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【詩】静脈

心臓が脈を動かして全身に血液を送り続ける限り
俺が俺に嘘を吐いたら残った俺はもう俺では無い

羽の無い蝶々はただの芋虫

腕に刻んだクロスは隠せない

深爪で痛む薬指

小手先だけの口八丁なんて要らない

想いを重く溜め込むことはない
たまたま頬を掠める風のように
ふっと蝋燭の灯火を消せばいい

マッチの先端みたいに
勢い良く燃え尽きてさ
燃え殻が残るくらいで
ちょうどいいんだよね

もうガソリンも火種も無い
燻り続けて眼球を突き刺す

その両目は前しか見られない

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