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こよなく愛して名古屋

名古屋が好きだ。住みたいくらい好きだ。
ということで、シフト調整の荒波に揉まれた結果、謎2連休が爆誕したので名古屋に行くことにした。

本当は件の感染症が出回り始めた年の3月に名古屋に行く予定だった。当時はやむなくキャンセル。ということで今回はそのリベンジである。

ということで、いざゆかん名古屋。
とにもかくにも死ぬほど長いので、つまみ食いを推奨します。食い倒れ旅だけにね。

旅のはじまりはKAKOのモーニングって決めた( コーヒーハウスKAKO )

名駅に降り立って、まずするすると導かれるかのように目指したのは国際センター方面だった。わたしが唯一地元以外で地図をほとんど見ずに歩けるのが名古屋である。そういうところも含めて好き。
出発前は、名古屋でモーニング…あーでも新幹線で頬張るおにぎりは美味しい…と悩んでいたはずなのに、気付けば足がモーニングを食べに向かっていることがこわい。おにぎりとデニッシュを新幹線の車内で食べたことは一旦忘れることにした。

そうして辿り着いたのがコーヒーハウスKAKO花車本店である。見てこのカウンター席で目の前にずらりと並ぶコンフィチュールを!見てこの美しいシャンティールージュスペシャルを!
ご時世が慌ただしくなる前に親友と訪れて以来の再会に、思わず1人でにんまりした。おいしい……と声に出してしまっていたようで、お店のお兄さんに「よかったです」と温かな笑みを浮かべられてしまい恥ずかしい。ただ本当においしい。すっかり満腹になったお腹をさすさす、多幸感に包まれながら国際センター駅を後にする。この利便性の良さを含めて好( 以下略 )

わたしは君に会いに来たんだよ( 名古屋港水族館 )

国際センター駅からずずいっと電車に乗ること30分とすこし、今回のメインイベントである。

シャッ、シャチ〜〜〜〜!!!!!!!( 号泣 )

名古屋港水族館にやってきた。待望すぎる。
本当に本当に行きたかった。大学4年から思い続けてもう4年の月日が流れている。こわい。
ちょうど来ていた校外学習らしき中学生の集団に( えっ?あのお姉さん1人? )みたいな目を向けられた気もするけど、気にしないことにしている。中学生よ、お姉さんはこれが楽しいのだよ。

名古屋港といえばシャチとベルーガというイメージがあった通り、悠々と泳いでいる彼らに感動した。ずっと見ていられる……
個人的には暖かな地域にいるカラフルなお魚にあまり興味がなくて、サメや熱帯雨林の気持ち悪めの魚が好き。自分の興味に合わせて見る時間が変えられるのは1人水族館の特権だなといつも思う。とはいえ恋人はもうわたしの趣味を知り尽くしているので、「好きなだけ見ておいで〜」と送り出してくれるのだけれど。ありがたい。

そうして栄のホテルにチェックインを済ませて友人と18:30に待ち合わせ、夜ご飯を食べることにしていたので、それまでにさて喫茶店でも行くかと思っていたのだけれ、ど。
気付けば本を読みながらぐっすりお昼寝してしまった。もう17:30やんけ。慌てて起きてデパートへ。この後会う友人の結婚祝いを購入して、そのまま待ち合わせていたお店へ。

名古屋メシ、塩分と糖分、脂質で構成されている説( まかまか本店 )

友人が予約してくれたお店へ。
名古屋メシが食べたいとリクエストしていたのをバシッッッと叶えてくれた。手羽先!味噌串カツ!名古屋コーチン!ンアアアおいしい!しょっぱい!味濃い!好き!

最近結婚した年上のお姉さん。夢を叶えて学校教員をしている同い年の女の子。始めこそ好きな映画をきっかけに知り合った2人なのだけれど、もう5年も付き合いが続いていることが嬉しい。やれ結婚だ仕事だ介護だ保険だと、話す内容がすこしずつ時を感じさせることが嬉しいやら感慨深いやらだった。彼との関係性について色々と前向きに考える学びも多かったな。これに関しては機会があればまたいつか。

はりきって食べましょう2日目( 珈琲処カラス )

ということで見事に浮腫んだ顔をほぐしながら2日目の朝である。「塩分」と書いて「しあわせ」と読みます。美味しかった楽しかったので悔いなし。
モーニングどこにしようかな〜〜と悩んだ結果、昨夜友人に勧められたコースへ。


