見出し画像

夫が100%自分の味方でもなかった話

夫の召使をやめた話。

結婚当初~第2子出産

我が家は結婚当初から第二子出産まで亭主関白だった。平日は激務でほとんど家にいない分、休みの日くらいは夫にゆっくりしてもらおうと思ったのが発端だった。
しかし、次第に子供のみならず夫のお世話もし始め、育児の配分は夫2:私8になっていた。

喧嘩をしても、「専業主婦=養ってもらっている」という負い目があって全力では怒れなかった。結果なあなあになったり論破されてしまったりでいつも私が折れていた。
そして、段々そういった不平等な喧嘩をすること自体に疲れた。ちょっと育児や家庭のことで不平不満ストレスが溜まっても夫に言い出せなくなった。ご機嫌を取るために、家事育児の配分は私にますます偏らせていった。

その頃、夫は夫で、不機嫌になるとずっとそれを引きずる傾向があった。夫婦間で気に入らないことがあるとしかめっ面でずっと無口。話しかけても冷たい返事。暖かい家庭には程遠い、ギスギスした冷たい空気。
さらに、私が謝罪するまで何日も続くような無駄な精神力も合わせもっていたので厄介だった。

加えて、ちょうどその頃夫の海外転勤で外国に住んでいたので、身近に相談できる人がいなかった。現地でできた友人知人はいても、夫婦関係の悩みなどを相談できるほどの仲の人は0。治安もそこまで良くはなかったので、ガッと切れて飛び出しても行く場所も無かった。
つまり、物理的にも精神的にも逃げ場が無い状態だった。

三十路になって目が覚めた

しかし、30歳頃のある年、喧嘩をしていつものように不貞腐れ、不機嫌になった夫…の後頭部がふと目に入った。

薄くなっている。付き合い始めた10代の頃よりずっと薄くなっている。

夫も私も毛量が減り(※私のは妊娠出産の影響です)、ボディラインが崩れ、子供も2人いるような歳なのに、こいつは二十歳くらいの頃から精神年齢が変わっていない。

きつい。

配偶者が、人生のパートナーであるはずの奴が、ここ10年成長してないのがキツイ。
もう30歳でイイ歳なのに、自分で自分の機嫌も取れないのだ。普段見下している妻に御機嫌をとってもらわないと気持ちを切り替えられないなんて、恥ずかしくないのかな。ハゲが始まるような歳なのに、どうして20歳の頃と同じメンタルでいられるのだろう。
少なくとも子供たちにとってはこれは「恥ずかしい父親」だし、私にとっても「良い夫」ではない。

と、思ったつもりが口に出ていた。

急に焦り出した夫を見て、夫の機嫌自体がどうでも良くなった。口答えされると思わなかったんだろう。まずそこの認識からおかしい脳みそだと思った。
でも、子供たちにとってはいきなり父親が不機嫌になるのは迷惑と恐怖でしかない。
子供は私自身の産んだ子供だけで十分だ。むしろ、離婚したら「離縁の原因になるような元夫の血が入っている」という点で可愛がれないだろうから親権はさしあげたい。

その後、夫は何故か以前よりも誠実に、家事や育児に協力的になった。
亭主関白ではなくなった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?