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モラトリアム日記④ 会社を辞めて、デンマークへ(後編)

前回、なぜ会社を辞めたのか… を綴った。

周囲の方から、共感の声もいただき、みんな同じようなことに悩んでいるんだな、私だけじゃないんだなと、ちょっと安心。& 一般人の私がnoteを発信しても… 意味がない、、と思ってしまい、後編に書くのに時間がかかった。でも自分の整理と、もし会社を辞めることを考えている人とか、フォルケに行くことを考えている人とか、友達とか、どなたでも良いので、もしポジティブに受け取ってもらえるものであれば、嬉しい。

会社を辞めた理由は、前回話したので、今日はなんで「デンマーク」だったのか?そして、デンマークでの経験・感じたことについて話したい。

(前回の記事はこちら)

突然訪れた、空白の時間

2019年12月に会社を辞め、いざ新年からフリーランスとして、働く予定だったのだけれど、突然メインの業務開始が3月まで伸びることになり、すっぽり時間が空いてしまった。

元々、新しい仕事が始まるまでは、いままで会社員時代に腰を据えて学べなかったけど、興味があることを学びたい、と思っていた & やすみたいと思っていたので、内心「よし、来た!」と思ったw

ファームステイ / 大学院での短期プログラム … ボランティア、、いろいろ考えていた時に、以前友達から聴いていた、デンマークの「フォルケホイスコーレ(フォルケ)」の存在を思い出した。

▼ 「フォルケホイスコーレ」とは
https://www.ifas-japan.com/folke/

めっちゃ急いで、フォルケに申し込んだ

フォルケがどんな場所か、詳しくは検索してみてほしいのだけど、私の言葉でまとめると、「成績・評価なく、自分の興味関心に従い、学びを深められる場所」「人間関係や、集団のなかでの過ごし方など、人生の中で大切なことを学べる場所」だと思っている。

2つめは行ってみて感じたことなので、出国前は「成績・評価なく、自分の興味関心に従い、学びを深められる場所」を魅力に感じ、急いで行きたいフォルケを探し始めた(デンマークにフォルケホイスコーレは、約70校あるらしい)

ただ、時はすでに、12月後半。
新年あけてすぐ、3週間後には、学校に入りたかった。

インターネットには、少なくとも3カ月前に入学申し込みを完了させましょう、って書いてある。。

さらに、どの学校も、4-6カ月のプログラム。募集〆切が終わっている学校も多かった。

でも、私の心はフォルケに行くと決めていたので、徹夜して、デンマーク中のフォルケを70校全部をエクセルに並べて、整理してw
短期で留学生を受け入れてくれそうなところに、片っ端から、直接入学したい旨のメールを送っていった。

「定員いっぱいです」の返事が多かったところ… リストに残った最後の1校から「いいよ!1-2月、滞在OK!」と明るくお返事をもらえた。

オーマイガー。

思わず言ってしまった。HPを見る限り、私が学びたかった環境問題、サステイナブルな社会づくりを考える勉強に特化していそうな学校だったので、めちゃくちゃ心躍った。

ああ、もうここに行く運命だったのだ、と嬉しさを噛みしめながら、自然の中で伸び伸びと学びを深めていくであろう、2か月にワクワクしながら、年末年始を過ごしていた。

出国3日前のハプニング

そろそろ、荷造りもしなきゃな… と思い始めていた、出国3日前。突然、滞在予定の学校からメールが。

「財政的な理由で、クラスを開講することができません。お振込みいただいた授業料は、返金します。」

え?

え?

うっそー!これ、学校行けないって言ってる!?

もうチケットも取っちゃったし、この先、2か月間は、デンマークに行く気満々で何も予定を入れてない。。今更、行かないなんて、やだ!!

