い環境をつくることは可能です。

 仕事の都合上、どうしても日本人と日本語で会話することになる。という方は、せめて自宅では英語だけの環境にしてみることが肝心。英語で日記を書いてみたり、Youtubeで英語のプログラムを流してみたり。ネット上にはCNNやBBC、オーストラリアのABCなど、海外のテレビ放送が毎日流れています。英語学習用のプログラムも無料で鑑賞できるので、おすすめしたいです。

 また、外国人の友人や恋人をつくると、自然と英語でコミュニケーションする時間を増やすことができ、一層楽しくなります。特に外国人の恋人や配偶者がいると、(そのお相手が英話者だった場合)もう英会話を生活の一部にすることができます。

 長文をお読みいただき、ありがとうございました。英語を身に着けたいというあなたのお役に、少しでも立つことができれば嬉しいです。

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