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2022年3月「読んだ!」マンガまとめ

こんにちは。マンガライターのちゃんめいです。

初めて購入した漫画雑誌は講談社「なかよし」。『カードキャプターさくら』や『夢幻伝説 タカマガハラ』など“戦う女の子”に魅了された私は、『神風怪盗ジャンヌ』との出会いによって集英社「りぼん」をこよなく愛するりぼんっ子に。そして、3つ上の姉の影響を受け『ONE PIECE』や『NARUTO』『BLEACH』といった、90年代後半〜00年代前半の集英社「週刊少年ジャンプ」黄金期をエンジョイ。

その後、私の人生のバイブルといっても過言ではない『鋼の錬金術師』と運命的な出会いを果たし「漫画に全部“持っていかれる”」人生を歩んでいます。

というわけで、生まれてこの方ずっとマンガが大好きなのですが、マンガライターとして書評を執筆したり、漫画家さん・編集者さんに取材させていただく機会が増えてから、漫画を読む量も尋常じゃなく増えました。(嬉しい悲鳴です)

できることなら全作品、しっかりとした書評を書きたい...!けれど、現実的になかなか難しいので毎月読んだ漫画を全作品こちらのnoteにてまとめています。

あらすじや一言感想が多いので、読み応えのある、または濃密な書評が読みたい方にとってはかなり薄く感じるかもしれませんが、もし良ければ読んでいってくださいませ。この記事が、あなたにとって新たなマンガとの出会いになりますように。

▼ 過去の記録はこちら

ダウン・タイムズ(読み切り作品)

『いつかティファニーで朝食を』でお馴染みマキヒロチ先生の新作読み切り。落ち目の女優が整形に踏み切る話なのですが、整形はあくまでもきっかけに過ぎなくて、主人公が自分で自分を奮い立たせて再起していく姿がとても眩しい。読んでいると前向きなパワーをもらえる。

降り積もれ孤独な死よ(1〜2巻)

あの累計100万部超の大ヒットクライムサスペンス『親愛なる僕へ殺意をこめて』を手掛けた、伊藤翔太先生 × 井龍一先生コンビの最新作。今回も、ジャンルとしてはクライムサスペンス。けれど、派手なグロシーンなどは一切登場せず(今のところ)読み手を淡々と深い闇へと誘うような、独特な不気味さがあって読み入ってしまった。

光が死んだ夏(1巻)

幼馴染が全く別者の”ナニカ”にすり替わってしまったら……?そんな不気味なもしもから始まる物語。ホラーであり、ブロマンスでもある。そんな不思議な魅力を放つ作品。詳細は「RealSoundブック」さんで書評を書いたのでぜひ。

日本三國(1巻)

もう!表紙!!!!真っ赤なんですよ?!とても攻めているし、中身(物語)への絶対的な自信を感じて圧倒される。

現代社会が崩壊した近未来の日本を舞台に、新たな国盗り物語を描いた作品。未来の話なんだけど、文明が明治初期レベルにまで後退したという設定なので、歴史モノバトルのような面白さがある。

金色のガッシュ!! 2

俺らの、私たちの、、ガッシュが、、戻ってきたぞ〜〜!

約14年ぶりとなる『金色のガッシュ!!』続編に期待を高まらせたものの、まるで前作の全てを崩し去るような展開に唖然とする人続出。これから読む方は、ぜひ心して挑んでほしい...。詳細は「RealSoundブック」さんで書評を書いたのでぜひ。

宇宙検閲官(1〜2巻)

「LINEマンガ」で連載中の『宇宙検閲官』。SF×ボーイミーツガールもので、タイトルにもある“宇宙検閲官”として働くロジャーがとにかくかっこいい...!一方で、ヒロインがとっても平凡。でもそこがこの作品のSF要素や描写を強調している気がしてとても良かった。詳細はこちらのnoteに書いたのでぜひ。

ババンババンバンバンパイア(1巻)