すぐに、メールにお返事。

「OK。でも、フォルケに行きたい。他の学校で、同じようなことが学べる学校、探してくれませんか?」

そして、すぐにお返事。

「近くの学校が、受け入れOKって言ってるよ!きっと同じようなことが学べるから、そこに連絡してみて。」

と、こんな形で、ワクワクと描いていた学校とは違う、どんな学校かもよく分かっていない学校に、行くことになった。

でも、この時は、どんな学校か調べるよりも、とにかくデンマークで、フォルケに行けることが、とても大事だったので、とにかく他の学校が見つかった時には、ホッとした。

デンマークでの生活が始まった

行ける学校も決まって、なとかデンマークに到着。
(出発時間を間違えて、予定の飛行機に乗れず、次の日の飛行機でム向かうというハプニングもありながらw)デンマークでの生活が始まった。

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☝ コペンハーゲン空港に着いて、ああやっぱりデンマークっておしゃれなんだな、って思って撮った写真

フォルケに入って良かったと思っていること

フォルケに滞在してから、6カ月経った今、私が思うこと。あげればキリがないほど出てきそうだけど、今振り返ると、大きく2つ、特に自分にとって、良かったと思うことがある。

① 「なんにもない」自分に戻ること

日本にいる時は、元々いた企業で働いている肩書があり、仕事がやまほどあった。

でも、フォルケに行ったら、誰も私の元いた会社は、誰も知らない。そして、仕事もない。もちろん、最初は友達もいない。

「なんにもない」

ある意味、自分を守ってくれていたものがなくなった。結果として、生身の何もない私で、みんなと関わっていくことになった。

やること=「仕事」がなくなり、仕事の話題もなくなったので、シャイで臆病な自分に、改めて気づいた。ありのままの自分を見られた気がする。

ドキドキしながら、新しい友達に話しかけ、普通に話題に困った。臆病な自分の幅を広げたくて、演劇のクラスや、ダンスのクラスにも挑戦した(結果、ダンスはセクシーなポーズを決めるのが恥ずかしすぎて辞めた)

やることに追われ、失っていた感情も、徐々に取り戻した。やることがなくなった時間で、ピアノを弾いたり、絵を描いたり。全然飲めないお酒を飲んで、とにかく楽しくなってみたり。

仕事をしていないとなぜかやってくる罪悪感が、少しずつ和らいでいった。

② フラットに周囲から学べたこと・仲良くなれたこと

フォルケで一緒に学んだのは、ほとんどが18-21歳 & 普段日本で働いているだけでは出会えない、多様なバックグラウンドを持つクラスメイト達だった。

・森で働いていた肉体労働者から、哲学者を目指したいクラスメイト
・南アフリカからやってきて、医者を目指しているクラスメイト
・元々やんちゃで、勉強はできないけど、筋トレのことと、言語習得能力はピカイチなクラスメイト                                    etc.

更に、フォルケでは、先生たちも、生徒と対等。特に夕飯の後は、クラスメイトはもちろん、先生たちともたくさん話した。将来の事、恋愛の事、政治の事、環境の事、とにかくたくさん話した。

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☝アテネに修学旅行に行った時にふいに撮っていた写真。右側に映っている先生と、結局いちばんよーく話した気がする。

年齢は自分より若くても、学ぶことばかりだし、全然関係なかった。

私がいかに自分が周囲となじめるか考えていた時に、どうしたらクラスメイト全員が仲良くなれるかを考えているクラスメイトに感化されたり、自分のやりたいこと・信条を堂々と周囲にシェアする潔さに感動したり。

心がたくさん動いた。そして、どこか窮屈さを感じていた日本の生活から、年齢も、立場も関係ない、フラットな関係性を築けるフォルケが、とても居心地が良かった。

もちろんデンマークの文化・フォルケの文化の中だからこそできたことでもあるけれど、ここからの生活も、どんな人からも学び、できる限り対等な関係性を築くことを大事にしたい。

最後に…

一言。会社を辞めて、デンマークのフォルケに行って、本当に良かった。

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☝住んでいた寮の部屋からの景色。部屋からの景色、好きだった。

「デンマークに行く」「フォルケに行く」というのは、数ある選択肢のひとつだから、必ずみんなが行くべきとは思わない。

でも、それでも、少し立ち止まってみる場所として、きっと人生にとって良い経験ができる場所として、フォルケはおすすめの場所。

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