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めくるめく メンテナンスの世界~カメラの掃除~

 こんにちは!
梅雨末期の大雨が各地で被害を大きくしています。
地元でも3年前の西日本豪雨で甚大な被害を被りました。
オリンピック開幕を目前に、パンデミックと自然災害の多重苦が続く中、
皆様におかれましては、健康と安全第一で、万一の時には命を最優先に考えた行動を切にお願いいたします。

 今日は一旦雨は収まっていますが雲が低く垂れこめ、光量は少なく外の撮影には不向きな天候です。
ということで、しばらくやっていなかったガッツリメンテナンスの日にすることにしました。

 基本的には、メンテナンスは専門家にお任せするのが常道です。
私はNikonユーザーなので、年に1回はニコンプラザに預けてセンサーやレンズの清掃・ファームアップやピント調整をお願いしています。
よくやるのは、甲子園球場に行ってそのついでに阪神電車で梅田に行って掃除をお願いするパターンです。
ところが、梅田にあったプラザがいつの間にか博労町に移転して、実はまだ移転後は行ったことがありません。
去年の夏、1回目の緊急事態宣言が明けて甲子園からの梅田で清掃をしてもらった直後くらいに移転したらしいのですが、ご存じの通り我が国は現況のような状態を何度も繰り返しているので、流行地域に簡単には近づけなくなりました。
カメラのことを考えると早く行った方がいいのですが、今のところまだ様子見です。阪神方面へもそろそろ行かないととは考えています。
世の中の状況を見ながら、感染症対策ばっちりで旅に出ようと思います。
しかし、博労町って中途半端な所に移転したんだな、と。
梅田の時は地下街から雨に濡れずに行くことが出来ましたが。
賃料が相当、だったのでしょうか。。。

 「今日はガッツリ掃除するぞ!」と意気込んで、4時間コースを覚悟して臨みました。先ずは掃除を行うツールのご紹介を。
①ボディ Z6
②ボディ D750
③レンズ NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
④レンズ AF-S NIKKOR 20mm 1:1.8G ED
⑤レンズ AF-S Micro NIKKOR 60mm 1:2.8G ED
⑥レンズ AF-S NIKKOR 200-500mm 1:5.6E ED 
⑦レンズ TAMRON 28-300mm F3.5-6.3 PZD VC
並べると結構なボリュームですね。でも、レンズは簡単です。
問題は、ボディ。。。難敵です。

 ボディで一番問題になるのが、イメージセンサー。
写真にゴミが写り込んで、せっせとレタッチで掃除する、なんてこともしょっちゅうですが、出来れば根本のゴミをやっつけたい。
先述しました通り、プロに清掃をお願いするのが常套手段です。怖いですからね。
センサーを傷付けたら一巻の終わり、なので。
イメージセンサーはカメラで最も重要な部品です。
それを自力でやろうという、何と無謀な!って、周りのおじさんたちにはよく言われます。
でも、自力で出来ないと、いつまでたってもゴミゴミの写真に甘んじ、ちまちまレタッチでの清掃の手間を余儀なくされ、シブシブ高い料金を掃除に費やし続けなきゃいけない、とろくなことが無い。
私は逆手に取って、勉強のチャンスと思ってます。
なので、自分で掃除します。

 掃除をするにあたって、掃除道具を用意しなきゃ、ということで私の道具をご紹介します。
カメラメーカー、私の場合はNikonですが、Nikonからも清掃キットが販売されていました。
現在は廃盤になりました。
クリーニングキットプロ2 CK-P2 メーカー希望小売価格:12,375円
  https://www.nikon-image.com/products/nog/other/120907891/

以下ウェブサイトより 


「クリーニングキットプロ2 CK-P2」は販売終了いたしました(2021年5月追記)

