月乃@多摩地区

在住在勤:多摩地区/noteはひさしぶり:2021年02月〜2024年07月休眠からの…

月乃@多摩地区

在住在勤:多摩地区/noteはひさしぶり:2021年02月〜2024年07月休眠からの再開/ゆるく読書:つぎは平家物語を読みたい・源氏物語をお休み中・その他ゆるやかに・漫画も好き/梅仕事:省エネ脱力派/家事全般:ラクにいきたい/体力:控えめ/クセ:空を見上げると月を探します。

マガジン

  • 知識ゼロから読む『源氏物語』

    素人が『源氏物語』を読みます。素人目にも、おもしろいことたくさんありますよ。

最近の記事

400文字日記 : noteブックガイド

数年休んでいたnoteを再開した。再開後、note経由で、入手した書籍は2冊。ウィッシュリストに入れたのが2冊。今日で再開4日目なので、1日1冊ペースだ。 休眠前にも「投稿企画に参加した結果、新たに本を読みました」という記事を書いたことがある。個人的に、noteは事実上のブックガイドだ。 買った2冊はどちらも読みかけだ。1冊は面白い、1冊は「!」と「!?」が交差する。後者が不満な訳ではない。 読み手の私と作者は100%重なり合う円じゃないから、重なる部分と重ならない部分

    • その庭園には音が降る

      5℃あれば大丈夫だ。気温が上がるのを待って家を出る。駅から2分のところに殿ヶ谷戸庭園はある。 門の向こうには2月に入ったばかりの枯れた風景があった。人影は少ない。細い道の両側にはサツキ、アジサイ、フジ、ハギ、ヒガンバナなどが、控えている。花の季節はキレイで賑やかなのかもしれない。2月のここは魅力的か? 愚問だ。そんなことは、歩けばわかる。 その庭園は崖地を利用した造りで、坂道や階段が幾つもある。雨上がりなら滑りそうな土の道を下りていく。舗装されていない道を歩くのは、いつだ

      • ノーギャラなのに、どうして「梅仕事」というの?

        「梅仕事」は概ね家庭で行われる、梅の実を加工して梅干しや梅酒をつくる一連の作業のことをいう語です。わたくし、いわゆる梅仕事はするのですが、「梅仕事」という語には違和感を覚えます。理由は2つ。まず、梅仕事の主語となるのは梅農家や梅加工業者ではなく概ね家庭や個人です。そして、梅仕事に取り組む家庭/個人は、梅の加工を業務としてではなく趣味や余暇としておこなっています。 「梅仕事」の語釈(言葉の意味の説明)ってどうなってるんだろう? ジャパンナレッジ(オンラインで複数の辞書を検索で

        • はじめての『痴人の愛(小説)』 via 『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』

          昨日、ひさしぶりにnoteを書いた。今日は連投なんて考えずnote散歩していたら、少し前に自分が読んだ本のことが出てきた。うわ、わたしもそれ読んだんですよ! 嬉しくなって書きます。 『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』この本を紹介する動画のサムネイルを見たときに、本を読んだほうが早いかも? と思ってしまったんです。確かに働いているから本は読めないのですけどね。ちょうど、人間ドッグでバリウム飲んでも、要検査になれば後で内視鏡検査(通称:胃カメラ)での検査をするなら、最初か

        400文字日記 : noteブックガイド

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        • 知識ゼロから読む『源氏物語』
          39本

        記事

          梅のこと2024: 湯かけ強制追熟

          梅のことを、あらゆる意味で楽にやりたいのです。どんなにズボラでも、梅仕事って美味しい結果に辿り着けるんだ、っていうルートを何本も見つけたいんです。 ■ 梅ファーストになれる? なれない? その季節には梅ファーストで暮らします! っていうのはとても素敵ですし憧れます。たとえ自分にはそんな適性が無いとしても、「丁寧な暮らし」のあるべき形のように見えます。 けれども同時に、梅ファーストになれなくても梅を扱って楽しむ暮らしが成立するようになって、梅のことをやる文化がもう少し長く

