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2023年5月「読んだ!」マンガまとめ

こんにちは。マンガライターのちゃんめいです。

新旧問わずに今月読んだマンガを全て紹介する本企画。元々マンガが大好きで毎月たくさんマンガを読んでいましたが、マンガライターとして活動し始めてから読む量が尋常じゃなく増えました。できることなら全作品しっかりとした漫画評を書きたい!けれど、現実的になかなか難しい。いやでも、せめてあらすじや一言感想メインだけでも!……という謎の使命感からこのnoteが誕生しました。

ちなみに、「Real Sound ブック」さんでは“今月発売された新刊”というしばりでおすすめのマンガを紹介しているので、とにかく新作が読みたい!という方はこちらもぜひ。

読み応えのある、または濃密な漫画評が読みたい方にとっては、こちらのnoteはかなり薄く感じるかもしれませんが、もし良ければ読んでいってくださいませ。この記事があなたにとって新たなマンガとの出会いになりますように。

▼ 過去の記録はこちら

ROPPEN-六篇-

独裁国家“六篇法国”で繰り広げられる、殺し屋たちによる殺し合い。 物語はもちろん、キャラクター、戦い方、そして吹き出しや写植一つとっても規格外の強度で暴れまくっている本作。全身全霊、鬼気迫る作品というか......連休明けの体にズンと響いて目醒めました。

スクールバック

今月から「サンデーうぇぶり」で連載開始した『スクールバック』。親でも学校の先生でもない.…..丁度良い距離感で会話、じゃなくて“対話”してくれる存在。私も欲しかった。読んでいると昔のあたしが救われる気がする。

今日、駅で見た可愛い女の子。

スイマー、プロフ帳、フェルナンダのマリアリゲル……と聞いてピンと来た人は集合。 本作は可愛いあの子の“カワイイ”を作る懐かし~令和のアイテムをひたすら観察して心の中で悶える新感覚コメディ。描写もさることながらカワイイへの解像度が高すぎて最高。Real Sound ブックさんの連載「漫画ライター・ちゃんめい厳選! 5月のおすすめ新刊漫画」でも紹介している作品です。

サンダー3(3巻)

大好きな『サンダー3』の最新刊3巻をご恵贈いただきました。ありがとうございます! 2つの世界の人類と異星人……画風違いの世界が交錯するSFバトル。ストーリーも表現も規格外で特に今巻は怒涛の戦闘三昧。 これでもか!と読者にパンチを喰らわせ痺れさせるような最新刊だった。

かわいすぎる人よ!


誰もが振り向くような容姿端麗な叔父さん、対して素朴な雰囲気の少女・メイ、そんな似てない2人が織りなす同居生活を描く。 健気でまっすぐな優しさを持つメイ……彼女の優しさは周囲の殻はもちろん、読者の濁った感情を溶かしてくれる。この作品と出会えて嬉しい。Real Sound ブックさんの連載「漫画ライター・ちゃんめい厳選! 5月のおすすめ新刊漫画」でも紹介している作品です。

ブレス(3巻)

メイクアップアーティストを目指す男子高校が織りなす夢追い青春物語。本作の何がすごいって“メイクシーン”の描写なんですよ。ただメイクを施すだけじゃなくって、アーティストの感情や想いがメイクに乗っている……そんな唯一無二かつ斬新なメイクシーンの描写がとにかく圧巻で。読書体験としてなんて贅沢なんだと毎回感動してしまうし、なにより主人公・アイアから見える世界はこうなのかと、なんだか彼と共鳴するような感覚に陥いる。

デイズ・オン・フェス(全5巻)

フェス初心者の女子高生がフェスの面白さに開眼していく様子を描いた、新感覚の“フェス体験”漫画。作中に登場するフェスは全部実在するものなので、ステージ移動やフェス飯などの描写が非常にリアル。そして、間近で好きなアーティストの演奏を聴いた時のあの感激……臨場感あふれる筆致で見事に表現されているので、GW明けの「あ〜、フェス最高だったな(JAPAN JAM2023へ行きました)」という気持ちに寄り添ってくれるというか、あの興奮を思い出させてくれる。

放課後ひみつクラブ(1〜2巻)

1巻の表紙を飾る、このキラッキラッの少女・蟻ケ崎千歳は「放課後ひみつクラブ」の部長。部員の猫田くんと一緒に学園の隠された謎を解き明かしていく。この“謎”というのが、蟻ケ崎の言いがかりというか被害妄想レベルの小さなモノなのだが、メルヘンチックな唯一無二の絵柄と絶妙な会話劇で全てがカバーされる。(おもしろい)マンガ・ミッケ✨✨✨✨

