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2乳幼児ワーママ南アに行く【第3週/10】征服と暴力の歴史を学ぶ

超・絶・眠いんですけどー?
今期復職ワーママの皆さま体力戻ってますでしょうか。(19年5月26日)

私は毎日1ミクロンしか仕事できていないのに、土曜日は12時間、倒れるように眠っておりますよ。。。
渡航前にバテずに乗り切れますように。

胸に迫る息子の訴え

息子とカレンダーにデコレーションしながら、母が南アフリカという遠くの国に行ってしばらく会えないことを伝えた。
「さみしいよぅ、さみしぃ」
「ひこーきのる」
と言うので、7月になればケロッ!!としていると知っているくせに、こちらが泣きそうになる。帰国日をシールで彩る。

ここぞとばかりに祖父母☆召喚魔法も唱えねば。ほんとお願いします。もうほんと、お願いします。
どっちの国で災難が起きても駆けつけられないので、神頼みの気持ちだ。

21世紀だったよね?な連絡不通

航空券を予約するのにアメリカの団体旅行窓口に電話しなきゃいけないことになり、アメリカの営業時間に合わせて夜10時に電話するもマジでデンワにでんわ。

常々、30分でも45分でも平気で待たせるこのサービスレベルを日本も見習うべきかと思う。次に朝6時に電話するも再び電話にでんわーーー!

繋がった!と思ったら切断される、など数えること10回(2時間)。
Everything is just a click awayの今日にこの惑星の経度を久しぶりに感じる。
いやもう、こっちの渡航にかける気持ちは半端ないのに、渡航出来るかハラハラさせてくれるぜオイ。

正常も正義も定義できない国の歴史

南アは経済的ライジングスター!ではあるものの、あえて負の側面を書籍でおさらいした。そして、ため息が出た。

特に人種間の不平等や格差について。

果たして彼の土地は、誰のものか。目指すべき平等の姿は何か。正義ぶった誰かが「こうあるべし」とは言えない世界。

16世紀以前 先住民族とその王族の暮らし
17世紀 白人入植者=ボーア人の土着化
18世紀 オランダ人による植民地化、マレイ系奴隷の流入
19世紀 イギリス人による新しい植民地支配、インド系労働者の流入、
20世紀 イギリスからの独立=ボーア人ら土着白人による政権運営、
黒人差別の法制化=アパルトヘイト、
冷戦・反共運動による権力の変異、
マンデラら運動家の活動、
'94年 黒人政権誕生&アパルトヘイト撤廃、
以後25年の経済発展と停滞

「南アフリカ共和国」のwikiより抜粋

この経過を見て、誰が悪いとか、誰が本当に自己決定権を持つべき存在だとか、言えますかね。言えないんじゃないでしょうか。

二重三重の抑圧と支配の構造があって逆に戻すこともままならないという複雑さ。
何が正しい状態なのか。何が「問題なのか」の定義が非常に難しい。
事実として貧困と失業と暴力は存在するのだけれども。

アパルトヘイト廃止から25年、BRICSの一角の経済成長、超多人種、様々に大格差社会な南ア

旧宗主国は責任を無視

南アで2001年に行われた反人種主義・差別撤廃世界会議 の後のイギリスの大臣の弁は、あまりに潔い無責任。

「奴隷制は人道に反する罪と認められましたが、過去の奴隷制や奴隷貿易を指しているのではありません。」
「私たちが行うアフリカに対する援助も、過去の賠償問題とは何の関係もありません」
「今、アフリカ諸国が被っている貧困や高い失業率と過去の奴隷制、奴隷貿易は関係のないことです」

1829年の3名の奴隷販売の広告。
下段のリストには18歳の奴隷も複数

法のもと、アパルトヘイトはあらゆる差別を社会に深く根付かせた

インド洋と太平洋の唯一の接点という南アは貿易に最高の土地。これを我が物とすべく土着した白人。
彼らは帰れる本国を持たず多数派たる有色人種に囲まれながら生きていく。この恐怖の反動として、世界で唯一、法律で人種差別を徹底的に行った。

結果、人口50%を占める黒人/マレイ系/インド系が国土の13%の劣悪な土地に強制移住させられ国民所得15%以下の所得で生きる異常事態を生む。

ケープタウンなど世界最高の観光スポットに訪れる人にも、少し知って欲しい。
でも、あらゆる混合と交配から生まれた逞しい文化が南アの魅力であり、黄金の果実なのも事実だと思う。南アフリカ産ワインもその一例かも。