【キット内容】
・説明用DVD
カメラボディー、レンズ、イメージセンサー等の清掃方法や手順、注意点が詳しくわかりやすく解説されています。

・ブロアー
カメラやレンズに付着したホコリやゴミを吹き飛ばすために使用します。

・ブラシ
 ボディー等に付着した大きなゴミを取り除くために使用します。

・シルボン紙
レンズ、フィルター面に付いたブロアーでは落とせない汚れを取るクリーニングペーパーです。別売のアルコール(無水エタノール)を浸み込ませて使用します。

・クリーニングスティック
シルボン紙を巻き付け、アルコールを浸み込ませてレンズやイメージセンサーをクリーニングします。

・ハンドラップ
クリーニングに使用するアルコール(別売)を入れる容器です。頭部を軽く押し下げるだけで、一定量のアルコールが出せる仕組みのため、作業が楽に行えます。

・クリーニングクロス
カメラボディーやレンズのクリーニングに使用します。使いやすいハンカチサイズです。


メーカー希望小売価格:12,375円、結構しますよね。
私は以上のものについて、ほぼ100均で揃えました。
記憶を呼び起こして計算してみると、

①ブラシ
=ダイソー化粧ブラシ柔らかいチークブラシ110円/レンズ面用
+コシのあるフェイスブラシ110円/外装用
             
②クリーニングスティック
=ダイソー角形の竹製ぬり箸110円

③ハンドラップ
=ダイソー化粧水用ディスペンサー110円

④クリーニングクロス
=ダイソー眼鏡拭き用クロス110円

⑤シルボン紙
=某カメラ専門販売店ネット通販サイト約1,500円

⑥ブロアー
=某カメラ専門販売店ネット通販サイト約1,200円

⑦説明用DVD
=メーカーデジチューター 
https://www.nikon-image.com/enjoy/phototech/cameralesson/lesson09.html

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これに加えて、掃除溶液として無水エタノールを薬局で買いました。
何故か大きい方を買ったので確か1,000円くらいしました。
そんなに減るもんじゃないので、小さい方で充分です。
因みに、シール系の頑固な汚れがするっと取れるので、普段のお掃除にも使えます。
あと、これらの道具を入れる手提げケースをダイソーで110円で購入。
ざっと合計して5,000円弱でしょうか。半額以下ですね。
クリーニングキットプロ2を意識して同じような構成にしてみた結果なので、もっとスリムに揃えることも出来そうです。
シルボン紙って、その辺のカメラ屋さんでは売ってないんですよね。
近くのキタムラに行ったら、「シルボン紙?なんですかそれ??」って言われちゃいました。
カメラ売ってる人も、知らないんですね。知りませんでした。
100均は強者で、他に転用できそうなものが色々あります。
レフになりそうなもの、雨対策、撮影中ボディを保護するもの、小道具等々。
また何か思いついたらご紹介します。

