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『旅先フロンティア』第一話 脚本

第一話のシナリオ
シーン①

都内にあるとある高校の卒業式当日
いちえの声でナレーション→「私の名前は苺いちえ。特技も趣味もなく、夢も目標も何もない平凡で地味な女子高生。来月からは都内にある大学の経済学部に進学するんだけど、それも親に勧められたから行くだけで、私が選んだわけじゃない」

卒業式が終わると、周りの同年代の卒業生たちは、友人や彼氏彼女との別れを惜しんで、写真を撮ったり連絡先を交換したりしていた。もちろん、いちえのそばには彼氏や友人と呼べる存在は一人もいなかった。

ため息をつき、校舎の横に立っている桜の木を見上げるいちえ 
いちえ→「いいなぁ、みんな……」「私にも趣味や彼氏、できないかなぁ……」

シーン②
1ヶ月後 大学で入学式を済ませて校舎の中を散策していたいちえ。すると、目の前に様々なサークルや部活に新入生を引き入れようとする先輩たちが現れる

先輩A→「ねぇねぇそこの君、新入生?うちのサークルに入らない?毎週田舎でキャンプするんだ!楽しいよ」
先輩B→「ばーか!キャンプの何が良いんだよ?ねぇ、うちのボランティアサークルに入ったら?サークル活動に参加すればボランティアで心も洗われるしボランティアの講義の単位も稼げるし、一石二鳥だよ?」
先輩C→「ハッ、ボランティアなんかで心が洗われるわけねぇだろ!うちに入りなよ、お嬢ちゃん!毎週ゲーム三昧できっと楽しめるぜ?」

あいにく、キャンプもボランティアもゲームも全く興味がなかったいちえ
いちえ→「あ、え〜っと……どれも楽しそうだけど、お断りしま〜す(汗)」

落胆する先輩たち

突然、自分の好きな科目が歴史だったことを思い出したいちえは、図書館に向かうことにした。図書館なら静かに本を読んで過ごすことができる。読書は割と好きだった

シーン③
大学の図書館で歴史の本を物色するいちえ。上の方の本を取ろうと背伸びすると、後ろから誰かに声をかけられる

ゆうや→「僕が取ってあげるよ」
そういっていちえの代わりに本を取ってあげる青年
いちえ→「ありがと……」
ゆうや→「君、歴史が好きなんだ?」

突然心を見透かされたと思ったいちえは、ムッとなって質問に答えた
いちえ→「えぇ、だから何ですか?」
ゆうや→「君、旅行には興味ある?」

唐突な質問に虚をつかれたいちえ。しかし一方でいちえは、両親が若い頃に、好きでよく海外旅行に行っていたことを思い出す。

いちえ→「お母さんとお父さんは若い頃によく行ってたみたいだけど…私は特に…」

そう言った瞬間、改めて趣味も特技も何もない自分に嫌気が刺したと同時に、何だか恥ずかしくなってきたいちえは、早くその場から逃げ出したい思いに駆られた。だが、ゆうやに突然腕を掴まれるいちえ

いちえ→「な…何!?」
ゆうや→「僕と一緒に来てくれ!」

シーン④
校内の薄暗い一角に連れて行かれるいちえ
いちえ→「あの…一体どこに行く気ですか?」

すると、ある一つのドアの前で立ち止まるゆうや。ドアを開けると、そこは旅行サークル「旅先フロンティア」のメンバーが集う彼らの活動拠点だった

よりと→「おいおい、ゆうや!もう新入生をナンパしてきたのか?」
ゆうや→「ちげえよ」
ひかり→「あ、もしかしてその子が今年の新メンバー?」
急に焦り出すいちえ
いちえ→「えっ…いや…私まだサークルに入るとは(汗)」「それに、どんな活動をしてるかもまだ聞いてないですし!」
ゆうや→「見たところ、君はどのサークルに入るかまだ決めかねていた」「そして君は歴史と旅行に少なからず興味があるようだ」「違うかい?」

またもや心を見透かされたような奇妙な感覚がしたいちえ
いちえ→「あ……あなた、一体何者!?」
ゆうや→「改めて自己紹介しよう」「僕の名前は千秋ゆうや、この旅先フロンティアのリーダーだ!」
いちえ→「旅先……フロンティア?」

ひかり→「そういえば、例の観光地の民宿、2泊3日で予約しといたわよ」
ゆうや→「ナイスタイミングだ!」
困惑するいちえ→「え?え?」
よりと→「ところで?君の名前は?お嬢ちゃん」
いちえ→「い…苺いちえですけど…」
ゆうや→「よーし、それじゃあさっそく苺さん」「今度の土曜日に新宿駅に集合だ!僕らの旅の様子を直に見学できるぞ?」「いざ、体験入部だ!」

突然の展開に頭がついていけないいちえ
いちえ→「い…いや、私ホントに無理なんですけど〜っ(汗)」

こうして、旅先フロンティアのメンバーと出会ったいちえは、彼らと共に日本中を旅することになる。そこで彼女が体験する大冒険とは?

第一話〈完〉

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