タイトルを言おうとすると、勢い余って「いい湯だな」を口ずさみたくなる本作。ご想像の通り“銭湯”と“吸血鬼”が登場する作品で、10年近くもの間、老舗の銭湯で住み込みバイトをしている吸血鬼の蘭丸が主人公。数ある人間の血の中でも“18歳の童貞の血”を好む彼が、銭湯の跡取り息子の童貞を死守しようと奔走するお話。ポップなギャグ展開に、奥嶋ひろまさ先生の美麗な筆致が相まって、とんでもなくシュールでおもしろい。

タコピーの原罪(上巻)

最新話が更新されるたびに読者を絶望の底に叩き落とす『タコピーの原罪』。うん、この作品は物語よりも考察を楽しむ漫画だったのかなと。単行本で改めて読み直すことで、 リアルタイムかつ単話で読んでいる時には見過ごしていた伏線に気付いたり、読者同士で盛り上がっている考察が腑に落ちたり。そんな新たな楽しさを教えてくれた作品。

裸一貫!つづ井さん(4巻)

大ヒット作『腐女子のつづ井さん』の著者が描く、コミックエッセイ『裸一貫!つづ井さん』。
自分の好きなことや楽しいことに全力で生きるつづ井さん。そんな自身の日常を綴った本作は、不安定な今の時代を生きる私たちをエンパワメントしてくれる、言わば希望の書。

★4巻は、つづ井さんが実家に戻るところから始まってーーーー!?(最高でした)

片恋グルメ日記(1〜4巻)

憧れの年上男性社員の食事をストーキングするという、新感覚のグルメ×ラブコメディ。好きな人の好きな食事を追体験することで、好きな人を感じる...。どことなくロマンチックで危険な香りを醸し出す斬新な作品。

そして実はこちらの作品の単行本の帯を考える企画でキャッチコピー賞をいただきました!左の画像が原案です。...プロのデザイナーのお仕事に脱帽です。

藻刊(そうかん)サガノリ

佐賀県のおいしいものをPRする「サガプライス!」さんからプレゼントいただきました。

佐賀県は、18年連続生産量日本一を誇るほどの海苔の名産地。けれど、昨今の新型コロナウイルスの影響により、海苔の需要は減少。佐賀県自慢の海苔はピンチに陥っているそう。そこで、どうにかして佐賀海苔の魅力を発信すべく、生まれたのがこちらの「藻刊(そうかん)サガノリ」。

思えば、海苔は食卓の中では存在感の薄い存在。世間では、決して主役級の食材とは思われておりません。このような圧倒的劣勢の今、佐賀県はどうしても海苔を主役にしてあげたい。写真でみると黒い板状の何かでしかない海苔。現実では地味な見た目も、モノクロの世界なら輝けるのではないか…?そんな切実な思いから、3/17「漫画週刊誌の日」に、佐賀県は主役が海苔の漫画作品を集めた雑誌「藻刊サガノリ」(全200頁)を自分たちで発刊しました。恋愛、冒険、スポーツ、ホラーなど、全46作品すべて海苔顔の主人公が躍動します。

お恥ずかしながら、私は佐賀県でそのような危機的状況が起きているとは存じ上げなかったのですが...。この現状を打破したいという熱意と社会意義のあるプロジェクト内容にとても感激しました。

また、実際に「藻刊(そうかん)サガノリ」を読んでみて、巻頭グラビアや最後の作者コメントなど、細やかな部分まで漫画雑誌のリアルを追求した一冊になっていて驚き、、!収録されている作品も、画力が高いのにオチは海苔というギャップが面白くて、ついつい笑ってしまいました。また、特別付録が「海苔」なので、作中で紹介されていたレシピが試せるところも嬉しいポイント。

アンテナショップとかで販売したらとても売れそう&ウケそう!!

