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ルビに感情が宿る「ようこそ!アマゾネス☆ポケット編集部へ」

先日、自粛明けに初めて友人と食事をした。

メンバーは、偏愛視点共有メディアZOCCONの編集長・ゆうぽるさん広告代理店のプランナー・長谷川さん、わたしの3人。

ひょんなことから仲良くなった3人なのだが、唯一の共通点といえばサブカルチャーが好きなところだろうか。

久々に再会を果たした私たちは、序盤はお家時間の過ごし方について話していたのだが、お酒も進み中盤に差し掛かった頃、ゆうぽるさん発でこんな話題になった。

「シナリオ(紙面)には感情表現がない。それをどう表現するかは役者にかかっている。けれど、シナリオ紙面がその役割を果たすとしたら、なにができるだろうか。」

という問いかけに対して、具体的な手段として「インパクトのあるフォントを使う」「独特な擬音を使う」なんて話しが出た。

私は「ルビで表現するのなんてどうですかね?」と言いながら、脳裏にあのマンガが浮かんだ。

「ルビ」に宿る、彼女のアツさ

文芸誌「アウト・ポケット」編集部を舞台に、最高の一冊を作るために情熱を注ぐ編集者たちの物語。それが、ジェントルメン中村先生の『ようこそ!アマゾネス☆ポケット編集部へ』だ。

力強いオーラを放つキャラクターたちが、パワフルにそしてファビュラスに仕事の問題を解決していく姿にはパワーをもらえるし、"お仕事マンガ"として学びになるシーンも多い。

そして、この作品の一番の魅力は何と言っても「ルビ」なのではないだろうか。

ルビとは簡単にいうとふりがなのことで、特定の文字に対しての説明、または異なる読み方をする時に小さな文字で記されている。

ようこそ!アマゾネス☆ポケット編集部へ』のルビは、時にギャグ要素として笑いを誘い、またある時はキャラクターの感情が乗る。

アウト・ポケットの編集長・才堂厚子というキャラクターがいるのだが、彼女を一言で現すと「敏腕編集者」。

だが、そのまま「びんわんへんしゅうしゃ」と読ませるのではなく「ファビュラスアマゾネス」と読むのだ。

またある時は、才堂厚子のセリフにはこんなルビが振られている。

素敵(うまそう)な文体(エモノ)は決して忘れぬ!それが編集者(ハンター)って生き物(モン)ですから!

ジェントルメン中村先生の画風は、迫力のある劇画タッチが特徴的で、才堂厚子もパワフルなビジュアルで描かれているのだが、このルビからはそんな才堂厚子の雰囲気とマッチする勢いが感じられるのだ。

言うなれば、まるでルビにキャラクターの感情を乗せているようだ。

他にも、茶坊主と書いて「イエスマン」と読ませたり、修業者を「アイアンマン」と読ませるなど、思わず日常的に使いたくなるほどユーモア溢れるルビが本作の魅力だ。

それはファビュラス・パーリー

突然始まった私の『ようこそ!アマゾネス☆ポケット編集部へ』のプレゼンを、興味津々に聞いてくれたゆうぽるさんと長谷川さん。

面白そう!読んでみるね!と言いながらiPhoneに何やらメモをしていたが、果たして読んでくれただろうか。

いや...でも自分の好きなマンガの話を聞いてくれるだけで、マンガ読みにとっては「最高の宴(ファビュラス・パーリー)」。

そんなとある夜のお話でした。

おまけ

ゆうぽるさんが編集長を勤めている『偏愛視点共有メディアZOCCON』はこちら。

ゆうぽるさんは才堂厚子並のパッションと企画力を持つ女傑(アマゾネス)なので、先日窪塚洋介さんをゲストに迎えて、愛と菌を哲学してらっしゃいました。ぜひに。

広告代理店のプランナーである長谷川くんは、本業の傍らSNSの運用やpodcast配信もやっています。

缶ビール片手に繰り広げるゆるゆるトークは寝る前のお供にぴったり。


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