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これでいいんだ、って納得できる移住を。

長女ankoと次女kiri があんまりケンカばっかりしてるから、ぷいっとベランダに出たら、夕日がとてもきれいだった。そうそう、ここに引っ越してきた時、一番最初に気に入ったのはこの都会の夕焼けだった、と思い出した。東京タワーと富士山を眺められる、東京の街を遠く見渡せる良い物件なんだよな。

移住したら、これが無くなるんだな。灯りが無数に灯った夜景が、人がたくさん近くに住んでるっていう安心を与えることは、うん、確かにある。

でも。この美しい夕焼けを、鉄の枠で見ている。下と左右に住んでいる人たちに気を遣いながら、限られた枠でしか見られない。それがあまりにも窮屈に感じてしまったから移住を決めたんだ、と改めて思った。

新しい家は、縁側を出ればすぐに草が生えて、そこからずーっと田園が続いて、木々が並んで、夕焼けのオレンジとグレーが混ざり合った空がうねっている。景色の中に自分がいるっていう感覚が、両手を広げて生きているって気がしてくる。

何かを優先すれば、何かが無くなる。優先するものも、失くすものも、納得して次に行く。祈りながら。決して自分の欲にとらわれずに。

そんなことを考えながら、子どもたちのケンカも収まった頃、やれやれ、と家の中に入っていつものようにMay君をお風呂に入れる。May君はお風呂が大好きだから、とっても機嫌が良くて私は嬉しい。ここの生活もあともう少しだ。どこで生活していても、一日一日を大事に過ごしたい。

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