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【詩】牢獄

私が私を知って一年が経った
一年前の今日の夕方に私は私を知る
知るべきだったのか
知らぬままにしておくべきだったのか
あの選択が正解だったのか不正解だったのか
それは誰も知る由もない

縛られた環境から解き放たれた
不条理な自由の獲得
知らなければ死んでいたかも知れないし
知ったからといって何が変わるでもない

知らぬが仏、とはよく言ったものだ
死人に口なし、死後の心は解らず終い

外は昨日と逆方角に突風が吹いている
人災と天災が重なったあの炎は鎮んだ
真っ黒な焼け跡を残して

またこうなってしまっては仕方が無い
行動に移さないように意識を飛ばそう
黝い傷跡を増やすのは御免だからね。

指を交差させたのは身体の前
決して後ろでは組まないよ。
嘘吐きにはなりたくないよ。
私と縁を持ってくれた人々へ
聖光を浴び成功してよと祈る

どうかこれ以上
私と同じ目に遭ってしまう人が
現れませんように

複雑に入り組んだ鉄格子の中で
今日も祈りを捧げては眠ります

身体もそうだけれども
精神が壊れてしまえば
人間もう死んだも同然
こうはならないでね。

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