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このマンガがずるい!『SPY×FAMILY』ギャグも感動もバトルも全て詰まった最高傑作

集英社のマンガアプリ「ジャンプ+」で連載されているSPY×FAMILY(スパイファミリー)という作品をご存知だろうか。

2019年3月に連載がスタートしてから、単行本発売時には1ヶ月で累計30万部突破し、その年の「このマンガがすごい2020」ではオトコ編第1位に輝き、その後も数々のマンガ賞にノミネートされその勢いは止まることを知らない。

凄腕スパイの黄昏(画像:右)は、極秘任務の一貫でとある名門校に潜入することになるのだが、そのために「家族」が必要になる。任務遂行のために、急遽「家族」を用意しようとした黄昏が孤児院で出会ったのはアーニャという少女だった(画像:左)。一見大人しそうに見える少女だが、実は人の心が読める超能力を持っていて、妻となったヨル(画像:真ん中)は実は暗殺者...!?という互いに正体を隠した仮初めの家族たちのホームコメディ作品だ。

中でもアーニャの喜怒哀楽の変化が魅力的で、かく言う私も『SPY×FAMILY』は"とにかくアーニャが可愛い"という事前情報をきっかけに読み始めてまんまとハマったクチだ。

本作は、単行本が6巻まで発売されているのだが、ここまで読んで感じたことは、「アーニャが可愛い」ではなく「このマンガがすごい」でもなく「このマンガがずるい」だった。

"仮初めの家族"という登場人物たちの設定上、勘違いや誤解の上に成り立つ勘違いコントのようなギャグが本作のベースにある。本作を読んでいると基本的には面白いという感情が真っ先に浮かぶ。

一方で、登場人物たちは"家族"として過ごすうちに血の繋がり以上の絆や愛情を育み、時には感動的なエピソードが登場することもある。そして、アーニャの父親を演じる黄昏、母親であり妻であるヨルの間には恋愛関係はない。けれど、やはり一緒に過ごしていく内にお互い淡い恋心を抱くようなシーンも見受けられるしラブハプニング的な展開もある。

ギャグと感動、そしてラブ展開。この3つが揃っているだけでも良い意味でお腹いっぱいなのに、それだけでは終わらないのが『SPY×FAMILY』だ。

話が進み、黄昏が潜入調査をしたり、アーニャが通う学校に潜入するシーンを眺めていると「そういえば黄昏ってスパイだったよね...」と思わせるようなシリアスな展開がしっかりとやってくるのだ。

SPY×FAMILY』は、アーニャが可愛いだけじゃない。ギャグと感動、そしてラブ展開、さらにはシリアスなバトル展開までお見舞いしてきて読み手の心を掴んで離さない「ずるい」作品なのだ。

ちなみにSPY×FAMILY』の単行本6巻の初版は100万部を突破したのだが、これは「少年ジャンプ+」のオリジナル作品において初の快挙である。

アニメ化もされていない作品としては異例のヒットが続いている『SPY×FAMILY』。その秘密はギャグも感動もラブ展開もバトルも全て詰まった「ずるさ」なのかもしれない。


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