新古書ファイター真吾

ブック◯フ的な新古書店を舞台に、気になる本をお手頃価格で手にする者、思い出の本を探し求める者、せどり目的の者…..“古本戦士”それぞれの戦いをコミカルに描く。 立場的にめっちゃ攻めたテーマだなと思いつつ、あえて新古書店をフィールドにして予算など色々鑑みながら本を入手することの楽しさといった、作者のポジティブな原体験が軸にあって面白かった。強烈な偏愛を感じる。面白かった(二度目)。Real Sound ブックさんの連載「漫画ライター・ちゃんめい厳選! 5月のおすすめ新刊漫画」でも紹介している作品です。

ギュゲスのふたり(1〜3巻)

「サンデーうぇぶり」で連載中のカトウタカヒロ先生『ギュゲスのふたり』面白すぎんか??!!!!と今更気づいて一気に既刊購入。 超能力に目覚めた漫画家×ヤクザ×警察のサイキックサスペンスものでストーリーはもちろん、マッッジで魅力的な敵キャラが登場します。最高。

わたしの夢が覚めるまで

最近夢に懐かしい人達がよく登場するのだけど。そんな今の私の心に優しく沁みた本作。 なんで人って夢に暗示とか予知能力を期待してしまうのか。真偽の程は分からないけど、その夢が私を後ろでも前でもどこかに導いてくれるなら意味があったんだと思う。Real Sound ブックさんの連載「漫画ライター・ちゃんめい厳選! 5月のおすすめ新刊漫画」でも紹介している作品です。

クジマ歌えば家ほろろ(1〜3巻)

鴻田家と謎の生物・クジマが織りなす、ちょっと不思議であたたかな同居生活を描く。このクジマがね、本当に良いキャラ。別に可愛いとか、媚を売るとか、何か良いこと言うとか……ぜんっぜんそういうことがなくて、なんならちょっと口が悪かったりするんだけど。この飾り気のないキャラクターだからこそ、鴻田家に新しい風を吹き込んでくれる。我が家にも来て欲しいなぁ、クジマ。

モテ考 30歳独身漫画家がマイナスから始める恋愛修業

「モテる」について、作者の緒方波子先生が体当たりで検証し考察した一冊。実は「モテる」を掘り下げるということは「自分を知る」ことに繋がっているかも?…….本作を読んでいるとそんな新しい境地が開ける。mi-molletさんであらすじや魅力などを紹介させていただきましたので、こちらもぜひに。

女子高生除霊師アカネ!

生活費を稼ぐため父親の跡を継ぎ、除霊師として活動することになった女子高生のアカネ。だけど、彼女に霊なんて見えちゃいない!つまり、父親直伝の怪しいテク(というか詐欺)で霊を祓いまくるというお話し。詐欺る相手が「まぁいっか…….」と思うくらい業の深いタイプだったりするので、同情の余地なくギャグ漫画としてめちゃくちゃ笑える。

クオーツの王国

物語の舞台は天使、悪魔に二分されている世界。天使たちが棲まう国は“クオーツ王国”と呼ばれ、国を統べる女神の意思に従い、国を悪魔から守る英雄として鍛錬を積んでいる。主人公は、そんなクオーツ王国で黒い翼をもって生まれた孤児のブルー。女神に仕える天使になる日を夢見ていたが、ある日突然教会に悪魔が襲い掛かり彼女の平和な日常は崩れ去る。黒い翼を持って生まれた少女が秘める力。彼女は王国を救う天使か、または世界を破滅に導く悪魔か?.......天使と悪魔というシンプルな設定ながら、ブルーに襲い掛かる残酷な展開や課せられた宿命は、まだ1巻ながら読者に重く響く。Real Sound ブックさんの連載「漫画ライター・ちゃんめい厳選! 5月のおすすめ新刊漫画」でも紹介している作品です。

セシルの女王(4巻)

自分に課せられた運命を知り愛に疑念を抱くエリザベス、我が王を愛せなかったと悔やむクロムウェル.…..王位・権力争いで真っ先に切り捨てられそうな“愛”について問う重厚な4巻。 一方でさりげない会話劇がユーモアに富んでて本当に笑うwこの緩急が毎巻すごい。

