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きみだけになってしまった。

年老いた少年は
遠いふるさとの情景を想い
うたをつくった。
あるとき、ふるさとへ帰ることが
できた。
それは思い焦がれていたものと
すこしちがった。

少年は闇の中でまるくなり
やわらかなうたの手をにぎり
ねむるまぎわにつぶやいた。

きみだけになってしまった。
ずっと一緒にいようね。

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