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日本型の人事システムの本質は、給料で報いるシステムではなく、次の仕事の内容で報いるシステムなのだ

こんにちは。

“マネジメント人財の目利き&「大人の学び」の案内人”福岡 明善です。

ことのは 41

「日本型の人事システムの本質は、給料で報いるシステムではなく、次の仕事の内容で報いるシステムなのだ」

(『虚妄の成果主義 日本型年功制復活のススメ』(高橋伸夫、日経BP社、2004年、P28)

2000年前後の頃、成果主義(Pay for Performance)の導入が日本の大手企業でかなり進んできました。ここ数年は、メンバーシップ型からジョブ型へと人事の仕組みを変えている企業もありますね。みなさんの会社の人事制度は、現在どうなっているのでしょうか。

「成果主義」と明確に記されていなくとも、仕事の成果に見合った給与体系になっている企業が多いかもしれません。

ところで「成果」とはなんでしょうか。神戸大学の金井壽宏先生(現在、立命館大学教授)だったと思いますが、「成果」とは「出来栄え」(結果)と「振る舞い」(プロセス)であるとおっしゃっておられたと記憶しています。

経営者(マネジャー)は「結果」(出来栄え)が全てだと言われます。そのことは正しいでしょう。しかし、より大切なことは、あなたのチームに「結果」を持続的に生み出せる組織能力が備わっているのかということでしょう。経営環境が急激に変化したとしても「結果」を出せる人がいるのか。その人を分析すると、特徴的な行動(プロセス)が見つかるかもしれません。それが何かを掴むこと、そしてそれを他の人でも再現できるように育てることが重要なのです。

人を育てるときに重要なことは舞台です。その意味では、仕事の報酬は次のさらなる背伸びができる仕事であるといったシステムにメリットがあるのではないでしょうか。

『虚妄の成果主義』の著者である高橋先生は、上述のことばに続けてこうおっしゃっています。

「これが繰り返されるとどうなるか。そう、仕事の内容自体に、加速度的に差がついてくるのである。昇進・昇格・昇給もその後を追って、それに比例する形で差がついてくる。これは正確な意味での年功序列ではなく、「日本型年功制」と呼ぶべきものである」。(P28)

組織で働く私たちも、その底流の意識として「仕事の報酬は次のチャレンジングな仕事だ」と心の片隅に思いをもって日々の任務を全うすることが大事なのだと思います。

では、また。Bonne journée!


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