『北北西に曇と往け』でお馴染みの入江亜季先生による、約16年ぶりとなる作品集。短編13作に加え、約30ページのイラストとあとがき付きという豪華な一冊。入江先生が描く、詩情あふれる旅の情景を堪能したくてワイド版で購入したけど大大大正解でした…。

マオニ

意志強ナツ子先生の新連載。とにかく凄まじかった...。物語の緩急がすごいし何よりこの圧倒的な中毒性!!ページをめくるたびに、ゆるやかなボディ・ブローを食らわしてくるような衝撃がある。

ガクサン

私がよく行く本屋さんは参考書コーナーの隣に漫画コーナーがあるのですが、このポップに惹かれてついつい購入。

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参考書専門の出版社を舞台にしたお仕事漫画で、作中に登場する参考書の選び方は学生だけではなく、勉強に励む社会人も必見。

ミワさんなりすます(3巻)

映画オタクが他人になりすまして推しの俳優の元で家政婦をするお話。最新刊3巻は、コメディから“推し”と“推す者”の奇妙で複雑な関係性を鮮烈に描く人間ドラマみが強くなっていて最高だった。息するのも忘れるくらい、没頭して読み込んでしまった...!

金のひつじ(1〜3巻)

小学生の頃、大の仲良しだった男女4人組。その後、主人公の継が転校したことでバラバラになってしまうが、家庭の都合で再び街に戻ってくるところから物語が始まる。高校生の幼馴染男女4人組が織りなす青春と再生の物語なんだけど、作中に登場する「青春は後悔で出来ています」というセリフが、もうこの作品の全て...!『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』がお好きな方はハマると思う。

僕のソルシエール(1〜4巻)

『マリーミー!』の夕希実久先生最新作。主人公の和飛は、幼い頃に出会った双子の兄妹と中学校で運命的な再会を果たす。けれど、目の前にいる双子の兄は実はもう亡くなっていて...?少し切なくて不思議なラブストーリー。

ソルシエールとは“魔法使い”という意味。魔法使いとは誰のことを指すのか?そんなことを考えながら読んでいると、もう全キャラクターへの想いが溢れて号泣してしまった。

オタクに優しいギャルはいない!?

漫画界で、オタクに優しい、または有効的な天真爛漫なギャルが大量発生している件。これはまた別途議論する(?)として、本作もまさにそんなギャルが登場する。ただ、ギャル(ヒロイン)メインというよりかは「オタク」あるあるがしっかりと描かれているので、何かしらに熱中したことがある、我こそはオタクだ!なんて方は共感するシーンが多いかも。

少女花図鑑(上・下)

物語の舞台は、ある日人間の女性の頭に“花(宇宙花)”が咲くようになった世界。宇宙花にふり回される切ない少女たちの青春群像劇を描く。

宇宙花が頭に咲くようになったら、顔ではなくて何の花が頭に付いているのかで相手を評価する。なんだかどこまでいってもルッキズムは無くならないのかなと考えさせられた作品。

東京ネオンスキャンダル

スクープを撮るためならなんでもする、そんな超過激なスクープカメラマンと新人編集者が織りなすお仕事ブラックコメディ。いわゆる“マスゴミ”と言われるような薄暗い面に切り込んだ作品なんだけど、撮影方法がなかなか型破り(現実でもそうなのかな?)なのでエンターテイメントとしては迫力・衝撃抜群!

現代魔女図鑑(1〜5巻)

現代社会で、魔術を生業とする魔女が存在する世界。魔女たちが織りなす恋と日常を綴ったオムニバスストーリー。

繊細な絵柄、そして魔女の設定が緻密でタイトル通り『現代魔女図鑑』な作品。この世界では男性も“魔女”と呼ばれるんだけど、これは作者が魔女にまつわる文献を読み、実際に男性も魔女と呼ばれていたことを知って、この設定にしたそう。作者さんの徹底したリサーチ力も素敵。

薫る花は凛と咲く(1巻)