 では早速ボディから。
先ずやりやすいミラーレスカメラからやってみましょう。
私が使っているのはZ6。
ミラーレスの最大のメリットは、軽量でもコンパクトでも連写性能でも電子ビューファインダーでも他の便利な機能でもありません。
私が考えるミラーレスの最大のメリットは、掃除がしやすいこと、です。
「なんでじゃー」ってなりますよね。
そりゃそうです。メーカーの売込みにはそんなことどこにも書いてありません。
性能自慢に終始一貫。そりゃまあそうですよね、
開発の人からすれば苦労の結晶ですから。
それが「掃除しやすいが一番」って「なんでじゃー」ってなりますよね。
でもこれが大事なんです。
性能自慢に通じますが、レンズとセンサーの近さがレフ機とは大きな違いです。
ミラー有りか無しか、ミラーボックスが無いのがミラーレスですからミラーを操作する必要が無い、
なので電気を使ってミラーアップをしなければならないレフ機とは違い、
レンズを外せばすぐにセンサーが現れるミラーレスカメラはレンズを外してすぐに掃除が出来ます。
撮影中レンズ交換する時も外してすぐブロアーで汚れを吹き飛ばして別のレンズをすぐ着ける。簡単です。
但し直なので慎重に扱わないとセンサーを痛める危険性があります。
レフ機は結構しんどくて、いちいちミラーアップの動作が必要でしかも電源に余裕が無いとミラーアップが出来なくなる。
レフ機しか無かった頃はこれが当たり前でしたが、ミラーレスの簡便性を知ると結構戻れない感があります。
実はこれに似たことが他の観点からもミラーレス優位の事象としてあります。
かといって今のレフ機が要らないとは考えていません。
前世代にも良いところが沢山あるので、今も現役です。
で、レンズを外して直に現れるイメージセンサーを掃除していきます。
シルボン紙1枚を箸にくるくると巻き付けます。
コツは箸先を覆う際に少し先端から浮かせて巻き付けておくことです。
因みに四角四面の箸を選んだのは作業中に転がりにくいため。
ちょっとしたことですが、重要です。
ここに化粧水用ディスペンサーに詰め替えておいた無水エタノールをワンプッシュ分染み込ませます。
Nikonのキットではハンドラップという道具を使っていて、
アルコールランプのような容器の先端の金具にチョンと触れるだけで1回分の液体が出る仕組みですが、
化粧水用ディスペンサーの良いところは指で押し込まなければいけませんが1回分の無水エタノールが先端の受け皿に出てくれることで、
高価なハンドラップと同じ作用が110円で手に入ることです。これは使えます。
液が染み込んだシルボン紙をセンサーのど真ん中から同心円状に外へ少しずつくるくると回しながら拭いていきます。決して押さえ込まないこと。
巻き付けたシルボン紙の芯の部分が少し浮いていることが、この時に効いてきます。
掃除するのにセンサーを傷付けるのでは本末転倒です。慎重に作業します。
一度使ったシルボン紙は必ず交換します。
少々もったいない気もしますが汚れは目に見えないほど微細です。
使いまわしは厳禁です。
どうしてもという方は外装のあまり影響のなさそうな部分の掃除の時に使って下さい。
あまりケチらないこと。
因みに私は長いのでシルボン紙の大きさを半分に切って使ってます。
その際は軽く振って切りくずを落としてから使います。
もう一度シルボン紙を箸に巻き付けて、今度は何もつけずにど真ん中から同心円状にくるくると拭きます。
乾拭きですね。無水エタノールなので簡単に蒸発はするのですが、
液が多めだと拭き残りのような筋跡が付いたりするので乾拭きした方が良いです。
最後にブロアーで乾かしながら埃を吹き飛ばして、レンズを装着し確認撮りをします。
レンズは何でも良いのですが、そのレンズの最大絞り値にし、
ピントは関係ないのでシャッターが切りやすいマニュアルに切り替えておき、
出来れば日中の青空等ゴミと間違えにくい状況の対象物を撮影します。
撮影結果を拡大、なるべく大きめの拡大値でカーソルを隅から隅へ動かし、端から順番にゴミ影が無いか確認します。
ゴミが写り込んでいれば再度この作業を繰り返します。
一発でゴミが取り切れることはまずありません。
延々とこの作業を繰り返すことになります。
段々疲れてきます。
一種の精神修養にもなる、大袈裟でしょうか。。。


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 終わりが見えてこない感じに陥りますが、どこかで妥協して終わることになります。
今日はこの1台に1時間半くらいかかりました。次はもっと大変なレフ機です、トホホ。。。
レフ機はミラーレスでの一連の作業の合間にミラーアップを行わなければなりません。
お使いのレフ機のメニュー画面の中にミラーアップに関する項目があるので、そちらから操作しミラーアップしてからセンサーの掃除を行います。
前述と同じ要領ですが、ミラーボックスの分距離があり深いので箸や巻き付けたシルボン紙の長さには注意が必要です。
電池残量が十分でないとシャッターが途中で降りて事故につながりかねないので、電池残量の確認や電源ケーブルの用意をお忘れなく。
同時にミラーの拭き掃除等もしましょう。両タイプとも、ファインダー、モニター、インジケーターや各種ボタンやストラップ(私は自作の透明シールドをストラップに装着)も拭き掃除しておきましょう。
 因みに無水エタノールは消毒用エタノールとは違います。
アルコール度数が違うので消毒用エタノールは精密機器の清掃には使えません。
またその逆も然りです、ご注意ください。
手荒れを起こす可能性があるので、なるべく素手では触らないようにして下さい。

