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片手間で教える文章講座5 バズるWeb記事を書く技術

私は紙媒体での執筆が多い。書籍は10冊以上書いたし、主要週刊誌は女性誌を除いてほぼ全紙で執筆経験がある。月刊誌も『文藝春秋』だの『中央公論』だのの大手どころはたいがい書いた。

だが、私はもともとブロガー出身なので、実はWebの記事を書くほうが得意だ。売れる書籍を書く方法はいまだによくわかっていない気がするが、読まれるWeb記事を書くことは自分のなかに一定の方法論がある。

普段、寄稿が多い複数のネットニュース媒体は、記事のpv数が多いと多少のインセンティヴが出る。私はだいたい満額をいただいている。寄稿先が大手サイトであれば、「はてなブックマーク」が200〜300usersほど集まる記事(ほかにいくつか指標はある)なら5割くらいまでは狙って書ける。

というわけで今回は、バズるWeb記事を書く技術を考察してみよう。わりとゲスい話もするので、そういうのが嫌いな人は今回は飛ばしていただきたい。

ネットは「バカと暇人と貧乏人のもの」

ものすごい小見出しだが、これは私の独創ではなく元ネタがある。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏の著作『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)だ。

以前に関係者から聞いた話では、最初のタイトル案では「ウェブはバカと暇人と貧乏人のもの」だったのが、さすがにひどすぎると「貧乏人」を削ったらしい(10年以上前の書籍の話なので書いてもいいだろう。なお私は中川氏とほぼ面識がない)。

さておき、「ウェブはバカと暇人と貧乏人のもの」は、表現がドぎつすぎることをさておけば日本のインターネット空間の真実を示している。むしろ、同書の刊行から10年以上を経て、この傾向はより強まっているだろう。

もうすこしマイルドに言い換えるならば、Webの読み物記事の読者の多くは、あまり知識を持たず、ヒマつぶし的にネットを見ていて、さらに情報を得るために対価を払いたくない人たちなのだ。

もちろん、私はだからといって「大衆はダメだ」などと言いたいわけではない。私自身を含めて、現代日本の大概の人間は、心性の面においてバカでヒマで貧乏である。バズるWeb記事には、こうした「普通の人たち」の耳目を集めるに足る要素が必要となる。私はそんな大前提を確認したいだけだ。

「普通の人」の耳目を集めるだけならば

では、まずは「普通の人」に刺さりやすい内容を検討しよう。

かつて私が駆け出し時代にアングラ裏ネタ系雑誌のライターをやっていたときに、編集者から聞いた名言がある。

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