もう...!瑞々しい...!2人とも一緒にぎゅっと抱きしめたいくらい可愛いラブコメ。底辺不良高校に通う実はめっちゃ心優しい男子高校生 × お嬢様高校に通う気概のある女子高生っていう組み合わせも、もう優勝です。

復讐の教科書(1〜5巻)

いじめられっ子がひょんなことから担任と入れ替わってしまい、担任になり変わって復讐をするお話。設定が面白い。入れ替わる相手が担任って...!確かに復讐するには色々と便利だし適任だよねって、思わず感心してしまった。

尾かしら付き。(1〜4巻)

今月の「なぜもっと早く読まなかったんだ!」ランキング1位がこちらです。“みんなと違う”ことに戸惑い、傷つきながらも紡いだふたりの奇跡と愛の物語。これ1〜4巻で、10年分の物語が詰まっているのですが、もうどの描写も繊細、そして心にくる。そして、何より佐原ミズ先生の美しくも、温もりあふれる絵が本当に素敵!大好き!

わたしは壁になりたい

他者に恋愛感情や性的欲求を抱かないアセクシャルのゆりこは、親からの結婚の圧力でお見合いをすることに。そこで出会った、幼馴染に片想い中のゲイ・岳朗太と結婚するが、ゆりこと岳朗太はお互いのセクシャリティを理解しているため、この結婚は夫婦間の愛情はない完全なる"偽装結婚"。セクシャルマイノリティの二人が生活を共にしていく上での距離感を模索しつつも、互いに寄り添う姿が印象的だった。

雪女と蟹を食う(1〜5巻)

自殺死亡の強盗 × 謎多き人妻。そんな2人が北海道で蟹を食べるために、逃避行をするお話。ヒロインの人妻が、雪女なみの背筋が冷えるような妖艶さを持ち合わせているからタイトルに「雪女」が入っています。女性の描き方がとっても魅力的だったので、Gino0808先生が描く、他の女性キャラクターがもっと見たいなと思った。

東大リベンジャーズ(1巻)

ミチタッケ、二浪のモイキー...。そう、あの『東京卍リベンジャーズ』の公式パロディで「もし主人公が“東大卒”だったら…?」というifから始まるお話。当たり前だけど、原作を読んでいないとこの面白さはわからないかも。原作の名シーンをリスペクトしながらも、かなり振り切ったギャグをお見舞いしてくる船津紳平先生のギャグ漫画力にただただ感服です。

2022年3月雑記

今月は、目標だった連載記事を持たせていただいたり、あと下半期にリリース予定のとびきり嬉しい案件が始動したり、嬉しいことに(少しずつ)夢が叶っているなと実感した月でした。

昔、愛してやまないアーティストの女王蜂・アヴちゃんが「嬉しいことに年々、どんどん夢が叶っている。これからも階段飛ばしなんかせずに頑張ります」ってツイートされていたことがあって。原文ママではなくて申し訳ないのですが、この“階段飛ばしなんかせずに”っていうキーワードがすごく刺さって、私もそうでありたいなとずっと思っています。

私にとっての“階段飛ばしなんかせずに”というのは、やりたい仕事をするためにそれに見合う自分になること、そしてそんな自分になるために努力を欠かさないこと。で、その努力の一つとして1月から「さとゆみビジネスライティングゼミ」1期生として、大尊敬のライター・佐藤友美さんのもとで“書く”についてじっくり学ばせていただきました。そして3月をもって全講座の受講が完了して卒業しました(涙)

▼ こちらの記事は、課題の一環で佐藤友美さんに取材させていただいたのですが、「書き続けらられない...」と悩む全ライターさんに読んでほしい

受講を終えたことで、階段を登る方法を知り、それと同時にまた一つ新たな階段という名の課題が見つかり...。なんだか体力的な疲弊はありますが、精神的にはすごく漲っています。

4月も“階段飛ばしなんかせずに”頑張ります。

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