見出し画像

人生には時々余白が必要な気がする 〜北海道東川町でのワーケーションプログラム体験記 前編〜

1年半ぶりの空港。なんでこんなに空港って、気持ちが上がるんだろう。

空港にはいろんな思い出があります。あたらしい世界への期待感、機長さんのアナウンスから感じる優しさ、旭川空港に降り立った時、私の気持ちは最高潮でした。

目的地は、北海道上川郡東川町。私にとっては、来たいと願い続けた場所。

なんでこんな時期に、北海道の東川町まで?
School for life Compathのワーケーションプログラムに参加するため。デンマークのフォルケホイスコーレに惚れ込んだふたりを中心に、多種多様な人々が集まり、大切に物語を紡いでいる、大人の学び舎。

このnoteは、2021年8月1日〜8月8日に開催された、Compathのワーケーションプログラムに参加した経緯と感想を書いていきます。

School for life Compathとは

デンマークの国民学校である、フォルケホイスコーレに魅せられて、遠又香ちゃんと安井早紀ちゃんがはじめた、人生の学校です。

画像7

一言で言うのは、とても難しいんだけれど、「もっと先へ・もっと早く」が求められる日々に「余白」をつくり、無意識に蓋をしてしまう自分の感性や哲学、日々への問いに出会っていくプログラムをつくっています。

判断を保留できる、誰かや何かに評価されることもない場。だからこそ、自分にOKを出せて、普段は浮かばないことが感じられたり、考えられたりするのではないかな、と感じます。

Compathがあるのは、北海道東川町。旭川空港から15分ほどにある、人口約8,300人のまちです。

画像8

東川を表すことばとして、代表的なものが「適疎」。過疎でも過密でもない状態こそが、町にとって幸せなこと(自然との共生、顔の見える関係性づくり、外からの刺激を柔軟に受け入れることなど)なのではないかと考えて、掲げ続けている町の方針。

改めて書きながら、この「適疎」って、Compathが大事にしている「余白」とも繋がるなぁ、としみじみ。人々も自然もとても魅力的な町で、Compathのかおるちゃん・さきちゃんも、東川町だからこそ、Compathが開校できていると言っているほど… 

詳しく書くと、このnoteが終わってしまうので、詳しくは東川町役場のnote

ワーケーションプログラム 「Sense of Wonder」

そんな東川町の、Compathのプログラムのなかで、今回私が参加したのは「Sense of Wonder」がテーマの 7泊8日ワーケーションプログラム。

大学生から、社会人大ベテランのご夫婦まで、多様なメンバーと、自然で感性を取り戻しながら、対話を重ねて、学びを深めていく時間でした。

スクリーンショット 2021-09-04 10.23.03

スケジュールは、こんな感じ。週末はワークショップ。平日は自由時間(ワークしても、なにをしてもOK)。

ワークショップでは、東川町周辺の自然に出かけ、自分の感性と出会う時間。
菊池佳さんを講師に招き、聴覚・触覚・嗅覚、普段はなかなか使わない感覚を駆使しながら、自分の感性と出会っていきます

画像11

*ワーク「森のミュージアム」森のなかにあるものを使って、自分の感性を表現していく時間

画像11

*川にあるお気に入りの石を見つけて、なんでその石を選んだのか、いまの気持ちをシェアしていく時間

平日は、自由時間。私はリモートでできるお仕事がほとんどなので、少し量は減らしつつ、東川町のワークスペースでせっせとお仕事。

画像6

*東川町の中心にある せんとぴゅあ の図書館 でよくワークしていました。選書も素敵で、仕事中、気分転換に本を立ち読み。至るところに、東川町で作られたすてきな家具も(写真:せんとぴゅあホームページより引用)

画像11

*週の半ばには、お仕事をちょっと休んで、プログラムに参加していたがうちゃんと一緒にヨシノリコーヒーへ。写真は、がうちゃんの写ルンですで撮った、エモ写真

いつもと違う場所だからか、なんだか気分はすっきり。リラックスした気分で、メリハリをつけてお仕事できた様な気がしています。

なんでこのプログラムに参加したの?

さて、ここからは、なんで私がこの2021年8月のタイミングで、ワーケーションプログラムに参加することにしたのかをお話ししたいと思います!

フォルケに行っても「余白」の時間は必要だ

2020年1月〜2月、私はデンマークのフォルケホイスコーレに留学しました。時間は経ったけれど、あの時に感じた「余白」のある学びの時間は忘れられず。

この「余白」には、物理的な意味も、精神的な意味も含んでいます。物理的な余白というのは、時間的にやるべきことが少ない時間、であり、いつもいる場所(日本や東京)から地理的に遠い場所で過ごすということ。精神的な余白というのは、会社や組織といったラベル付を開放すること。

前に勤めていた会社を辞め、デンマークに行って、帰ってきて約1年半。精いっぱい頑張ってきて、ちょっと一息つきたい。もう一度「余白」を取ってみたい、と思ったのです。

今の哲学は、ギリシャ人が暇だったから生まれた、と言われるように、なにもない余白の時間というものは、私たちに大切なことを気づかせてくれるように思います。目の前のタスクを盾に、見ないようにしてしまっていた違和感や、自分の人生にとって大切なことまで。そういったことに気づくには、おそらく多くの人にとって、余白が必要です。

実際、東川町での、Compathプログラムでの余白の時間は、たくさんの感情と気づきに出逢わせてくれる時間になりました。自分が感じたことは、ぜひ後編で紹介させてください。