 このように、レフ機はやることが多くて制限があるので、正直面倒です。
でも手間がかかる分愛着が沸く、ということもあるかと思います。
私がミラーレスを購入する時に、プロのカメラマンの方に同行していただいたのですが、
その時に「もうレフ機には戻れないかも」と、私がレフ機を手放すんじゃないかと思われたようです。
実際は今も現役です。
メインからサブ機に回りこそしましたが、単焦点との組み合わせが凄く気に入っていて、
正直型遅れだしミラーレスに比べれば重くて機能性に欠ける面も多々ありますがじっくり撮りには非常に有効です。
高画素機が良しとされていますが、必要十分で使い方によって今も優秀さを保っています。
跳び抜けて云々よりも中庸の有用性を楽しんでおります。と言いつつ、
今でも動体撮りにも使っておりますので、元気です。
なのでメンテナンスは重要であります。いいものを長く使う秘訣ですね。

 あとは残りのレンズたち。前玉、後ろ玉両方のレンズを磨きます。
これらもセンサーと同様にレンズ中央から外側へくるくると拭いて、
乾拭きしてクロスで磨き鏡胴もブラシで埃を払い軽く拭き掃除をしてブロアーで仕上げて、
ついでにキャップも掃除してドライボックスへ格納。
レンズは楽ですね、ボディとは違います。


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 これらの100均中心道具は3年ほど使っており、年1回のペースでドックに預けて診てもらってます。また、メーカー修理対応部門での郵送対応もあります。
本格的な分解清掃は10年に1度はやってもらった方が良いそうです。
不具合が発生する前に、早めのお手入れを都度心がけております。
 以上のような清掃方法は、Youtubeにも親切な方々が沢山やってみた動画をあげておられます。自己責任の範疇で、参考になさって下さい。

                                                                                                                     

 過去の経験から一つ。
らっきょう畑に行った時、折からの強風で畑の砂が舞い上がり辺りはジャリジャリ。
そんな中、車の中でレンズ交換を行った後、かなり経ってからニコンプラザでプラザパックAコースのメンテナンスをお願いしました。
その結果、「マウントの噛み込みが悪かったでしょう?」と担当の方から言われました。
「かなり細かな砂が付着してましたね。」
きれいに掃除したつもりでしたが、僅かな動作不良に気付いて改善していただきました。
こうして専門の方からお話を伺い経験値を積むことも、上達をするためには大切なことだと感じました。
経験のまだ浅い者にも、分かり易く愛機の状態を説明して下さるので、安心してお任せできます。
初心者の頃は、正直メーカーのショールームには近寄りがたい感がありました。
もともとカメラにはマイナス要素から入っている者なので、未だに敷居の高さに慣れないのですが、
あちらはあちらでお客さんはそんなもの、誰にでも分かり易く対応します、といった感じです。
とても話しやすかったです。
今更こんなこと聞けない、と思わずにどんどん質問しましょう。
言い方が良くないですが、使わないと損です。

 そんなこんなで、雨期のメンテナンスは終了。
これを書き終わったら、いつもの高速鉄道訓練に行こうか、と考えておりましたが、疲れました。
なので、今日も撮休。
どの道夕焼けは分厚い雲に遮られたので、明日に順延します。
どんどん年を取って、思うように体が動かせなくなって、機材の重さに耐えられなくなって。。。
今のような世の中では、どんどん時間が奪われてしまいます。
ウィルスの特性さえきちんと理解すれば、個人でも十分感染症対策は出来ます。
撮りたい時が撮り時です。行ける時にどんどん行ってください。
写真撮影で誰かに感染させることはありません。
静かに、黙々と、行動すれば大丈夫です。
これ以上貴重な人生の時間を無駄にしてほしくない。
若い方も高齢者も同じです。時間は万人に等しく移ろう。
切なる願いです。
宜しければ、ウイルス関連については#おどウイ のレビューをお読み下さい。

 メンテナンスをしっかり行って、写活を楽しんでください。



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sprinting pale blue Ⅱ

2021/5/23 13:58
おさふねサービスエリア
Nikon Z6
TAMRON 28-300mm F3.5-6.3 PZD VC
A 1/500s f/9 110mm
ISO AUTO/320
±0 WB-☼AUTO MF PC-Ls













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