          梅のこと2024: 湯かけ強制追熟

          業のカタログとしても読めそう〜花散里:素人がゼロから攻略したい源氏物語〜

          (4〜5分で読めます。) 源氏物語って、光源氏の恋愛遍歴というよりは姫カタログみたいだ。 そのせいで、どの姫が一番好きか、好みの姫を探したくなる。それに、どの女が正解なのか、というのも見つけたくなる。 それなのに、どの姫も幸せじゃなさそうなんだ。正式な妻と思われても誠実な愛を感じられないまま愛人の生霊に殺された女。自分の悲痛に向き合えない情けない女。自分を愛さない男にパラサイトしたり執着したりする苦しい女。 ああ、源氏物語の世界って、息苦しい。 この世界のどこか片隅

          業のカタログとしても読めそう〜花散里:素人がゼロから攻略したい源氏物語〜

          ウェイリー版・戻し訳を読んだら、源氏物語のイメージがフワッと広がった。ーー素人が読む源氏物語:花散里ーー

          源氏物語って、「和」に縛られずに読むのもアリなんだ! これまで日本の文学のピンポイントだと思っていました。現代語訳で読破してみようと決めたものの、平安時代に対して持ってるイメージは十円硬貨のモチーフになった平等院鳳凰堂とか、十二単のお姫様くらいなのです。 そんな状態ですから、「平安」×「和」でイメージを膨らせるのは意外と難しかったんです。そんな偏見あるいは無縄自縛をほどいてくれそうな源氏物語と出会いました。『源氏物語 A・ウェイリー版』です。 この記事では左右社さんの

          ウェイリー版・戻し訳を読んだら、源氏物語のイメージがフワッと広がった。ーー素人が読む源氏物語:花散里ーー

          竿姉妹だって縁のうち『源氏姉妹げんじしすたあず』:素人が読む源氏物語~花散里~

          源氏物語は「光源氏が都の美女たちと次々と関係していく」というイメージがあります。そうです、麗しい恋です。目の前にいる女性にはそれぞれ甘い優しい言葉をかけます。 その舌の根もかわかぬうちに次の女のところでメロメロなトーク、という場面があったり、時おり異様な情熱に突き動かされたりするのを読むと、彼のことはちょっと理解しがたくなります。 そのためでしょうか、言われがちなのが「紫式部が書きたかったのは女たち。光源氏はその狂言回しにすぎない」という説。確かにそんなふうにも読めます。

          竿姉妹だって縁のうち『源氏姉妹げんじしすたあず』:素人が読む源氏物語~花散里~

          はじめての精肉店

          出不精で何処にも出掛けたくない。でも家と勤務先を真っ直ぐ往復するだけなのは、鬱々として気が滅入ってくる。強制的に出掛けなくては。といって無目的にブラブラ散歩とか無理。 何か、出掛ける用事、思いつけよ、私。 そうだ、肉、買おう。どっか、肉、美味しい店。 駅名地名と「精肉店」で検索する。散歩を兼ねて肉屋に行くのだ。これで、知らない町を目的を持って散歩できる。 しかし、どこがいいのか皆目検討がつかない。肉屋なのに精肉のことよりコロッケのことが書かれてる記事が多すぎる。でも、

          はじめての精肉店

          地味な彼女をプロデュース(4)『六条御息所 源氏がたり 上』:素人が源氏物語を読む~花散里~

          源氏物語で一、二を争う地味キャラ=花散里ちゃんを各種アレンジで読み比べる遊びです。 ◆前回の振り返り前回は、弘徽殿女御コードで描かれた『十二単を着た悪魔』でした。強面キャラの弘徽殿女御がキリッと賢いクールな女性のように描かれていたのが印象的な作品でした。そのなかで花散里への言及は、あっさりしたものではありますが、否定的ではないものでした。 花散里のこと、クッソつまんない地味な根性なし女であるように語るとか、あるいは完全スルーするというケースも少なくないなかで、否定的ではな

          地味な彼女をプロデュース(4)『六条御息所 源氏がたり 上』:素人が源氏物語を読む~花散里~

          読み出すなり躓いた「いずれの御時にか」って感覚に、だんだんなってきていた

          ごきげんよう。素人は今日も源氏物語をゆっくりと読んでいます。いまはまだ花散里です。おっそい。 前に、「いずれの御時にか」って感じに時間を捉えること無いよ、って記事を書きました。だって「どの元号の頃か」とは思うけど「どちらの陛下の御世でしたか」とは思うような暮らしかたをしてない。 素人が源氏物語を読む~いずれの御時にか……ってどんな感覚なの? https://note.com/genji_beginner/n/naf15b02ae475 で、花散里って巻を今は読んでるんだ

