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「あるがまま」を受け入れると人は変化していくという話
「私たちはあるがままの自分を完全に受け入れることができるまでは、変化することができない。そのため、いまの自分のままにとどまってしまう。」
逆に、「もし私たちが完全に自分を受け入れているのであれば、ほとんど気づかないうちに変化は生じてくる」
カール・ロジャーズ カウンセリングの原点 P28引用
上記の本を読み直して、この文章に首がもげるかと思うくらいうなずきすぎたので、実体験をもとに書いてみたくなった。
素敵な本なのでぜひみなさんにも読んでほしい。
私は、パーソナルコーチとしてフリーで活動している。
コーチングマインドである「人は生まれつき必要なものを全て満たしており、ありのまま直すことのない存在である」がとっても好きだ。
どうしても直したいこと
誰だって人には直したいことがあると思う。
例えば、人前で話すと顔が赤くなってしまうとか。すぐ人にイライラしてしまうとか。
私にも幼少期からどーーーーーしても直したいことがあった。
それは「吃音症(どもり)」だ。
(私とお話したことがある方は、え!!そうなの??という感想だろう。今はほとんどどもりは出ないというか私が気にしていない。)
幼い頃から私は母音の発音がしにくい。
「おはようございます」
「ありがとうございます」
「よろしくおねがいします」
「お世話になっております」
こんなあいさつが苦手である。
どうゆうこと?と思う人もいるかもしれない。
頭では言いたいと思っていても、言葉として発することができないのだ。
吃音症とは、言葉が円滑に話せない障がいで、話を始めるときに最初の一音が詰まったり、同じ音を繰り返したりする言語障がいのひとつです。
「お、お、おはようございます」
「あーーーーーーーーーりがとうございます」
「・・・・」となってしまう。
私は特に「緊張×決まった文章を読むとき」にどもってしまう。
国語の本読みの時間なんて最悪だ。
母音のオンパレードだ。
読まないと読まないとと意識すればするほど、どもるのである。
練習すればするほど、どもるのである。
もう手に負えない。笑
そして極めつけは、「あだちめい」が言えない。
就職活動のときに苦労した。
自分の名前も言えず、相当落ち込んだり、むなしかった。
学生時代のバイトは接客業にはつけなかったし、人前で何かを話すことを避け、注目を浴びることを避けてきた。
私と話したことがある方はご存じだと思うが、すごくボディーランゲージが多かったり、表情が豊かだと思う。
そう、言葉で伝えられないから、身体や表情で表現するしかなかったんだと思う。
いまとなっては、受け入れているからこそ、このような文章を書くことができるが、20代前半までは直したくて直したくてしょうがなかった。
時には病院に行ったりもしたが、これは病気ではないので「気にしないことですね!」と言われて終わる。5万円くらいする「吃音症がなおるプログラム」なんかも買ったりした。
でも直そうと思えば思うほど、発音できないのである。
まさに負のループであった。
「私たちはあるがままの自分を完全に受け入れることができるまでは、変化することができない。そのため、いまの自分のままにとどまってしまう。」
まさにこんな状態であった。
受け入れた瞬間
私はそんな悩みを抱えつつも、どもりのせいで自分の可能性を狭くするのはいやだと思い、元々やりたかった人と関わるお仕事に就いた。人材会社で求人紹介をする仕事だ。
毎日、面談をして求職者の方にお仕事の案内をしたり、電話でもご紹介をしていく。私の会社ではテレアポ業務が多かったので、1日100件は電話をしていたと思う。
これが本当にしんどかった。
しんどいというのは営業電話をすることや目標が高いことでもなく、私の意識は
いかにどもらずに話せるかだった。
「お電話ありがとうございます。●●会社のあだちと申します。」が言えない。
ちなみに今でもこの文章は言えない。
だって「母音」がいっぱい入っている。笑
そして人にそれを聞かれているという状況がまた辛いのである。どう思われるんだろうとか。変なやつと思われないかとか。を考え始めると、一言も話せなくなってしまった。
電話を取るのが怖い。
そんなことを思っていた時に
私の上司からの一言に驚愕したのである。
「足立さ~そのどもりが愛嬌になっているからさ、そのままでいいんじゃない」
と言われた。
このどもりが愛嬌!?!?
よく聞くと、電話の節々でわたしは全力で噛んだりどもるので、お電話する相手が「ふふっ」と笑う瞬間がある。そこから場がなごみ、私にはなんでも話してくれている気がするとフィードバックをもらった。
たしかに私は求職者さんの内定辞退率が低かったし、成績も悪くなかった。
いまでも思い出すと涙が出るくらいうれしかった。
ずっと「直したい」と思っていたことがプラスの状況を生んでいると思うと、はじめて「受け入れる」ことができた瞬間だった。
「そう、これがわたしなんだ」とやっと思うことができた。
そうすると自然と気づかないうちに、どもらなくなった。
「もし私たちが完全に自分を受け入れているのであれば、ほとんど気づかないうちに変化は生じてくる」
まさにこんな状態だった。
あれだけ悩んで直したかったことが、受け入れると自然と気にしなくなり、いつの間にか消えていった。いまでも不思議でしょうがない。
(もちろん、直ってはないので今でもどもることはある)
コーチングマインドの「人は生まれつき必要なものを全て満たしており、ありのまま直すことのない存在である」が染み渡ってくる。
今思えば、上司のマインドが素晴らしかったのだな~と思う。
さいごに
「あなたの直したいことはなんですか。」
もしかすると、それがあなたらしさを構成している一つかもしれない。
そんな視点で世の中をみると、まるで違った世界に見えてくる。
私たちは生きていると「こうあらねばならない」と自然と思い込んでしまう。
でもその思い込みに気づき、その思い込みさえも手放すと、生きやすくなる。
「人間には、あるがままの自分を受け入れた時、はじめて自分自身が変化するという逆説が存在している。」とカールロジャーズも言っている。
そんな”自分”に気づく旅を一緒にしませんか。
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