2023年5月雑記🪴

まずは毎回恒例の今月のお仕事報告から。

▼ コラム:主婦と生活社「fumufumu news-フムフムニュース-」

今月から、主婦と生活社さんが運営する「fumufumu news-フムフムニュース-」でも執筆させていただいております。 「フム」の先に、少しでもプラスの感情を持ってもらえるようなコンテンツをお届けするWebメディアで、今月は「名探偵コナン 黒鉄の魚影」とアニメ「スキップとローファー」のコラムを書かせていただきました。映画評は地味に初めての挑戦です。

▼ インタビュー:浅野いにお先生

「第三回スピリッツ新人王」で審査員を務めた、浅野いにお先生のインタビュー&執筆を担当させて頂きました。前編では、新人時代のエピソードや過去作を振り返りながら、連載を勝ち取るまでの心得や具体的な創作論を。後編は、若手だからこそ描ける作品、今の時代に商業誌の漫画賞に応募する意義や、もしも浅野先生が今の時代に新人作家だったら?など、新人作家を取り巻く現在地と今後について迫りました。ぜひ多くの方に読んで頂けたら嬉しいです。

取材はちょうど新連載『MUJINA IN TO THE DEEP』1話が掲載された日の夜に行われました。超ご多忙のなか、あらんかぎりの言葉を尽くして、誠心誠意お答えいただいた浅野いにお先生に最大限の感謝と敬意を込めて。

▼ インタビュー:「サイコミ」編集長・葛西歩さん×開発ディレクター・高超さん

漫画をもっと気軽に読んで欲しい、読者のライフスタイルにあわせてアプリとWebという選択肢を提案したい……そんな思いの元、今年の1月にWeb版を大幅にリニューアルした「サイコミ」。リニューアルプロジェクトの裏側、そしてCygamesならではの強み、今後の編集方針も含め「サイコミ」の現在地とこれからについて話を伺いました。

▼ 雑誌:集英社「BAILA」7月号

「大人の性のもやもや悩みに“発見”と“寄り添い”をくれる漫画」というテーマで、BAILA編集部・バタコさんとマンガMee編集部・あじまさんとおすすめ作品についてお話しさせていただきました。

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5月といえばGW!というわけで、とにかく今月はたっっっくさん遊びました。そのせいか今月の「読んだ!」も作品数が若干少なめですね。

まず、ここ4年くらい毎年行っている「JAPAN JAM」。私は「サンボマスター」に忠誠を誓い、「エレファントカシマシ」に心酔しているので彼らが出ている2日目(5/3)に行ったのですが、もう本当に最高でした。

サンボマスターはいつだってありのままの俺らを全肯定してくれる。誰がなんと言おうとあんた達は素晴らしいんだ、美しいんだ、花束なんだって。サンボマスターが奏でる美しき轟音。それは、救済のロックンロールだなと。そして、青空に響き渡る山口さんの「優勝!優勝!」という叫び…….何かこれを聴くと、上半期も頑張ったなぁって。自分を少しだけ褒めたくなります。そういえばつい先日、メジャー20周年を記念して、11月にアリーナワンマン開催決定のニュースが流れましたね。まずはチケット当選してくれ〜!という気持ちと、再びサンボマスターの音楽を生で聴くまでに、もっともっと今よりも誇れる自分で在りたいなと思いました。

そして、エレファントカシマシ。わりとめっちゃ後ろの方で聴いていたのですが、宮本浩次氏の歌声ってどんなにステージから離れていても全身に突き刺さるような威力があるよね。「デーデ」や「悲しみの果て」「俺たちの明日」など、名曲揃いのセトリだったけど、やっぱり長きに渡るエレカシ史を鑑みたら涙なしでは聴けないのが「RAINBOW」。陽だまりも宇宙も悲しみも喜びも全部この胸に抱きしめて駆け抜けたヒーロー、それが!!!!俺さ!!!!嘘じゃないさ!!!!!…….こういうさ、何度でも立ち上がる人、傷ついても決して歩みを止めない人。嬉しさだけじゃなく、痛みも全て包括してさらに耀きを増す、強烈な生命力を持ちあわせている人が本当に大好きだし、敬愛してやまない。ちょっとエドワード・エルリックみあるよね?(すぐ鋼錬につなげるオタク)

あとは、大好きな友人と大塚〜新大久保〜恵比寿と山手線呑み歩きをしたり、2年ぶりに台湾旅行へ行ったり。もう本当に楽しかった。これからも楽しみなことをたくさん作って。楽しみなことをゆっくりと待ちながら、丁寧に丁寧に仕事する……そんなことを繰り返しながら生きていきたいなと思いました。

6月はまたすごく嬉しいお仕事のご報告があるので、ぜひまた告知させてください。

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