一緒に働く人に「余白」を味わってもらいたい

今回のプログラムに参加した2つ目の理由は、一緒に働く内田さんと、学びの時間をともに過ごしたかったからです。

画像11

*ワーク中の内田さん。黒縁メガネと、夏はTシャツ短パンがトレードマーク。

内田さんとは、1年ぐらい前に偶然お会いしました。それから対話を重ねていく中で、内田さんが作っていた高校生向けの授業の内容をお聴きして… 生徒たちの考えを大切に、それを形にするところまで伴走するクラスの作り方にとても感動。いつか、私も同じような学びの時間を作りたいです!と話し、お仕事がスタートしました(最初は学び以外の分野でお仕事を始め、なんと今月から、念願の授業づくりもスタートしました)。

いまは内田さんの会社 ヨリドコロ・アンド・パートナーズの新たな拠点である、北鎌倉でも、都会の喧騒から少し離れた場所で、体験から普段の暮らしや働き方に気づきを得るような、学びの場を計画中です。

そんな学びの時間を一緒に作ろうとしている内田さんと、私たち自らの体験として、学びの時間を過ごしたい。それがきっと、これから私たちが作ろうとしている学びの時間にもポジティブな影響があるはず… そう思って、何度も話題に出しw 内田さん自身も、自分に必要な時間だと思っていただいて、一緒に参加することになりました。

画像9

*みんなで畑で野菜を収穫し、料理をする時間。内田さんは、ヴィシソワーズ担当。献立のなかで、一番手間暇がかかる料理を、この時間の先生 Terriさんに指導を受けながら、とても丁寧に作ってくださいました。美味しくて、みんな完食!

あまり年代や性別の話はしたくないのですが… 内田さんにとって、Compathプログラムの場は、全く新しい環境。

同じ世代・性別の方も少なく、成果や結果が重視される学びや業務を多く経験されてきた内田さんが、今回のようなプログラムに参加するのは、私とは異なる感情と勇気が必要なことだったように感じています。ただそれでも、自ら学びたいという気持ちで、全く新しい場に飛び込んでくださったこと、本当に嬉しく、自分もこれから歳を重ねても、同じ姿勢を持ち続けようと思わせてくれる、出来事でした。

わたしも大人の学び舎をつくりたい

プログラムに参加した最後の理由は、私も大人の学び舎 Compathをつくる側になりたいと思ったからです。Compathのさきちゃん・かおるちゃんとは、これまでもたくさん会話してきたけれど、突然仕事ください!って言うのは、なんか違う気がする。。

これまでCompathが作ってきた歴史を大切にしたいし、自分も大切に選択したい。だからこそ、実際にプログラムに参加してみて、本当に私が役に立てそうなのか?想いを持って、関わり続けられそうのなのか?確かめたいと思ったのが、最後の参加理由です。

画像11

*プログラム最後のシェアタイム。みんなそれぞれ、感じていることを思うままにシェアしていきます。笑いあり、涙ありの忘れられない時間になりました

なんで、大人の学び舎を作りたいと思ったのか?それは、自分の想いを実現することにつながると思ったからです。なんだか高尚な感じだけど、せっかくなら仕事や自分の1回しかない人生の時間は、想いを実現したり、社会の役に立つ時間にしたいと常々思っています。

自分がいま、仕事で実現・貢献したいと思っていることは、こんな感じ。

・個人それぞれにとっての、心地よい暮らしや働き方を実現すること
(心地よい暮らしや働き方とは、1日のなかで、その人がわくわくしたり、楽しかったり、ポジティブな気持ちになれる瞬間がたくさんあること)

とても広いこと、ほぼ全員・多くの会社がここを目指しているのでは?と思うぐらいのことですw 方法はたくさんある。ここに、自分の得意や、自分にとっての心地よい暮らしや働き方を重ね合わせて、どうやって社会と関わっていくのがベストなのか、いろんな方々、様々な職場を経験させてもらいながら、考えてきました。

その結果、ずっと頭に浮かび続けるのが、デンマークのフォルケホイスコーレ。

そのままの存在を認め、どんな発言も許しあい、対話できる時間。私がそうだったように、人生についてちょっと立ち止まって考える時間が、きっと他の人の人生も幸せにするための気づきを与えてくれるように感じ、こんな時間と場所をつくっていくことが、自分の使命なんじゃないかなと思うようになりました。

画像10

目に見えないからこそ、価値も内容も伝わりにくいけれど、私は自分の人生で、こんな時間の作り手でありたい。ひとりじゃできることは限られているけれど、Compathのみんなとだったら、実現できる幅も見える世界も変わりそうだな、とわくわくしています。

実際にプログラムに参加してみて、自分も含め、参加者みんながそれぞれのペースとタイミングで、気づきを得ている様に感じ、さらにCompathに関わりたい想いは、高まりました。さらに、プログラムが終わってから、かおるちゃん、さきちゃんと話して、全然終わらない感想のシェア。永遠と話していられるだろうなという感覚を持って、この感覚は間違いない、と。

帰ってきてから早速、Compathのふたり、そして同じようにCompathを盛り上げたいと思っているみんなと、今後のCompathの発信について、会話を始めました。必要な人のもとに、Compathの存在が届くように、精いっぱい動いていこうと思います。

ーー

さて、たくさん書いてきましたが、まだ実は このプログラムになんで参加したのか?しか書いてないんですよね… 想いがあふれ、この文章の長さも、出すまでの時間もだいぶ長くなっております。。が、次回は後編で、プログラムに参加して、私が感じたこと・考えていたことを、書き綴っていこうと思いますので、もしよろしければ。

文章中に使っている、すてきな写真たちはほぼ、東川在住フォトグラファー 清水エリさんに撮っていただいたものです。エリさんinstagram

後編noteはこちら(2021年7月23日更新)

2021.12.5-12 にも、冬のワーケーションプログラムがあるみたいです◎(今決まっている説明会は10/13, 23)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?