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【まくら✖ざぶとん】⓵⓶⓪『忍者虚鉄➌』

さてはてゼロのつく節目の回こそためにためておいたとっておき、まくらきっての人気キャラクターたる忍者虚鉄の出番。ためにためすぎて一年に一度の登場ペースとあらば今一度、忍者界のあらましならわしをおさらい。

雇い主裏切って敵対する第二勢力にあっさり寝返ったかと思いきや腕利き忍者虚鉄はあっけなく新進の第三勢力へ、クラス替えより頻繁に仕える主君鞍替えする過程で第二勢力を失脚させて元々の雇い主の依頼に報いれば《裏切りの裏切りは表義理》、雀の涙ほどの義理忍情を見せたが最後、口利きしておいた遠方勢力を攻め込ませてさらなる混沌を招いて命かるがる逃げきってみせたのが〈口寄せの術〉ならぬ忍法〈混遁の術〉

その背中を追ったのが虚鉄暗殺忍務を果たすべく第一勢力に雇われた後任であり後忍者、それもそのはず餅は餅屋なら忍は忍者忍者をつかまえられるのは忍者だけ、必殺ならぬ暗殺仕事人いざ尋常に勝負すると見せかけたが忍者同士のつまらぬ殺し合いは御法度、天井裏で交換した割符忍務完了の証にして別人の首を替え玉として持ち帰ったら〈身代わりの術〉忍侠の仁義を切って死んだ身になり追手を絶やすのが忍法〈隠遁の術〉

里を離れた抜け忍たるもの孤立無縁唯我独存、追手を撒いたらまた別の国で抜け抜け忍者働き、虚鉄にとって自由の身「自由」フリーランサー「フリー」。世に売った名を捨てるのも変えるのも面倒なら弟子と偽って二代目・虚鉄を自ら襲名、代を重ねるほど箔がつくのは商売と同じでも忍者のそれは雇い主という雇い主に媚びを売って恨みを買う取引。

そんな二筋縄三筋縄でもいかない筋金入りの曲者ほど手懐けてみたくなるのが度量と目利き売りの有力者、鵜の目鷹の目で見極めて君主危うきに近寄ったはずがあえなく寝返られ憂き目痛い目さえ稼げば目をかけられた主君でもすげなく裏切る残忍酷薄銭ゲバ残忍「忍」忍者「忍」

寝返りを打ったらまたとんずら〈混遁〉〈隠遁〉の「遁」とんずら「とん」ドロンと姿を消したらもう行方は知れず、そもそも雇った忍者は本当に虚鉄だったのか?本人他人正体不明なら消息不明聡明君主ほど忍び一族繁栄のからくりに思い至って自嘲気味にほくそ笑む。

割符を交換した忍者同士が互いになりすます〈代わり身の術〉請け負った忍務分け合って共尊共栄、寄って騙って一人三役三人一役をこなす仕組みは二人三脚どころか文字通りの三面六臂彼方の国忍務にあたっているはずの虚鉄其方の国でも暗躍する様たるや神出鬼没なんて四字熟語では到底くくりきれぬ所業、それぞまさしく忍法〈分身の術〉!!

えー、「一字千金」という故事ことわざもありますが、【まくら✖ざぶとん】を〈①⓪⓪⓪文字前後の最も面白い読み物〉にするべく取り敢えず①⓪⓪⓪作を目指して積み上げていく所存、これぞ「千字千金」!以後、お見知りおきを!!