見出し画像

日本人がグローバルに働く選択肢とは|凡人のグローバル・キャリア戦略

このマガジンでは、「26歳までパスポートも持っていなかった純ドメ田舎モノがグローバルキャリアを歩むまで」というテーマで記事を書いています。海外で働いたり、英語や中国語を使って働いたりすることを将来の選択肢として考えている方の参考やモチベーションになればと思い、自分の経験をご紹介したいと思います。

今回は「日本人がグローバルに働く選択肢とは」というテーマについて自分の考えをシェアさせていただければと思います。もちろん、キャリアには様々な選択肢があり、一概には言えないことも多いのですが、代表的で現実的な選択肢をまとめると、以下の4つに集約されます。(ここではあくまでキャリアとして働く選択肢なので、留学やワーホリといった選択肢には触れないこととします)


▼前回までの記事はこちら

日系企業で海外駐在員

まずは多くの方がイメージしやすいパターンである「日系企業で海外駐在員」です。商社、メーカーといった業界は特に海外駐在の機会が多いと言われています。私自身も上海で働いていた時はこのパターンでした。

メリットとしてはなんといっても待遇でしょう。日本に本社がある日系企業から海外へ赴任する場合は、基本的に「社命で海外に行ってもらう」という扱いなので、本社から手厚いサポートを得られる場合が多いです。ビザや住居のサポートをはじめ、家賃補助、海外赴任手当、会社によっては帯同家族への手当や教育費の補助などもあります(これは会社によって制度が大きく異なりますが)。

仕事の面では、日本本社での経験を活かしながら海外勤務に挑戦できるというメリットがあったり、本社での経験があるからこそ赴任の段階では高い語学力が求められない場合もあったりします。日本生まれ・日本育ちの人材が海外で働くには現実的な選択肢の一つと言えるでしょう。

デメリットとしては、当然ですが社命ですので、タイミングも赴任国も基本的には選べません。希望していても行かせてもらいない可能性も多いにありますし、お子さんが幼い時に単身赴任で海外に移住するなどの場合は家族との大切な時間を犠牲にしなければならない可能性もあります。また、本社から手厚い補助を受けている分、現地での駐在員としてのプレッシャーやそれによるハードワークもあるでしょう。このあたりを覚悟して手を挙げる必要はあると思います。

★お知らせ:26歳までパスポートすら持っていなかった純ドメが、海外MBAや海外駐在などを経て、外資系グローバル企業で働くまでの話をKindle書籍でご提供しています。こちらもぜひご覧ください!

海外現地採用

次に、駐在員ではなく現地の会社や支社に直接雇用されるパターンです。この雇用形態のメリットとしては、駐在員と違って本社都合で日本に帰国させられることもありませんし、シンプルな転職ですのでタイミングも場所も自分の意思で選ぶことができることでしょう。また「駐在員の待遇を与えられている」という本社からのプレッシャーも基本的にはありません。

一方で、デメリットはやはり上記で挙げたような駐在員の待遇はありません。国によっては日本に比べって給与が大幅に下がるケースもあります。私は以前、タイの現地企業から現地採用でオファーをいただいたことがあるのですが、面白そうな仕事だったのですが給与が当時の半分以下になるという条件だったので諦めたという経験もあります。

ただし、給与水準は国によって大きく異なります。特に今は円安で海外の給与水準が上がっていっています。会社によっては逆に日本よりも良い給与でのオファーということも全然あり得ると思います。

外資系企業の日本支社

グローバルな環境で働くということは、決して海外に住まないと実現できないということでもありません。グローバルに展開している外資系企業では、日本であっても外国人の同僚たちと日々英語で仕事を進める環境があることも多いです。

私は上海駐在から帰任後、転職してまさにこのパターンで働いています。多くの仕事をオンラインでつながって推進できる時代です。日本にいながら、香港、中国、シンガポール、フランス、イギリスなど様々なバックグラウンドを持つ同僚や上司たちと一緒に働いています。

メリットは、日本を離れなくてもグローバルな働き方が実現できることでしょう。家族やパートナーの事情などで日本を離れられない理由がある場合でもこの働きなら可能という方も多いのでは無いでしょうか。

デメリットは、外資系企業の日本支社で働く場合、権限が日本支社に委譲されていない場合は、大きな意思決定ができない権限が限られた環境で働くことになる場合もあるということです。柔軟に自分たちで判断しながらプロジェクトを推進することができない場合は、やりがいがないと感じてしまう方もいるかもしれません。ただしこれは会社やそのポジションによって大きく状況が違うことではあります。私の場合は、新設されたポジションであるため、新しい取り組みも多く、とてもやりがいを持って仕事につけているラッキーなケースです。

また、日本支社で働くということは、基本的には日本市場/日本人向けの仕事をすることを期待されて雇用されていることがほとんどです。その場合、本社にとってはその日本人を本国の本社や他の国に異動させるという意味はほとんど無い場合が多いです。その結果、日本人が海外のオフィスで働くという機会がかなり少ないこともあります。これも会社や役職によって大きく異なることではあります。

フルリモートで海外ノマド

もう一つ、近年人気がある働き方としては「海外ノマド」というものがあります。完全リモートで日本の会社に所属したり、フリーランスとして日本のクライアントから仕事を受けながら、海外に住むという方法です。

最近では「ノマドビザ」と呼ばれるビザを発行する国が増えてきています。ノマドビザとは簡単に言うと、「(ビザを発行する)その国内で労働せずに、国外から収入をある程度得ているのであれば長期滞在してもいいですよ」というビザです。近場だとマレーシアやタイがノマドビザを発行しており、その国にとっては、外国人が国内の労働を奪うことなく、生活費などでお金を落としていってくれるということがメリットとなっています。

海外ノマドの最大のメリットは、なんといっても「自由」でしょう。自分で住む国も期間も自由に決めることができます。一方で、当然ですが会社員の場合は、海外からリモートで働くことを許可してくれる柔軟な会社は少ないということと、フリーランスとして独立する場合は収入が不安定になる可能性があるということでしょう。

ということで、今回は「日本人がグローバルに働く選択肢とは」というテーマについて自分の考えをシェアさせていただきました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?