珈琲処カラスへ。孤独のグルメにも出てきたお店らしい。あんバタートーストとブレンドコーヒーで本日はスタートです。昨日うっかりお昼寝してしまったせいでだいぶ段取りが崩れたので、雑記帳にタテヨコ線を引っ張って行きたいところをリストアップし、1人作戦会議。Googleマップでこれができないあたりアナログ人間すぎる。
あまじょっぱくて、それでいてトーストがカリカリで美味しい。机がゲーム盤になっている喫茶店大好き芸人としてはそこも喜びポイントでした。とにかく沢山食べ、沢山歩けるルートを練り終えたところで再出発。


拝啓ディックブルーナ様、突然ですが好きです( 松坂屋美術館 ミッフィー展 )

感極まりすぎた&写真禁止だったのでこちらはURLをぺたり。松坂屋美術館でやっていたミッフィー展へ。本日のメインイベントはこれです。

ミッフィーことうさこちゃんも好きだし、デザイナー時代に生み出したブラック・ベアも好き。そのくらいわたしは、ディックブルーナという存在を愛しているのである。自転車に乗ってご自宅の周りをウロチョロする( もうすこし言い方はなかったのか ) 映像や絵本の下書き、彼が不採用にした原稿などの展示を食い入るように見た。あぁ、この人は本当にわたしと同じ世界に生きていたんだよなあと思って苦しくすら感じる。亡くなったのが2017年なので、つい数年前まで新作が出ていたことになる。

ぼくの絵本の物語は途中にどのようなことがあっても、
すべてがハッピーエンド

展示の中でこの言葉を見つけたとき、思わず目頭が熱くなった。ディックブルーナは絵本の中でさりげなく肌の色が違う子たちや王室と国民の距離感みたいな、すこしセンシティブとされる題材も扱っている。それはあくまで押し付けがましさなく、するりと手から巣立っていくよう。だからきっと好きなんだな。

ボンボンで名古屋民ごっこをかます( 喫茶ボンボン )

旅の終わりは喫茶ボンボンへ。コイツほんとに食ってしかいねえな?と思ったそこのあなた。正解です。とにかく食べたいものが多すぎて、30分以内の移動はすべて徒歩にするという食い意地っぷりを発揮した。

熟考の結果、プリンローヤルに決定!ちなみに昨日会った友人は「ボンボンのケーキは2個食べるべき」と力強く話してくれていた。ほんとうにそういうところが好き。
以前ボンボンを訪ねたときはサバランを食べたので、プリンは初めて。ちょっ…ねえ…待って…聞いてない…こんなに美味しいなんて聞いてない……!好みドストライクの固さだった。今後こういう半固形状のものしか食べられない身体になったらどうかボンボンのプリンを食べて暮らさせてほしい。

1人で居酒屋もカラオケもファミレスもどんとこいな人間だけど、ボンボンをはじめとする名古屋の喫茶は当たり前のように1人で過ごす人たちが溢れていてどこか安心する。日常のひと続きに喫茶店があるの、素敵だな。名古屋民みたいな顔をしてプリンを食べた。喜びが滲み出すぎてうまく擬態できてなかったかもしれないけれど。

とまあ、食べて食べて食べ尽くした名古屋旅だった。ああ、美味しかった。本当はシヤチルとかEARLY BIRDS BREAKFASTとか、喫茶ジェラシーとか、おすすめしていただいていて行きたいところがもっとある。とはいえ一度ではぜったいに回りきらないのだ。これはまた来るしかないな。

とにかく名古屋が好きなのだ。

仕事で使っている教材が名古屋市総合リハビリセンターのものなのだが、来てみたら駅名としてドドンと君臨していて驚いた。今の恋人との結婚の話が破談になったらここへの転職を検討しようかと真剣に思うほどに、なんの縁もゆかりも無いくせに名古屋をこよなく愛している。

わたしは知っている。名古屋の人たちに「住みたいくらい好き」と言うと「なんで?何もないじゃん」と言いつつも、嬉しそうにすることを。そういう、自称「何もない」場所をなんだかんだ愛している名古屋民の、そういうところを含めてだいすきなのである。
ぜっっったいに、また来るからね名古屋!


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