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生と死を考えさせられた1冊。「余命10年」/読書記録





10万人に1人の病気を患い、20歳という若さで余命10年という運命を背負うことになる。
自分が悲しむと周りが悲しむから。
繋がりを持って離れがたくなると、死が怖くなってしまうから、もう恋はしないと覚悟をするが…

死に対する恐怖や揺れ動く恋心との葛藤、
主人公マツリをまっすぐに愛するカズとの
恋愛模様のどれもが、読む度に胸を締め付けられました。

楽しんだ者勝ちの人生のはずなのに、カズくんといると楽しい後は必ずつらい。楽しい分だけつらい。つらいのに、もう会いたい。


好きなのに、心の底からその好きな気持ちでいっぱいになれない理由とその辛さを考えるととてもせつなけなりました…


表現がとてもリアルで、心に刺さるので、
この作者の他の作品は無いか、と調べると

この作者である小坂 流加さんは
原発性肺高血圧症という病気で
2017年に39歳という若さで亡くなっていました。

この病気は治療をしなければ発症から数年で亡くなってしまう原因不明の難病だそうです。


この作品の一文一文に、作者の思いがリアルに込められているのだと読みながら涙せずにはいられませんでした。
また、作者がいくつの時に発症したのかはわかりませんが、仮にこの作品と同じ余命10年だとすれば、ちょうど私くらいの年齢の時にこの病を突きつけられたのかと思うと、
小さい子供を持つわたしだったら…と思うと
さらに涙が止まりませんでした。

これまでも、明日死ぬ気で生きよう、的なメッセージの自己啓発本などを読みましたが、
この本が1番考えさせられました。



prime Reading で読めるので、会員の方はぜひ!

映画化も決まったみたいですが、見れるかな。

遺品のパソコンから見つかった原稿を
おこして出版された第2作も読みたいと思います。


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