          読み出すなり躓いた「いずれの御時にか」って感覚に、だんだんなってきていた

          地味な彼女をプロデュース(3)『十二単を着た悪魔 源氏物語異聞』:素人が源氏物語を読む~花散里~

          次は、映画化もされたという『十二単を来た悪魔 源氏物語異聞』を読みます。 ◆悪魔と呼ばれるのは誰?題名にある「悪魔」、誰だか分かります? レディ・ロクジョウは生き霊・死霊のサイキックですから除外です。 あるいは写本工房の現場監督? そんなことも、わたしは思いました。「ハァーイ、写本部隊、どの巻を明日までに何部用意することになったわよ」「え、そんなん無理ッすよ~」「いいえ、おやりなさい、道長様からのオーダーなのですから」なんて。 正解は、弘徽殿女御でした。桐壺帝の寵愛を藤

          地味な彼女をプロデュース(3)『十二単を着た悪魔 源氏物語異聞』:素人が源氏物語を読む~花散里~

          地味な彼女をプロデュース(2):素人が源氏物語を読む~花散里~

          花散里を読みくらべるという謎計画。第1弾は基礎知識があんまり無くてもカジュアルに楽しめそうな、漫画です。 この巻を漫画化するのは、難しそうなんです。容姿とかキャラクターとかが、この巻では何も描かれない。花散里はごくごく短い巻、それも彼女本人の言動は書かれていないのです。心情についての推量が2つあるだけ。 例えれば、髪の毛とか指先とか映りこむからそこに彼女がいるのは分かるのに顔や全身は画面にはちゃんと出てこない予告編、みたいな。 そこに描かれる彼女は、男への心苦しさを抱い

          地味な彼女をプロデュース(2):素人が源氏物語を読む~花散里~

          地味な彼女をプロデュース(0):素人が源氏物語を読む~花散里~

          源氏物語のなかのナンバーワン・ブサカワ地味ガールは花散里でありましょう。出てくる姫たちほぼ全員セレブリティでそれぞれに華やか。存在感の薄い花散里は、 令和のワーキングクラスの私たちにとってもっとも身近な存在だと言えそうです。存在感が濃くないほうが多数派ですよ。 ◆地味な彼女をプロデュース。予告。で、この地味な女はアレンジによって、存在感の薄さからスルーされてたり、ブサカワなところを強調して親しみやすい女性だったり家庭的なおっとりとした「頼れる妻」であるかのように描かれたりし

          地味な彼女をプロデュース(0):素人が源氏物語を読む~花散里~

          素人が源氏物語を読む~賢木04~ :落ち目の季節の過ごし方(2)

          桐壺院崩御ののち、右大臣が権勢を握るようになり、桐壺院に護られていたひとたちは思うにまかせなかったり不安で頭がいっぱいになったりしました。 人生における不遇の季節を、源氏物語の賢木の巻の登場人物たちはどう過ごしたのか? 今回は朱雀帝・光源氏・藤壺中宮という、桐壺院とごく近しい(息子・妻)ひとたちのコーピングを見ていきます。 ◆朱雀帝の場合桐壺院ご存命の頃は桐壺院の意向を汲んだことでしょう。院が崩御されたあと、院の遺言も守りつつも、右大臣や弘徽殿大后のパワーには対抗できず

          素人が源氏物語を読む~賢木04~ :落ち目の季節の過ごし方(2)

          素人が源氏物語を読む~賢木03~ :落ち目の季節の過ごし方(1)

          賢木って、桐壺院崩御により上皇の影響力が及んでいた政治体制がガラッと変わります。20年以上の長きに渡って耐えてきた人たちが実権を握り、反対にこれまでは桐壺院の威光により輝いていた人たちが冬の時代を迎えます。明暗が入れ替わるthe転換期という感じなのが面白いです。時代レベルでは貴族の時代の終わりがいつか来ることが予感されつつも身分社会の上澄みの方々は当面は栄華を満喫できる段階なのですが、個人史レベルで言ったらパラダイムシフトです。 ◆やっと期が熟した右大臣家時の帝は朱雀帝。桐

          素人が源氏物語を読む~賢木03~ :落ち目の季節の過ごし方(1)