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老後が心配な私が元気をもらった本

 心配性の私は、40代の今から老後のことを考えており、時々noteにも書いてきた。今週、上野千鶴子さんの『在宅ひとり死のススメ』という話題の本を読んだ。

 認知症になっても「在宅ひとり暮らし」ができるのか、という私の一番の関心事項が書かれていて、頷きが止まらずに一気に読了した。

 私は特に、一人暮らしの高齢者の「在宅の限界」を誰がどう判断するのか、という点に興味を持った(p119~)。認知症による「異常行動」、例えば変な物を口に入れてしまう「異食行動」をしたり、衣類を全部脱いで丸裸になってしまったり、トイレではない場所で排泄してしまったりすることがある。そんな「異常行動」は「在宅の限界」の基準とされることがある。

 認知症高齢者が「異常行動」をすると、「周囲の目」が家族や介護職を責める状況があると、本書では指摘している。

あんな状態で放っておくの? 世間体を考えないの? 家族も家族だね……と「外野の声」に責め立てられる(以下略)p121

 でも、本人はお腹が空いて何かを口にしただけだったり、暑くて裸でいただだけだったり、トイレに行くのが間に合わなかっただけだったりする。ちゃんと理由のある行動なのだと理解して、家族や関係者が「外野の声」の批判をかわせれば、認知症高齢者でも「在宅ひとり暮らし」ができるのだ。

***

 高齢者の5人にひとりが認知症になる時代なので(P118)、誰もが認知症になる可能性がある。

 本書のこの部分に、とても勇気をもらった。私も自分自身の問題として、今後も考え続けていきたい。

ほしいのは認知症を怖がる社会ではなく、認知症になっても安心して生きていける社会。自分だけ認知症にならないようにあくせく努力するくらいなら、そのエネルギーを「安心して認知症になれる社会」をつくるために使ってもらいたい。そう、思ってきました。p140


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