サバイバル乗換録「一本逃しちゃった~飛行機で。」

皆さんは、飛行機のトランジット(乗り換え)をしたことがありますか?私は留学に旅立つ時に、日本→デトロイト(アメリカ)→トロント(カナダ)という乗り換えを経験しました。一人飛行機も初めて、トランジットも初めて。行く前の一番の心配事が、この「無事に乗り換えられるか問題」でした。そしてこれは、この心配事が念願叶ってしまった私のお話です✈

「トランジットってしたことある?」

留学前、海外経験がある友人にとにかく経験談を尋ねていました。当日見送りに来てくれた友人は、「前の飛行機が遅れていて間に合わないかと思った。でも、降りたところにスタッフさんが待っていてくれて間に合ったの。だから大丈夫だよ」と語りました。私はこれで安心させられました。

とりあえずデトロイトまでの13時間は、問題なく過ごしていました。むしろハーゲンダッツも出て最高だと、一人優雅に楽しんでいました。

しかし、デトロイトに着陸後、飛行機が混雑していて搭乗口が空いていないとのこと。しばらく機内に待機となりました。ここで、少しの不安がちらり。「次の便まで、1時間半しかないんだよな」

【焦りメーター10】

20分ほど待ったでしょうか。やっと飛行機を降り、今度は入国審査、2段階ありました。①ESTAの確認と指紋採取。②カウンターで一人ずつチェックを受ける入国審査。

まず1段階目。機械に向かって一人で作業するのですが、指紋がなかなか反応しない。周りの人たちはどんどん去って行く。左手がずっとエラーになってしまい、スタッフのおじさんに助けを求めると、「指紋が取れてないのは右手だよ、ははは」と笑われる。焦っていて画面の指示をきちんと理解できていませんでした。

【焦りメーター30】

やっと2段階目。この時点で離陸までの残り時間が40分ほどなのに、列の長いこと!「トランジット・米国籍以外」の列が1番長いのに、カウンターは2つ。私もひとまず列へ。

そこで見ていると、入国審査官のおしゃべりが多い!「やあ、調子はどう?」「ずっと列が途切れなくてまいっちゃうぜ」「本当だよな。俺はこれから休憩でも行くとするか!」まさかここにて休憩ということで、カウンターが1つに。

【焦りメーター60】

離陸まであと30分、この後に荷物検査もあることを考えるといよいよ限界だと思いました。可愛い子には旅をさせよだ、強くなろう。勇気を出して、いかにも警備員の体格をしたスタッフに声を掛けました。「すみません、次の飛行機が離陸するまであと30分しかないんです。列の先に行かせてもらえませんか?」すると彼は、"No, it's same for everyone here."

【焦りメーター100】

焦るどころではなくなりました。このお願いこそが最後の砦だったのです。この時点で時計を見ることしかできなくなりました。1秒1分がすごく長かったです。

自分の番になり、簡単な英語のはずが焦りで聞き取れず、アメリカで必要になると思っていなかった書類を見せろと言われて焦り。

入国審査を終え、全速力で荷物検査へ。しかしまた、アメリカは細かくて遅い。パソコンを出し、靴を脱ぎ、時計を外し。しかも靴が片方詰まる。この時点で残り時間10分

【焦りメーター故障】

焦りを越えていました。案内板を見てゲートを確認しましたが、遠い、走る。重いリュックを抱え、靴を半分履いた状態。やっとゲート番号が見えた時、なんと私の前に一人搭乗しようとしている人がいるではないか!私も間に合う!

【希望メーター80】

しかし、彼がゲートに入ったところで、私があと3メートルというところで、扉がバタン

【絶望メーター100】

目の前で閉ざされた扉。明らかにゲートに向かって走る私を認識していたであろう係員の、扉を閉めたおじさん。"Please, let me in, I cannot miss it."もうこの時点で半泣き。温度差あってのおじさん、冷静に、"No, it's too late." 本日アメリカで断られるの2回目、はっきりNoと言われると心に来ます。普通に考えれば開くはずがないのに、扉を自分でこじ開けに行きました、我ながら野蛮です笑。

一瞬取り戻した理性で、もう1度尋ねるという行為に踏み切りました。"What should I do?" 彼は慣れたように、「荷物なしであなただけこの便に乗るか、荷物と一緒に6時間後の便に乗るか」と言いました。「アメリカで荷物がなくなったりしたら困る!」ということで6時間待つことに。追加料金などを恐れていたのですが、そうと決まれば無料で素早く手続きしてくれました。

この後、空港到着後に乗る長距離バスの予約変更もしました。英語で電話することに自信がなく、さらにパニック状態から抜け出していなかったので大変でした(笑) 

長いと思った6時間も、心を落ち着けていたらあっという間に過ぎました。いざ飛行機に乗った時は、疲弊していて寝てしまい、いつの間にかトロントにいました。

【希望メーター100】

実はまだ続きがあるのですが、ひとまずここまでにしておきます!留学で最も辛かったのがこの経験かもしれません(笑) 

今回学んだのは、トランジットはとにかく時間に余裕を持つ。後から知ったのですが、アメリカでのトランジットは評判が良くありませんでした。。。似たような経験をした人もしばしば。できれば直行便がよし。

しかし、一人で問題を解決する力を養えたのは事実で、これはとても大切だと思いますし、今となっては思い出です。皆さんは、トランジットサバイバル経験ありますか?

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