駐在妻になったら「友やめ」された話

「友やめ」
主にネットで使われる「友達をやめる」ことを表す言葉です。
駐在妻になると、よく注目されるのは駐在先での人間関係ですが、私の場合日本にいる友人とも関係が変わりました。
これは、駐在妻になる直前から1年目くらいまでに私自身に起こった話です。



お祝いの言葉ではなく忠告をいただいた出産&出国報告


「夫の仕事の都合で海外に引越す」
独身時代からの友人には直接会って報告をしたい、と第一子の産後間もない頃から赤ん坊を連れまわして友人に会っていました。しばらく会えなくなるので送別も兼ねて。

送別会では、ほとんどの友人が「異国で赤子を抱えて生活すること」を心配して応援してくれましたが、1人だけ私に初めて『駐在妻』という存在の概念を教えてくれた子がいました。

そして、
「『海外に住んでいる日本人主婦』というものがいかにドロドロした世界で生産性の無いものか」
ということを教えてくれたのもその子でした。
それまで、他の友人に会った時には「おめでとう」、「がんばって」の2種類の言葉しかかけられていなかった私は、
初めて投げかけられた
「海外での日本人同士の人間関係ってやばいらしいね」
という言葉を理解するのに精一杯でした。
『まだ会ったこともない人たちとの付き合い』について脳内で処理をしながらぼんやりしていると、『友人』は私の今後の仕事について訊ねてきました。


「アメリカでどう働くの?」
出歩いていましたが、私は当時産後すぐです。アメリカに行ってもしばらく産後なくらいには産後でした。

私はなんとおめでたい頭だったのでしょう。マミーブレイン(お花畑)だったこともあったのかもしれませんが、この時彼女に合う直前まで
「かけてもらう言葉は『おめでとう』か『頑張って』だろう」と思い込んでいたのです。
「奥様同士の人間関係大変ね」
と言われるなんて予想外すぎて何も言葉が出てきませんでした。

頭の中では言いたいことが思い浮かんでいるのに口が上手く動かず、
かろうじて「働かず専業主婦をする予定」と言うと、
「働かないなんて」
と返ってきました。

ここから先は

1,156字

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?